第3話 中学時代

 はじまりは、ささいな事からだった、それがいつの間にか大きくなってしまった。

その経験から、美咲は集団に対して強い恐怖心を抱くようになり、3人以上になると言葉が出てこなくなってしまった。


 美咲は陽菜ひなの顔から目線をそらして、中学時代のことを話し始めた。


「美術部で仲がいい5人のSNSグループがあって、そこに、それぞれ描いた絵をアップして、ここがいいねとか、アドバイスとかしあってたの、中学3年の絵画コンクールで、

はじめて私の絵が優秀賞を取って、みんなからおめでとうって言ってもらえて嬉しくて、そのあと、もっとほめてもらいたくて、何度もその絵をグループチャットに出してしまって…。最初はみんな、しつこいよとか、笑ってくれてたんだけど、だんだんと、みんなの反応が冷たくなって…

グループチャットで話しの流れを毎回作る、実質リーダーの子から、突然『自慢好き』とか『優越感に浸ってる』ってDMがきて、

あっ、みんな、嫌だったんだって、この時、はじめて気づいて、ちゃんと謝罪のメッセージをグループチャットに送ったんだけど、もう遅くって、いつも、にぎやかなのに、私のメッセージの後、誰も反応してくれなくて、みんな、私を避けるようになって…

数日後、メッセージが1件きてて、それが、

私が描いた絵の上から✕(バツマーク)で塗りつぶされた画像で…」

 

 美咲は、うつむき加減にそう話した。

絵画コンクールでの喜びは、絶望に変わってしまった。

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