せつめい

お直し作品である本作をお読み頂き、ありがとうございます。

ちなみに直す前の作品は、こちらです。

『頭の中の幽霊』https://kakuyomu.jp/works/16818093089637126652


さて。どこをどう直したか、簡単にではありますが、ご説明いたします。


本作の大きな修正点は四つ


①美優の設定

 修正前は、幽霊でありつつも、美優にだけ触れられるという設定でした。幽霊は、主人公の脳が作りだす幻覚・幻聴です。ですから、美優だけ触れるのでは違和感があるので、幽霊全てに接触可能な設定に直しました。しかし、美優の特別感を残すために、彼女はよりリアルな五感を主人公(圭)に与える存在としました。


②文章を研ぎ澄ます。

 例として、ご指導頂いた冒頭文を以下に一つ出します。


『雑居ビルに囲まれた土砂降りの交差点で、傘をさしていたのは僕だけだった』


これでは読者をアウトレンジに連れて行ってしまう文章となり、また、傘をさしていない僕以外の人がおかしいという印象を与えかねないとのご指摘を頂き、以下のようになりました。


『雑居ビルに囲まれた土砂降りの交差点で、傘をさしているのは僕だけだった』


これで、読者を物語の中に招き、かつ傘をさしていない他の人が変、という印象は無くなりました。


以上のように、読者に与える印象に配慮した文章表現に気を配り、全体を書きなおしました。


また、出来る限り水増し表現を削り、シンプルにしました。

「そして」「のように」「という」などの言い回しを使い過ぎていたので、それらも削ったり、別の表現に置き換え数を減らしました(とは言いつつも、まだまだ置きかえてもよさそうな場所が残っています。どう書き変えたらいいか閃かないのでそのままになっております)


③デコレーションする

②は無駄を省き、一文一語に拘るものでしたが、③では比喩を用いて、ここぞというシーンで表現を盛る事に専念しました。


例:美優の瞳を表現する場面。

お直し前

『質問とともに、僕をじっと見つめている綺麗な二重が瞬きを繰り返した。暗い中で見る彼女の瞳は、オニキスと同じ黒さだ。』


お直し後

『質問とともに、僕をじっと見つめている綺麗な二重瞼が、瞬きを繰り返した。

 彼女の瞳は、何もかもを吸い込んでしまいそうな、底なしとも言える漆黒をたたえている。』


読者さんに、よりイメージしてもらいやすい表現を意識して手を加えました。

また、これは私個人の拘りなのですが、本作は一人称なので、主人公(圭)ならこういう言い回しをするだろう、と思った表現を探すよう心がけました。


④最後の、『僕は享受した』を別の言葉に変える。

『享受』は、いい物を受け取るという意味だと教えて頂きました。

圭は覚悟をもって変化した世界を受け入れているので、少しニュアンスにズレが生じます。

どんな言葉を入れようか散々迷った結果(実は今でも迷っているのですが)

『迎え入れた』

に変更しました。


非情にざっくりとした説明ですみません。全体的にはこんな感じでお直ししました。

ストーリーの骨格や演出は変えてないので、細かい設定や、文章表現の変更ばかりです。


最終的なゴールは、地の文をもっと洗練させて、私らしい武器として使えるようにすることです。

お直し後の本作を読んでみて、①~④全てにおいて、まだまだ改善できるはずだとは思うものの、その改善案が浮かばないので、これが今の私の実力の限界なんだと思います。

精進します。


アドバイスを下さったお二人には本当に感謝しております。


ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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