俺が溺愛してやるのに?! ~俺様脇役王子、転生悪役令嬢に恋して脳が破壊される~

有頂天アルフレッド

大切なプロローグ

 厳かな雰囲気の中、結婚式が執り行われている。


「汝、エリザベートはいかなる時もこの者を愛すと誓うか?」

「……誓いますわ」


 壇上の少女エリザベートが、少しためらいながら誓いの言葉を口にする。純白のウエディングドレスがステンドグラスの光に照らされる様子は、まるで天使が羽を休めているかのように美しい。彼女がかつて極悪令嬢と噂されていたことなど、もはや誰も信じないだろう。

 

「では、指輪の交換を」


 神父に促されるまま、彼女は新郎レオンハルト王子に向かって手を差し出す。


 王子は愛おしそうに手を取ると、彼女の細い指に指輪をはめた。今度は花嫁が新郎に指輪をはめる番だ。侍従から手渡された指輪は、一瞬だけ花嫁のはかなげな表情を映し、そして新婦の指にはまった。


「エリザ、愛しているよ」

「……ありがとう、レオン様」


 花嫁のヴェールが新郎の手によって上げられる。あらわになった彼女の顔には、わずかに迷いの気持ちが表れていた。遠く離れた参列者には、気づくこともできないほどの表情だ。だが、目の前の新郎はどうだろうか。


「誓いのキスを」


 参列者の期待を受け、二人の顔が徐々に近づいていく。窓から降り注ぐ光が一層強まり、壇上の二人だけが幸福な世界に包まれる。あまりの神々しさに、いますぐに筆をとって、この歴史的瞬間を永遠のものにしたいと思った芸術家が何人いたことか。


「……」


 だが、その様子を恨めしくにらむ者がいた。

 というより、顔は真っ青で、体中から滝のように汗を流し、膝は大きな音を立てて震えている。


 愛しい女性が教会で愛を誓っている。なのに、その隣にいる者が自分でないなんて耐えがたい。

 だから、は最後の力を振り絞って叫んだ。


「俺が溺愛してやるのに、どうしてお前は俺と結婚しないんだーっ!」

 

 俺……脇役王子クロヴィスの叫びは、まばゆい光にかき消された。



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