朝起きたら何故か女に!?

ぷりず

第1話 母の死と女体化

「母さん!!大丈夫か!!?」


「葵...私はもうダメみたい...」


「...そんなこというなよ!まだ何とかなるかも...」


「...自分のことだから何となく状態も分かっちゃうの。」


「...」


僕、岩倉葵は今病院に来ている。理由は母親が交通事故にあったと病院から電話があったからだ。とても信じたくはないが、母さんは買い物帰りにスピード違反の車に轢かれてしまった。助かる術は無く、まだ生きているのが奇跡レベルらしい。


「葵...これは私からの最期のお願い。よく聞いて?」


「最期だなんて...」


僕がそう言いかけると母さんは僕の口に弱々しく人差し指を当てる。


「私が居なくなっても、柊くんと唯をよろしくね...。」


「待って...いかないでよ母さん...!」




そうして僕の母さんは、息を引き取った。僕は何も考えず泣いた。何も見えなくなるほど泣いた。

そこからの記憶は曖昧で、父親の岩倉柊と妹の岩倉唯も来たそうだが僕の記憶には全く残っていなかった。




「......んん...朝か...なんでソファで寝ているんだ...?あぁ」


昨日のことを思い出す。もう大好きな母さんは居ない。なにも覚えていないけど、きっと泣き疲れてソファで寝たのだろう。

昨日のは全部夢で母さんはいつも通り生きてるかも、とも思ったが、そんなことはなかった。


「あぁ...昨日より少しは気持ちは楽かもだけど、やっぱりしんどいなぁ。普通はそこまで引き摺らないものなのかなぁ...。いや、そんな訳ないか。」


母親がいなくなってしまうことで今までの日常が変化してしまうのだから、受け入れられなくてもおかしくないだろう。


「...ん?なんか、僕の声いつもと違くない?気のせいかな。泣きすぎて声おかしくなっちゃったかなぁ...」




「今の時間は...12時かぁ、寝すぎたな。」


今は春休みなのでいくら寝ても問題は無いのだが、その生活が身に付いてしまうと後々大変だし、僕は今年から高校生になるのだ。遅刻なんてしてはいけない。


「というか、こんな時間まで寝てたらいつもだったら唯が起こしに来ると思うんだけどなぁ」


まぁ昨日あんなことがあったばっかだし、まだ普段通りの生活を送れる訳無いか。


ガチャ


「お兄ちゃんいつまで寝てるの!もう昼ご飯作ったんだから起きて!」


「いや全然送れてたわ」


「...って、誰...?」


「はぁ?急に何言ってるんだ?悪いが変な茶番に付き合う体力は無いんだ。俺はお前の兄だぞー。」


「え?いや、どっからどう見てもお兄ちゃんじゃないし、女の子じゃん」


...は?女?


「何言ってるんだ、僕が女な訳...」


そう言いながら鏡を見ると、それに映っていたのは...



「は?誰??」


めっちゃくちゃ可愛い女の子だった。


「どうなってるんだ...?なんで僕が超絶美少女に...?」


「自画自賛腹立つわね」


もしかして、これが女体化と言うやつなのか!?でもあんなの、現実ではありえないし、なんで...


「ていうか、お兄ちゃんをどこにやったの!警察に通報するよ?」


「え!ちょっと待って!!僕はお前の兄の葵だって!」


「じゃあ私の1番好きな食べ物は?」

「毎食かけてるマヨネーズ」


「私がマヨネーズと1番合うと思ってる食べ物は?」

「お風呂上がりよく食べてるプリン」


「お兄ちゃんがご飯の度に私に言ってることは?」

「白米にさえもマヨネーズ!?」


「...本当にお兄ちゃんなの?」


「僕は妹の将来を不安に思います。」



とりあえず妹には信じて貰えたっぽいな。マヨネーズで。















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