第4話   だるまさんが転んだ

一定の歩数分の距離を置いて


ずっとわたしの少し後ろにいて


わたしがちょこっと振り向くと


ぴたっと止まって素知らぬ顔でよそを向く



わたしがまた歩き出すと


一定の歩数分の距離を置きながら


同じ速度でついてくる




だるまさんが転んだを


一生やり続けるつもりですか



わたしはもういい加減に飽きたから


そろそろ別のゲームにしたいのだけど




でも

もしあるとき振り向いて


あなたがわたしの目を見て近寄ってきたら


わたしは慌てて前に向き直って


全力で走って逃げるだろう




でも

もしあるとき振り向いて


あなたが突然消えていたら


わたしは雪崩のように泣くだろう


やがて息の根も止まるだろう





だるまさんが転んだを


一生やり続けても悪くない気がしてきた

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