第30話

少し元気になった様子の奥村くんは、ごめんと謝りながらも私の傍にすり寄ってきた。


私が冷蔵庫に残したタッパーの説明と、もうこんな事はしないようにと彼に重ね重ね伝えた。



「梓……また来てくれるよね?」


と彼は返したが、なんと言えばいいかわからず、彼の緩んだ手から解放されて、私は家へ戻った。

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