ゾンビの蔓延る世界で感染する気配のないぼっち

白根伊陽

トイレの主、ゾンビに気づく。

 緑山学院高等部の昼休み、校門に1人の男が入ってきた。彼の服はぼろぼろで、顔には深い傷が刻まれていた。生徒たちは彼の異様な姿に気づき、ざわめき始めた。


「誰だろう?」と、ある生徒が友人に尋ねた。しかし、誰もその男の正体を知らなかった。男はゆっくりと校庭を歩き始めた。その歩き方は不自然で、まるで足を引きずるようだった。生徒たちは次第に恐怖を感じ始め、距離を取るように後ずさりした。


 突然、男はうめき声を上げ、地面に倒れ込んだ。周囲の生徒たちは驚きの声を上げ、教師たちも駆け寄ってきた。しかし、男はすぐに立ち上がり、その目は血走っていた。彼の口からはよだれが垂れ、まるで獣のようなうなり声を上げた。


「ゾンビだ!」誰かが叫んだ。その瞬間、校内はパニックに包まれた。生徒たちは逃げ惑い、教室や廊下にバリケードを作り始めた。教師たちもまた、生徒たちを守るために必死に動いていた。


 外で遊んでいた生徒たちは次々とゾンビに襲われ、恐怖の叫び声が校内に響き渡った。教師たちは生徒たちを安全な場所に避難させようと奮闘していたが、ゾンビの数は増え続け、状況は悪化の一途をたどっていた。


 廊下では、生徒たちが互いに押し合いながら逃げ惑っていた。泣き叫ぶ声や、助けを求める声が入り混じり、混乱は極限に達していた。教室のドアを叩きながら「開けてくれ!」と叫ぶ生徒もいれば、窓から飛び降りようとする生徒もいた。


 体育館では、部活動中の生徒たちが一斉に逃げ出し、器具や道具が散乱していた。バスケットボールが転がり、バレーボールのネットが倒れ、まるで戦場のような光景が広がっていた。


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 突然だが、皆さんに便所飯の経験はあるだろうか?経験がないのであらば、アドバスがある。それは、食べるなら絶対にパンにしておけ、ということだ。弁当はだめだ。弁当の臭いとトイレの消臭力のせめぎあいによって眩暈がするほど飯がまずくなるのだ。


 ということで俺こと霧之原落葉きりのはらおちばは今、特別棟3階のトイレにて、あんパンとお茶を食べている。

 なぜ、トイレで食べているのか。教室で食べればよいじゃないか。その質問ではただ一言で答えることができる。俺には友達がいないからだ。ただ、トイレでこもるのには大きなメリットもある。先生にバレずにスマホを使うことが可能なのだ。

 今日も今日とてぼっち生活を、楽しむとするか。


 ってなんだこれ?!日本でゾンビが発生?!また、ねらーの仕業か......。


「いやぁぁぁぁあ!!!」と女子の叫び声がする。

 なんだろう、とトイレの小さな窓から外を見てみる。

 すると、グラウンドには大量のゾンビがいた。

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