男たちのきまぐれミカンロードは、「子守歌のモリウタコ」でFBI

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 FBIが出てきてから面白くなってきたヤンデレなギーグの子守歌が流れる店(長い)「モリウタコ」に、ようこそ?

 カラン、カラン…。

 店の扉を開ければ、小さな鐘が鳴り響く。

 ネン、ネン、コロ~リ~ヨ~♪

 子…。

 子守り歌!

 店内に、子守り歌が流れている!

 「いらっしゃいませ」

 きまぐれなミカンロード喫茶店、またはバー、または床屋にようこそ。

 店内の照明はやや暗く、静か。

 キュッキュとグラスを磨く店主の前に横長カウンターが広げられ、イスが、 5つか 6つ並べられる。

 「お久しぶりですね」

 「ああ、お久しぶり。良いメロディだね、マスター?」

 「…ギーグの子守歌ですよ」

 「え?」

 「すべてのメロディを集めなければ、なりません」

 「ギーグのモリウタコ?」

 「…ちがいます、お客様?子守歌です」

 「モリウタコ?」

 「やめてください、お客様!」

 「え、何?」

 「モリウタコでは、キンダイチに殺されます!」

 「何、それ?」

 「世代間ギャップ…」

 「そうだ、マスター?」

 「はい」

 「バーボンはあるの?」

 「バーボンは、ベルモットと一緒に外出中でございます」

 「?」

 「公安警察ゼロは、見えないのでございます」

 「ふうん」

 「ちなみに…。アガサは、あの方ではありません」

 「らしいね、マスター?アガサっていう名前の酒があるから、あの方はアガサなんじゃないかっていううわさが流された」

 「…」

 「弱いマンガだなと、思った」

 「…」

 「けれど、 FBIが出てきてから面白くなってきた」

 「…」

 「マスター?シェリーはあるの?」

 「シェリーは、ばあさんです」

 「じゃあ…アドニスのカクテルはある?」

 「…アドニス。それは、ハネダジムのフェザー・アドニスのことでしょうか?」

 「うわ…。マニアックな話だ」

 「ふふふ」

 「そうだ、マスター?」

 「はい?」

 「俺の髪の毛、ロン毛になってきたよ。最近、床屋にいっていないからかな」

 「…」

 「髪、切っていなかったな」

 「…」

 「床屋…。混乱する言い方だよねえ。あれ?理髪店、美容院。ヘアーサロン、カットサロンともいうからね」

 「…」

 「マスター?理容店とか美容院、ちがいはあるの?」

 「…きましたね」

 マスターの手が、止まった。

 「これで、あの話ができますね」

「マ、マスター?」

「フフフ…。ドレッシングは、じっちゃんの名にかけないでサラダにかけて!」

「何、言ってんの?」

変な店ストーリーが、スタート!

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