第9話 小林さんちのメイドラゴンには、ある特徴が

 ちょっと番外編のようになりますが、京都アニメーションについて触れておきたいと思います。

 正直、京都アニメーションと言えば伝説級の作品が多いですよね。

 個人的には、ですが、涼宮ハルヒの憂鬱はテレビ版も複数バージョンあって、劇場版も含めてとても良かったと思います。

 特に、時間軸と宇宙論の考え方は2000年代にあれだけ攻めた内容をアニメにするって、勇気が必要だったと思います。

 氷菓も、もう何と言うか、私好みの理屈っぽさ、思考を転がすような展開は、脳が喜びました。

 クラナドは前に書いた通り、事情があって見ていません、他にも色々と作品はありますが、ちょっと別の意味で気になる作品がありました。


 それが「小林さんちのメイドラゴン」です。


 京都アニメーションの作品に、必ずではないものの、こういったドラゴンや都市伝説系の要素が含まれることがあります。

 この作品、コメディーで少し同性愛的な表現が多い中、多分そうでない人が微笑ましく見ることが出来る凄い作品に仕上げたと感じます。

 また、私は基本的に子供の頃から華奢な女性が好きだったのですが、この作品に出て来る女性はふくよかな人が多くて、それがまたとても魅力的だと感じました。 

 このような表現で描かれているのも、他の作品と方向性を異にする部分かと思います。

 私も自分で書いていて感じることですが、やはり既存の価値観とは違う魅力を一つでもオリジナルで引き出したい、と言う願望があります。

 この作品は、既存のを少しずらして描いているように見えます。

 こういう部分が、やはり京都アニメーションだな、と思います。


 さて、ここからが本題です。


 この「小林さんちのメイドラゴン」は、今期も第1期が再放送中ですが、1期目と2期目で、スタッフが変化しています。

 特に監督の武本康弘さんは、第2期でも「シリーズ監督」にクレジットされていますが、この時点でお亡くなりになっています。

 第2期は、武本康弘監督が残した資料を基に、残ったスタッフが肉付けをしながら完成させた作品となり、正直クオリティーに変化が無く、むしろ向上しているようにすら感じられ、私は京アニ魂を見せた作品だと感じます。

 因みにこの監督、初作品が「フルメタル・パニック? ふもっふ」で、これも私が大好きな作品です。この種のコミカルな作品が得意な監督だったのでしょうか。(先の氷菓の監督でもありますので一概には言えませんが)

 この作品、いわゆる聖地巡礼をしようとすると、妙に偏った地域に集中しています。

 それが、埼玉県越谷市~吉川市付近の、それも住宅街の、なんら特徴の無い地域を舞台にしています。

 原作を読んでいないので解りにくいのですが、この東武スカイツリーライン越谷駅を中心に登場する地域が広めに設定されています。

 まず、最初に小林さんが一人暮らししていた朧月商店街ですが、実際にここには商店街はありませんが、越谷市赤山町になります。

 その後、荒川沿いのマンションに引っ越します。

 ここは、川が二つへ平行して流れているので、特徴的な地域です。

 荒川の旧赤門付近に現在は大きな橋が架かっていて、物語でも度々登場する象徴的な橋です。

 (ちなみに、スネークマンショー(古い💧)に出て来る「ホテル・ニュー越谷」は、この付近にありました)

 この橋を渡った付近の住宅街、東越谷の公園や住宅街が作中にはよく出てきます。

 ちなみに、観た人は解ると思いますが、カンナと才川 リコが、川が二つに分かれている所まで歩いて行く回があります。

 このスタート地点の特徴的なトラス橋が、越谷と北越谷を結ぶ橋になります。

 そして、かなり距離はありますが、ゴールとなる川が二股に別れている地点が、越谷市と吉川市の境界になっています。

 さて、なんでこんなローカルな話をするかと言えば、京アニ事件を起こした青〇被告が、以前住んでいたのが、このお話のスタートに出て来るトラス橋の向こう側、つまり北越谷なのです。

 そして、この橋の近くにあるお墓と、もう一つのゴール近くの吉川市に所在するお墓が、某家の共通のお墓になっています。

 そして、この某家は、この物語に出て来る住宅地などにとても縁のある一家です。


 ちょっと偶然にしては出来過ぎていると感じます。

 

 京都アニメーションの作品には、涼宮ハルヒを含めて、ちょっとあちら側の匂いがする内容が含まれていて、当初は事件も関係しているのかと疑いましたが、最後まで追いきれませんでした。

 

 今回は、アニメ作品そのものではなく、作品の背景について触れました。

 あれだけの名作を世に出し続けていた京アニは、やはり勢いが少し落ちていると感じざるを得ず、一体なんて事してくれたんだ、と憤りを隠せません。

 そして、犯人が事件を起こした動機が、京アニに投稿した小説が転用されたと勘違いしたから、と言う・・・・これもカクヨム投稿者としては色々考えさせられる内容でした。

 私も小説を書くようになったのは、あの事件の後でしたから、京アニって小説の公募なんてやってたんだと、逆に事件を通じて知ったほどです。 

 思えば、カクヨムを知ったのも、投稿サイトという概念をその辺で知ったから、と言うのもあります。

 自分で書いている小説って、とても思い入れがありますから、誰しもが同様の

感情を抱くリスクはあるのかもしれません。 

 それでも、あれだけのアニメスタッフ、もはや日本の宝と言えるほどの人々を大量殺戮してしまった犯人の罪は、何をもってしても償えるものではありません。


 亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、京都アニメーションの作品が、今後も名作を出し続ける事を切に願います。

 

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