マルク共和国義勇兵小隊 かく戦えり
@tomato197775
第1話 始まりの時
大森林地帯を望む高台で、1人の青年、まだあどけなさの残る少年にも見える泥ま みれの士官服を着た男が地形を見下ろしていた。
本来は若さによるは生命力が有ってもおかしく無いのに妙に達観した表情をしている。
彼の名前はあるアルベルト・フォン・フレイア見習い士官。
兵力の少ないこの国の軍隊とまだ共和国に移行しても残る貴族の有効利用をするために生み出した貴族に対する兵役の義務と厳しい教育を必要とする士官学校の正士官では無く手早く下級士官を養成にするために作り出された大学の課程を卒業した者を見習い士官として教育して下級士官を充当させると言う奇妙な制度の犠牲者の一人だった。
貴族は士官もしくは兵役に着くべし。
貴族たるものの高潔なる義務である。
そのように憲法に定められており、帝国騎士と言う末端の騎士であり、領地として 小さな牧場を守るために、家族から士官になる事を強要された。
アルベルトは大学に通いながら、大学の課程
である予備士官制度を利用して、軍隊の訓練を受けていた。
入りたい大学に入るには少し勉強が足りず、予備士官制度を利用すれば下駄をはかせてくれると言うの噂はおおよそ真実だった。
アルベルトは家庭の事情と自身の努力のいたらないのに苦笑の笑みを浮かべる。
そして、アルベルトの家は牧場であり、アルベルトが乗馬ができたために、竜騎兵と言う馬に乗って高速移動を行い、戦う時は馬を降りて、歩兵の様に戦うと言う軍種に配属されたのだった。覚える事は歩兵小隊の指揮から、乗馬しての突撃戦法、白兵戦時のサーベルの使い方などだった。
兵役の義務がある事を見越して、アルベルトの両親はサーベルの使い方と乗馬の仕方を教えたのだった。
マルク共和国では、特別な免許を与えれた猟師と軍と司法組織と一部の特別職にしか銃器の所持を認めていなかった。
そして、見習い士官として1年間、部隊で訓練を受けて、さらに1年間、少尉候補生として専門教育を受けて、5年間の軍役を受ける義務が課せられた。
そして皮肉な事にアルベルトが卒業した年次を持って、乗馬部隊の装甲部隊化への方針が打ち出された。さらに皮肉なのは、第501独立竜騎兵大隊に配属された日にレイマーク帝国のマルク共和国への大侵攻作戦が開始され、最前線で偵察の任務の補助として配置されていた独立501竜騎兵大隊はマルク共和国の大撤退作戦の殿部隊の1部隊として激戦を繰り広げたのだった。
過酷な戦闘を生き延びれたのはとても幸運な事だし、見習い士官の立場であるから助かったと言う感謝もアルベルトにはあった。
その実戦経験から大森林地帯を走るミューズ川を挟んでの戦闘になるのだろうと思い、思いをはせるのだった。
「見習い士官、トラックが発射しますぜ。早く乗ってください」
横柄な態度の軍曹の言葉に苦笑を浮かべる。彼らの様な歴戦の勇士に取って見習い士官など尊敬する価値も無い存在なのである。
「分かりました。直ぐに参ります」
そう言いドラックに向かうアルベルトであった。
続く
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