9話 〜 Brioche 〜
12月に入り、キラキラとイルミネーションが輝き、街を歩く人もどこか心が弾んでいる様だった。
カフェ 『fluffy』のドアには【close】の札か下げられていた。
玉子と無塩バターを常温に戻し、玉子をボウルで溶いて半分別のボウルへ移しておいて、残った溶き卵に塩と砂糖、強力粉、ドライイーストを入れてから、40度に温めたお湯をゆっくり注ぎ入れて混ぜ合わせ、ひと塊りになったらボウルから取り出し、無塩バターを馴染ませ、表面がつるんとするまで捏ねる。
捏ねた生地をボウルに戻し、ラップをかけてオーブンの発酵機能を使って一次発酵させている間に無塩バターと砂糖をボウルに入れて白っぽくなるまで泡立て器で混ぜ合わせ、半分残しておいた溶き卵を加えて混ぜ、薄力粉をふるい入れて、だまが残らない様によく混ぜ、生地をまとめて直径3㎝の棒状に成形してラップに包んで冷蔵庫で20分ほど寝かせる。
二つの生地を作り終え、私は鼻歌混じりに使い終わった道具を洗い始めた。
(上手く出来ると良いんだけど……)
そう、私は今生まれて初めてメロンパンを手作りしている。
パン自体は実家でもカフェをオープンしてからも個人的に作った事があるので、然程苦手意識はないのだけれど……。誰かに食べてもらうという前提でパンを作る事が初めてでドキドキしていた。
(今回のが上手く出来たらアレンジしてみようかな……)
なんてあれこれ考えている間に一次発酵終了を知らせる音がキッチンに響いた。
発酵が終わったパン生地のガス抜きをして、生地を8等分に分けて丸め、上から濡れ布巾を被せて10分休める。
その間にクッキー生地を冷蔵庫から取り出し、パン生地と同じ様に8等分にして麺棒で直径8㎝くらいの大きさに丸く伸ばして休め終わったパン生地を優しく包み、クッキー生地の表面にグラニュー糖をまぶして、スケッパーを使ってメロンパンお馴染みの網目模様をつけていく。
クッキングシートを敷いた天板に生地を並べて、またオーブンの発酵機能で10分発酵させてから、今度は室温でさらに10分。二次発酵をして、180度で予熱したオーブンで10分焼き、160度に下げて5分程焼いて、クッキー部分が好みのサクサク加減になったら完成。
パン独特の焼きたての優しい甘い匂いに誘われ、パクリと一口頬張る。サクサクのクッキー生地にグラニュー糖の少しザラついた口当たりが堪らない。
(本番は、パンの中にカスタードクリーム入れて作るのも良いかも)
【メロンパン】とタイトル付けしたレシピノートに今日使った材料と思いついたアイデアや試してみたいアレンジをいくつか書き入れて、ノートを閉じる。
「さて。メロンパンの試作も終わったし、昨日作ったミネストローネ食べたら早めのクリスマス休暇楽しまなきゃ!」
そう言って、私はミネストローネが入ったお鍋をコンロにかけた。
メロンパンを誰のために練習したのかって?
それは……彼女だけの秘密。
Passe une bonne nuit a toi
Joyeux noël
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