第4話
◇礼拝堂に漂う陰鬱
礼拝堂の扉は割れ、内部には埃と黴臭(かびくさ)い空気が漂っている。
かつてここで神に祈りを捧げていた時代もあったらしいが、今は生贄を待つ儀式の場と化している。
壁にかろうじて残るステンドグラスには、色褪(いろあ)せた聖人の姿が映っている——しかしその表情は摩耗(まもう)し、どこか嘲笑(ちょうしょう)しているようにも見えた。
イリスはそこへ足を踏み入れ、やがて祭壇の前に立ち止まる。
「もし……神様がいるなら、どうしてこんな世界を放っておくの……?」
微かな声で問いかけても、返ってくるのは虚無だけ。
人々の嘆きがこだまする場所であるはずの礼拝堂には、奇妙なほど冷たい沈黙が満ちていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます