13

「あぁっ!?んでだよ優也!」


「どうしてだ」



二人とも納得いかないという顔。


しかし優也は真っ直ぐな瞳で告げた。



「まずはこの娘優先だろ?俺達が怖がらせてどうする」



優也がスッと立ち上がり座り込んでいる女の子の元へゆっくり近づく。



「……ゃ、」



カタカタと震える彼女を見て、切なそうに微笑むと優也は優しく彼女を抱きしめた。





「大丈夫、もう怖くない」












ーーーーーーその言葉を聞いて、傍観していた私の心臓が変な音をたてた。


突然、世界の色が消えて、


何かギリギリで保っていたものが音を立てて崩れていく感覚がした。

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