ポンコツお嬢様神宮寺リネと世話役の俺

ありあんと

第1話

 俺、伊藤和人の隣にはいつだって麗しき天才少女がいつもいる。

 

 彼女が私立神宮寺学院高校の天使様と呼ばれるのは伊達ではない。

 北欧出身の母親に似た明るい髪の毛。吸い込まれるような青い瞳。華奢な体に長い手足。

 成績優秀。スポーツ万能。おっとりとした様子は天上人のようだ。

 物語の挿絵から抜け出てきた様な美しさに、毎日の登下校の際には人集りが出来るほど。


「はぁ……天使様はいつ見ても美しい」

「ありがたや……ありがたや……」


 そんな姫……リネは姫ゆえに鞄を持つことなんてしない。

 お付きの人が持ち歩くのだ。


 お付きの人を指さして、今日も周りからヒソヒソ声がよく聞こえる。


「アイツどんなコネで天使様の隣にいるんだ?」「金魚のフンめ」「もしかして付き合ってるとか?」「流石にそれはないっしょ!」


「聞こえてるっちゅーの」


 和人は深〜いため息を吐いた。


「ん?和人どうしたの?」


「いや、何でもない」


 リネが小首を傾げるとサラサラと髪が流れ、それまたまぁ美しく、周りからは感嘆のため息が溢れた。


「やっぱり見た目だけは完璧なんだよなぁ」


 お付きの人こと和人は呆れて今朝から何度目かの深〜いため息を吐いた。


「ん?和人なぁに?何か言った?」


「いんや。なぁんにも」


 和人は今朝のいつも通りのドタバタを思い出していた。


 


 


 


 

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