オンライン資料その2:料理ネタを探す(日本編)
小説ネタとして「美味しいもの」の存在は欠かせませんからね。
とはいえ、書けるネタがいつでもカレーにカラアゲ・ハンバーグ+マヨネーズという状態は、ちょっと寂しいというものでしょう。「またかあ」と読者に思われてしまいがちなネタでもありますし。
しかし料理は知らなきゃ書きようもありませんので、調べてみるのに良さそうなサイト・資料を集めてあります。
作ってみて、うまく行かなければもうけもの。失敗談すなわち小説のネタですからね。おもしろそう、美味しそうと思う料理があったら、チャレンジすると良いですよ。
なお、某日本の素人レシピ投稿サイトはトンデモレシピが割と含まれているので、現代日本のまともなレシピは調味料会社などを参照すると良いです(大使館などがレシピを提供している場合があるので、全部が全部トンデモというわけではないですが)
※いずれのサイトも2025年1月現在のものです
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◎(現代)日本のレシピサイト
◆ 白ごはん.com https://www.sirogohan.com/
現代の日本食サイトとしては外せないかなあ。
◆ 農林水産省 うちの郷土料理 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/index.html
お役所なのにソフトな一面のある農水省、こういうコーナーも持ってます
◆陸上自衛隊:ご当地グルメレシピ https://www.mod.go.jp/gsdf/fan/rikujimeshi/recipe.html
……地味。とにかくWEBページが地味。
ページももう少し美味しそうに作りましょうよー、いくら「用意周到・動脈硬化」がモットーだからって、そこまでお堅くならなくても良いと思うのよ…?
(以上、
◆ 海上自衛隊 艦めし https://www.mod.go.jp/msdf/kanmeshi/
カレー以外にも作ってますよ!な海上自衛隊。
なお、美味しいご飯で太りすぎたらダメだそうです。
◆ 航空自衛隊 空自
みんな大好きカラアゲ、空自は専門ページがあります。
以下は食品会社等のレシピ集。説明すると長くなるので割愛。
◆ 味の素パーク レシピ大百科 https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/
◆ ハウス食品 レシピ https://housefoods.jp/recipe/index.html
◆ エスビー食品 レシピ https://www.sbfoods.co.jp/recipe/
◆ 天使のお菓子レシピ|森永製菓 https://www.morinaga.co.jp/recipe/
◆ 森永乳業 レシピ https://www.morinagamilk.co.jp/recipe/
◆ 世界の料理|レシピライブラリ|旭化成 https://www.asahi-kasei.co.jp/saran/recipe/world/
◆ おいしい世界ごはん ユウキ食品 https://world.youki.co.jp/
◆ 明治の食育 比べてみよう!世界の食と文化 https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/worldculture/
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◎昭和の日本の料理
国立国会図書館デジタルコレクションで探すと料理本はけっこうあるんですが……
◆ 栄養と料理デジタルアーカイブス https://www.eiyotoryoris.jp/
現在も刊行中の雑誌「栄養と料理」の、昭和10年~昭和20年のアーカイブがこちら。昭和の、けっこう裕福な家庭に紹介された料理の数々と、それを紹介する文章を見るにはとても良い資料です。
コストを考えると、裕福なご家庭以外で作れたとは思えないんですよね……。
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◎明治の洋食
大正はすっ飛ばしましたが気にしないでください。
有名どころだけ。
◆ 西洋料理指南
上巻 https://dl.ndl.go.jp/pid/849073
下巻 https://dl.ndl.go.jp/pid/849074
初版は明治5年、敬学堂主人著。
西洋料理そのものが紹介された時期の本なので、語の定訳もなければ漢字も定まっていないような状態の本。今なら説明する必要が無い語までいちいち解説しなきゃいけなかった時代の本です。著者、ものすごく頑張った。
どのくらいまどろっこしい解説が付いているかというと、上巻には
”書中
(書中で
という説明があるくらいですからねえ……
どんだけ話が通じないつもりで書いたの!?て感じですね。
なお、今では用いられない用法や読み方もテンコ盛りです。
たとえば、
また飧は文字通り夕食の意味があるので(中日辞典を引くと出てきます)、これにわざわざ「晩」を付けるのは蛇足という気がしなくもありません。ついでに言うと飧は「簡素な夕食」の意もあるようなので、ディナーにこの文字をあててるのはちょっと不似合いかなという気もしますね。まあ、定着しなかった語なので気にしなくて良いのでしょうが。
この他にも面白い本はいろいろありますが、国立国会図書館デジタルコレクションを漁るとわらわら出てきますので、割愛します。
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◎江戸時代以前の日本の料理
実は料理本というものの歴史がほぼ、江戸時代からなんですよね。
このへんの中身は文献を頼ったほうが良いです。
◆ 料理物語 https://www.digital.archives.go.jp/file/1240055
1643年発行、著者不明。
人文学オープンデータ共同利用センターの日本古典籍データセットはこちら。 https://codh.rois.ac.jp/pmjt/book/100249328/
儀礼や作法についてではなく、調理法や材料についての説明がある本で、おそらく日本初の一般向け料理本。味の素食の文化センターが動画で紹介しています
https://youtu.be/f3pNj3gevgY?si=SOnwgdQd2OSeKh_R
現代語訳が出版されたこともありますが、古本の値段も高騰していますので、現代語訳はどこかで借りるのが良いと思います。
◆
初版は1746年、編者は江戸川散人孤松庵養五郎。
上・中・下の3巻構成で、中・下巻は『四季料理献立』として知られるものと内容が被る模様。
オンライン資料としては「古典料理の研究(十三) ─『黒白精味集 』について─」に上巻の翻刻が掲載されています。味噌・醬油・たまり等の作り方も含まれていますので、現代的な道具が無い場面での参考になりそうです。
https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900025158/KJ00004299462.pdf
◆ 豆腐百珍 https://codh.rois.ac.jp/pmjt/book/100249466/
初版は1782年、著者は
筆者の名前だけ見ると中国の方のようですが、日本人のペンネームです。
現代語訳が中公文庫から出版されてますので、中身はそれを見るのが一番楽です。中公文庫版の訳者である福田浩氏は料理がご本職で、すべてを試作なさった上で備考を付けておられます。
あと、一部は「努力の割に合わないんと違います?」なメニューでした(福田氏も『馬鹿豆腐』の項で『馬鹿にならぬ材料費。馬鹿にでもならなければ、長時間の鍋番もできない』とツッコミを入れてますね)
◆
初版は1785年、
国文学研究資料館がレシピ集を出してます。レシピと写真を見るのが一番参考になりそうです(ただし28種しかありません)。
https://www.nijl.ac.jp/pages/cijproject/tamago-hyakuchin/index.html
写真は無くても良いが全レシピ読んでみたい、という方はこちら。
https://codh.rois.ac.jp/edo-cooking/tamago-hyakuchin/recipe/
◆
初版は1789年、著者は珍古樓主人。
いわゆる百珍物の一つで、百と言いつつ123の料理が紹介されている。
記述は割と簡素で、料理をしない人にはちょっとピンとこないかも。
◆ 素人包丁 https://codh.rois.ac.jp/pmjt/book/200021953/
人文学オープンデータ共同利用センターで日本古典籍データセットとして公開されていますから、それを見ると良いでしょう。
3冊構成の本で、
第1冊(四季魚類・汁・煮物・和え物・田楽・四季精進) 1803年
第2冊(雑魚・魚類粥雑炊・精進青物仕様) 1805年
第3冊(精進酒菜) 1820年
に出版されています。
◆ 会席料理細工包丁 https://codh.rois.ac.jp/pmjt/book/200021894/
初版は1807年。
江戸時代後期の本で、料理法そのものは部分的に書かれているだけ。
料理の構成などを見るには良いのではないでしょうか。
◆ 江戸流行料理通大全 https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100276147/
初版は1822年、八百善主人著。
掲載されているのは当時のいわゆる高級料理です。
江戸の料亭「八百善」の主人みずからの名で出した本で、献立の占めるボリュームが大きいのが特徴。この本は大量に刷られた版木が
余談ですが、この本は大英博物館のコレクションにも入っています(https://www.britishmuseum.org/collection/search?keyword=%E6%B1%9F%E6%88%B8%E6%B5%81%E8%A1%8C%E6%96%99%E7%90%86%E9%80%9A)
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う~む、長くなり過ぎました。
というわけで日本編だけ分離してみたんですが、オンライン資料はこのほかにもまだまだありますので、ぜひ楽しんでみてください。
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