第1話

漁師の、マグロの一本釣りの番組においてこの人の存在は欠かせない。


この人が出れば視聴率が上がる(女子の)。



高身長の細マッチョで黒髪、切れ長の瞳のスーパーイケメンのマグロの一本釣り漁師。



それが半年前に結婚した、私の旦那


久喜雄大ひさきゆうだい26歳だ。



かくいう私もそのテレビ番組の中の一つで特集されている雄大を見て、惚れた一人だ。



小さな船で荒波の中一人、マグロと戦う姿はそれはもう格好良かった!!


マグロを睨みつける切れ長の瞳。


百キロから二百キロはあるマグロをロープ一本で手繰り寄せていくガッチガチに引き締まった二の腕。


揺れる船でビクともしない体幹の強さ。



もうっ、もうっ本当に格好良かったのだ。



そして極めつけが、そんな荒々しい海の男なのに、笑顔がっ。


マグロが釣れた時の笑顔が反則的に可愛いというっ。



惚れずにはおられんでしょう!!



テレビに釘付けになったあの日から雄大のことを調べ上げ、本物が見たいと少しでも側にと、会社も辞め雄大の住む県に移住して……



雄大と会えた日には狂喜乱舞。



でもやっぱりモテるわけで……


ライバル多数なわけで……



形振り構わず猛アタックしたよね。


全てにおいて全力で突撃したよね。



そんな私の努力も実り、お付き合いOKの返事をもらい。


半年前に雄大からプロポーズされ、幸せ絶頂の中結婚したのだが……

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