017 多肉植物という名の生命体

 多肉植物。この言葉を聞いて、「あぁ、あれね」とピンとくる方と、「肉の多い植物?」と首を傾げる方がいるかと思います。


 多肉植物とは葉や茎に水分を貯めて過酷な環境でも生き延びる植物の総称で、「刺座しざ」と呼ばれる白い綿毛のような器官のあるサボテンも多肉植物の一つです。

 なので実はものすごく多くの、もうほんとに……すごい種類があることに気づいた時には沼っていました。


 元々は数年前の園芸市で、あの独特な形に興味を持った家族が苗を購入したのが始まりです。そのまま半ば放置で窓辺に置かれること1~2年。月に一度、水をあげるかどうかという見事なほったらかしぶりでも息絶えることなく、ひょろひょろと鉢から溢れてました。

 3年程前、流行り病にかかった時に回復はしたもののしばらく外出できなかったことがあり、窓辺やベランダの整理しようと思ったのがきっかけでした。


 生きている部分をちゃんと植え替えたならもう少し元気になるだろうか。

 そもそも、多肉植物の育て方ってどうなんだろう。

 基本、太陽と水と土があればいいはずだけれど、肥料は? 土の種類は? 水やりの頻度から虫や病気対策に何がいるんだ? 多肉って、確か葉からも根が出るほど強いはずだけれど……。

 と、調べ始めるとまぁ、出てきますよね。

 YouTubeやInstagramから、諸々のブログまで。

 ほんの半日調べただけで多肉植物の本来の姿――いわゆる、タニラーと呼ばれる匠たちの見事なまでに美しい鉢を見てしまったなら、「なんじゃこりゃ」となりましたとも。


 ぷっくり丸く可愛いフォルムから、角のように鋭利なカッコよさを魅せる葉。鈴なりの果物のようなフォルムのもの。更に紅葉と呼ばれる色とりどり変化していく姿。多肉植物の寄せ植えはまさに花束です。

 道端で見る葉物植物には無い、むしろどこぞの惑星に自生する宇宙生物的な性質と形は、SF大好き管野のツボに刺さりまくったのでした。


 枯らさない程度の育て方から、完璧なフォルムを目指す仕立てまで極められる。

 気が付けば日光に合わせて鉢を移動させ、毎朝、気温や天気をチェックして水やりのタイミングを読む。自分で土をブレンドして植え替えるようになる頃には、ベランダの整理をする前より鉢が増えていましたとも。

 恐るべし生命体の精神浸食。




 3度目の冬を迎えた今、2度の実験を経てベランダでの冬越しに挑戦しています。

 基本、気温5℃を下回る場合は室内に入れるというのがセオリーですが、夏から冬越しの準備を進め多少の工夫をすれば、マイナス10℃近くまで耐えそうです。

 中にはマイナス15℃でも越すヨーロッパなどの山岳地帯が原産の種(センペルビウム属)もあり、我が家の巻絹やジョビビルバブルガリスは、この正月の寒さでも元気にしています。


 もちろん10℃を下回ると弱るユーフォルビア属の峨眉山がびざん(小さなパイナップルみたいな形)や、セロペギア属のボッセリ(黒い竜のような形)は早々に室内入りさせました。

 比較的寒さに弱いと言われるクラッスラ属(金のなる木とも呼ばれる花月や宇宙の木ゴーラム、星の王子など)は外で頑張っています。


 もふもふの毛が生えた、カランコエ属の月兔耳つきとじは夏型多肉なので室内入りさせましたが、日光が足りず徒長(もやしのようになること)してきています。

 性能のいい育成ライトがあれば多少は抑えられるのでしょうが、お金をかけずに楽しむ縛りをしているので、春に全て仕立て直しする覚悟で現状維持に努めています。


 何よりこの数日で形が整っている株たちが、のきなみ花芽をつけ始めているので戦々恐々としています。花をつけると株の体力が落ちる、形が崩れるぅ。

 でも半年後、花咲く頃にはうきうきしながら写真撮影していることでしょう。(昨年実証済み)


 以上、オタクの早口でした。

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