第7話王子の親友
「私、ルイスと婚約を取り消すわ…」
アリスは睨むようにルイスを見て婚約破棄を言った。
「ア…アリス…冗談だろう?僕と婚約を取り消すなんて…」
「私は本気よ、ルイスが先に私に言ったでしょう」
「あ…あれは…彼女には本気で言った訳ではないんだ…僕が愛しているのはアリスだけなんだ」
慌てたルイスは誤魔化すようにアリスに言い訳をしていた。
「最低…嘘を言うなんて…私と別れるとはっきりと彼女の前で言ったわ」
「えっ…」
「本当、ルイス君てアリスに意地悪して楽しんでいたなんて最低!」
「さ…」
ルイスはアリスとコリンから冷ややかな目を向けられ真っ青になっていた。
アリス達の会話を聞いていた近くにいる貴族の女性達がヒソヒソと話をする声が聞こえた。
「まぁ、婚約破棄ですって」
「カミーユ様の婚約の祝いの席なのに何処の貴族かしら」
「あの人、先程踊っていましたわ…とても楽しそうに続けて二曲同じ女性と踊っていましたわ」
「浮気かしら…」
貴婦人達の話し声がルイスに聞こえ早く帰りたいと思いアリスの手を掴んだ。
「!?何をするの?」
「帰ろう、話しは馬車の中で話そう」
「話す事なんてないわ!離して!」
無理矢理アリスの手を引くルイスにコリンが慌ててアリスの手を掴もうとした。
ドン!
「痛っ!?な…」
ルイスの前に黒髪のシオンが目の前に立ちジロッとルイスを見下ろし笑みを見せ声をかけた。
「ケーキ好きか?」
「えっ!?あの…貴方は?」
「俺か?俺は王子カミーユの親友だが、友人の婚約披露宴で婚約破棄を言われて王子は気分が悪いらしい」
「えっ!?カミーユ王子が…で、でも婚約破棄の話しは…」
ルイスは慌てたようにアリスの手を離し真っ青な顔になり戸惑っていた。
「彼女は俺が送ろう、君は先に帰った方がいい」
「は?あ…でも…僕は彼女の…」
「ただの幼馴染みだと聞いたが、君は彼女を傷付けたのがまだ分からないのか?」
「……っ」
アリスを庇うシオンはルイスを責めるように話し、ルイスは自分の方を見ないアリスを見て肩を落とすように城を出ていった。
「…大丈夫か?」
「……はい…」
「アリス!」
「…コリン…」
アリスの側に来たコリンはアリスの手を握りしめた。
「アリス、大丈夫?」
「うん…ごめんね…」
「屋敷まで送ろう」
アリスはシオンを見て『初めて会った人なのに?』とアリスは戸惑っていた。
「……ぁ…彼女と一緒に帰りますから…大丈夫です」
「俺が大丈夫じゃない、彼が屋敷で待ち伏せしているかもしれないんだ。ケーキのお詫びで屋敷まで送ろう」
「ケーキ?」
アリスは首を傾げルイスよりも身長が高いシオンを見上げていた。
「アリス、送ってもらったら?」
「えっ」
「私も安心するから…ルイス君とは話し合った方がいいと思うの…今のアリスは混乱していると思うから…」
「…コリン…」
戸惑いながらもアリスはシオンに送って貰う事になりコリンは笑顔で見送った。
「……彼女がいるみたいな人だけど…私も一緒に帰ればよかったのかな…」
「彼は一人身だから大丈夫だよ、ああ見えて根は真面目なんだ」
「えっ!?」
突然笑顔で話をするカミーユ王子にコリンは驚いて固まった。
「…ケーキ意外に興味を持つとは思わなかったな…」
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