27
と、そんな時
「「メイッ!!」」
入り口から二つの声が響いた。
「「「「総長!凛太郎さん!!」」」」
「……ゆ、うや、りんたろ」
待ちわびていたはずのその声に、
助けを求めていたはずのその存在に、
どうしてだろう、私はまた冷めていく。
一体何が熱くなってたのかも分からないのに
熱がすうっと引いて行く。
そんな私に気付かず、優也と凛太郎は堂々と倉庫へ歩みを進める。
黒月のメンバーは二人を避けるように道を開け、ついに、漆黒の彼と優也が向かい合う形になってしまった。
手を伸ばせば触れられる距離まで来て止まった優也。
緊張感が倉庫を支配している。
……なのに、
私はまた傍観者となりつつあって、どこか遠くからそれを見ているようだった。
あぁ優也達無事だったんだ、とか
リコは渚と安全な場所にいるのかな、とか
凛太郎が赤髪を殴っちゃいそうだな、とか。
全くどうでもいい事をぼーっと考えながら、私は突っ立っていた。
でも誰かが唾を飲む音がした
ーーーーその瞬間
ガンッッッ!!!
何かがぶつかる大きな音が響いた。
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