おまけ2 世間が狭いにほどがある
どうやら、とある女の子と良い関係になったらしく、そのことを自慢してきたのだ。そういや彼には
それはそうと、
そして彼は、せっかくだから会わせたいと言うので、俺も
その話をした翌日、
通学路の途中の街は最寄駅近くのものなので、大した遠回りにならないのは助かるな。
そんなこんなで待ち合わせ場所に到着し、スマホを確認する。彼は今電車に乗ったみたいで、まだ二十分ほどかかるみたいだ。
隣の市の高校だから、特急にでも乗らないとそんなもんはかかるだろうなぁ。
「まだかかるみたいだし、そこらへんの店でもはいるか」
「暑いもんね。汗かいちゃう」
服の首もと辺りを摘まんでパタパタとしていた
近くのカフェに入り注文をして、飲み物とお菓子を片手に窓際の席に座った。駅前で学校終わりの学生もいるのか、座れたのが幸運であるくらいにはしっかり混んでいた。
それに、近くにはこの店よりも人気なカフェがあるので、その店が人を集めているのも大きいだろう。あっちは注文するときに呪文を唱えなければならないので手を出しづらい。
どの出口で待っているかも伝えているので、人の往来に気を配っていればそのうち……と思っているとすぐに見つかった。
「久しぶりだな、
「だな!しっかし
「そういうお前は随分とめかしこんでるな。なんだその髪型はツーブロックか?」
前はショートカットだった癖に、今はツーブロックにして眉毛を整えている
「めかしこんでるとかお前に言われたくねぇよ。なんだまたカッコつけやがって、そりゃ何の髪型だよ」
「いや、行きつけの床屋で整えてもらっただけだが?」
俺はあくまでカットして貰い、自分に合った髪型にしてもらうついでに、眉毛も任せているだけだ。髪も伸びてきたので昨日行ってきたのだよ。
「くっそ、相変わらず気を遣ってるな……俺だって今日は、あの子に会うためにバッチリ決めたんだよ!それはそうと、その子が
「あぁ、
「
「マジかよ超絶美人じゃねぇか、しかも結婚前提って……おっ俺だってなぁ、負けてないんだぞ!ってそういや
ふと、思い出したかのようにキョロキョロと見回しはじめた
その名前、聞いたことあるよーなないよーな……
そんなことを考えていると、彼が目的の人物を見つけたようで、すぐにそちらに駆け出して行った。
「
「ううん!ごめんね、どこにいるのか分からなくてちょっと時間かかっちゃった」
だらしない表情をした
彼女が
そんな俺たちに気付いた彼がポカンと首を傾げている傍ら、
「えっえっ……なっなんで
「ソレはこっちのセリフなんだけどな、世の中狭いったって限度があるだろ」
「え、知り合い?」
意味深なやり取りをする俺たちに、
「まぁな。クラスメイトだよ」
「マジかよ!じゃあわざわざ紹介しなくても良いのか」
「そうだよ。私も
「ひっ!」
少しばかり声のトーンを下げた
「おいおい、なにがあったんだよ。もしかして
「あんまり?いやいや、そもそも
「ん?どゆことだ、
「いやまぁ、色々あったんだよ。ちょっとばかり揉めただけだ」
「揉めただけなんて、それどころか
「なに言ってんの。
ちなみに、
「ありありだろ。お前は俺のダチだぞ?ダチにこの子が何かしたってんなら、一応聞いときたいのほおかしい話じゃないだろ」
「言っとくが、俺は言う気ないぞ。お前がせっかく見つけた相手だろ、その関係を壊すかもしれないんだから言いづらいって」
「じゃあ私が言っとくね」
言いづらい俺に代わり、
それに、俺本人が言うわけじゃないし、
それにもしかしたら、過去のことだからと彼は気にしないかもしれないしな。こっちの問題をそこまで深刻にとらえる必要はないのだから、その関係が傷つくとかってのは俺の思い上がりかもしれない。
「いやいや、俺たちの問題だからさ……」
「そこの
止めよと思ったが側としては気まずく、目を逸らしてしまう。
「へぇ、じゃあ
「それがね、その中の一人が私たちの友達で、事なきを得たんだ。まぁ
「ひぇ……」
しかし、
「本当に
それを受けた彼は目を瞑り、数秒空けて深呼吸したあと、ゆっくりと目を開けた。
「そうか。それなら悪いけど、俺は
「えっ、そっそんな……」
「それじゃ、せっかくだから少し歩こうぜ」
立ち去る俺たちを、
そして歩くこと数分、俺は
「本当によかったのか?もしかしたら彼女ができたかもしれないのに」
俺に言う権利はないセリフだが、それでも気になることではあった。友人の出会いを邪魔してしまったという罪悪感を、逃すための質問。
しかし
「気にすんなよ。会ったばかりの女の子より、俺のヤンチャに付き合ってくれた親友の方が大事に決まってるだろ。ぐちぐち文句垂れてたけど、それでも一緒にいてくれたのはお前だけだ。本当にずっと、感謝してる」
「……そうか」
嬉しいことだが、恥ずかしくもあることをさらっと言いやがる
そんな俺たちを、
「せっかくなら、俺の後輩でも紹介しようか?」
照れていることを誤魔化すために、俺はそう尋ねてみた。
「え、それってどうせ
「あっす……」
きっぱりと
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