第15話 三日月の残像

三日月が水面に映って

私に刺さるナイフになる

肌をなぞる刃物の切っ先

ナイフは氷で冷やされたように冷たい


湖の側には建物が建っている

白亜の城その壁に

フェルメールの絵が映写機を通して

チラチラと光を受けている


嘘と本当の間で人々はもはや何も分からなくなって

感情が全てを支配しているから

答えなんて人それぞれ

それが分かるから私は沈黙する


三日月よ

教えておくれ

漆黒に濡れたまつ毛さえ

罪なのだということを


はじめましての挨拶

さようならの涙

こんにちはと言っても

答えはずっと出ないまま


混沌こそが私の名前

三日月に照らされた

ひとつの生ける屍

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