探偵のいるところ
月見すず
吹奏楽部殺人事件
僕の名前は
六月二十一日、午前八時三十五分。今日も学校で殺人事件が起きた。
被害者は三年B組の
音楽室に駆け付けると、顔なじみの警察官・
「また君か、佐賀下野くん。まったく、君は本当に、死神のような男だな」
「し、死神って。やめてくださいよ」
僕は反論しようとしたが、確かにそうかも、と思い口を閉じた。
殺人事件が起きるから探偵がいるんじゃなくて、探偵がいるから殺人事件が起きるんじゃないだろうか。探偵のいるところ事件あり、とはよく言ったものだ。
「敬武沢警部、そんなことより早く現場を見せてください」
「わかったわかった」
警部が横にずれると、白いテープや血痕が露わになった。殺人現場は警部のすぐ後ろにあったが、大きな体のせいで僕の位置からはよく見えなかったようだ。僕はポケットからビニール手袋を取り出し、素早く装着する。
白いテープで作られた人型は、被害者の遺体の状況を表している。東部のあたりに血だまりができていた。殴られたのだろうか。となると、被害者の死因は頭部を殴られたことによる失血死などが考えられる。
「第一発見者は?」
「吹奏楽部の副部長だ。朝一番に練習に来て、遺体を発見したらしい。今は保健室で休んでいる。被害者とは……かなり親しい間柄だったようだ」
副部長の名前は
僕は第一発見者に話を聞くため、保健室に向かうことにした。
廊下を走っていると、声をかけられた。
「嵯峨司くん!ひょっとして、事件が起きたの?」
幼馴染の
「吹奏楽部の部長が殺されたんだ。これから第一発見者がいる保健室に行くんだけど、菜慈美も一緒にくるか?」
「うん。私、嵯峨司くんの助手だもん。行かなくちゃ」
菜慈美はそう言って僕の後ろに続く。保健室は南校舎一階の東側、廊下の一番奥にある。音楽室からは少し遠い。殺人現場から離れて休息をとるにはうってつけだ。第一発見者の彼女は、何を語るのか。
僕と菜慈美は、これから始まる謎解きに期待を膨らませた。
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