第23話 怪談・ダルマヨイガ
それは遥か昔、一説によると室町時代の終わり頃に遡ると言われる。
昔ではよくある話だが、ある山奥の小村では飢饉や日照り、疫病などが続いた際に豊作や平和を願い人身御供を捧げる事になっていた。
大概は罪人や性格に難があったりろくに働きもしない役立たずの大人などが選ばれたが、それも出しかねる時は止むを得ず身寄りの無かったり死んでも異を唱えるような家族の少ない子供が選ばれる事もあった。(その村では老人は尊ばれる存在だったので生贄の候補にはならなかった)
本当の所神がどう思っているのかは誰も分からないが、生贄を捧げた後は実際疫病が収まったり雨が降り豊作になったりしたので、その因習は長きに渡り続いた。
そんなある時、村は歴史的な干魃と大飢饉に見舞われ、飢えて狂い力尽きて行った村人の死体に手を付けようとした者まで現れる程の危機に陥った年があった。
恐慌状態に陥った村人は直ちに捧げ物に相応しい者を探そうとしたが、その時はたまたま身寄りの無かったり立場の弱い子供はおらず、雨が降ったらすぐに畑仕事や狩りをする必要があったので大人を減らす訳にも行かなかった。
村人は困り果てたが、そんな時村長の家で下働きをしている者があの家に丁度良い隠し子がいると話し始めた。
十年と少し程前に産まれた男児なのだが、先天的に四肢に欠陥を抱えていたため、口減らしされるのを恐れた村長夫妻は彼の存在をひた隠しにしてずっと屋敷の奥まった部屋で育てているのだと。
村人はすぐに村長の家に押しかけ、彼を探し出し連れ出した。
当然村長夫妻は制止しようとしたが、村人はこのままでは皆共倒れだ、この子は生贄になるため産まれて来た神の子だから神の元へ返す時が来ただけだと叫びそのまま儀式を行い、泣き叫ぶ少年は殺され生贄として捧げられた。
その後間もなく大雨が数日に渡って降り注ぎ、周囲に獣も多く現れ田畑も豊作となり村の危機は救われた。
村人は捧げられた少年に感謝し、小さいが立派な社を建て彼を神として祀った。
それから数年は飢饉や疫病に見舞われる事も無く村は平穏だったが、ある時謎の病で村人が次々と倒れ始めた。
倒れた村人は皆今際の際にあの手足の無い少年が、殺されると呻きながら息絶えて行った。
村長夫妻は理不尽に殺された息子の祟りだ、こんな狂った村滅びてしまえと言い放ち、馬で二人何処かへと去って行った。
そうして村人は次々死に絶え、祟り神となった少年にどうかお許しをと縋った。
滅びの運命から逃れるため、残された村人は周囲を歩いていた旅人や豊作の噂を聞きつけやって来た山賊を捕らえ生け贄とし、少年の社に捧げた。
必死の命乞いが通じたのか一時的に祟りは収まったが、また数年すると同じ病で倒れる者が出て来たので祟りが起きる度に村人は同じように通りすがりの者を襲い生贄として捧げ少年を宥めるようになった。
それから更に数十年経ち、山深くの小村とはいえ度々周囲で失踪者が出る事に訝しんだその地方の支配者は使いをやり、村の血塗られた真相を知った。
直ちに村人たちは捕らえられ大人は皆処刑され、子供は近隣の村や寺などに引き取られその村は廃村となった。
だが一人残された少年の恨みは村が滅びても尽きる事はなく、たまたま迷い込んだ旅人や猟師等を祟り殺し続けた。
そんなある時、すっかり寂れた村の跡に年若い尼僧が訪れる。
彼女はまだ独り立ちして間もない無名の尼だったが近隣の住民から祟り神となった少年の話を聞き、彼の魂を鎮める為にやって来たのだった。
彼女が手入れする者もいなくなり荒れた社に赴くと、四肢の無い少年の霊が現れ恨めしそうに言った。
―どうして手足が無いというだけで殺されなければいけなかったの。憎い、みんな殺してやる。
それを聞いた尼僧は、静かに涙を流し彼の霊体を抱きしめ言った。
―ああ、可哀想に。あなたは何も悪く無いのに。
尼僧は昔愛する子供を生まれて間もなくに病で亡くし、その子の菩提を弔う為に僧となったのだった。
彼女はかつて失った我が子とその哀れな少年を重ねて言った。
―あなたを蘇らせる事は出来ないけれど、ここから解き放ち天へと送る事なら出来るでしょう。
あなたの恨みも呪いも、私が代わりに背負いましょう。
どうか、来世では幸せになりなさい。
彼はその時、祟り神となってから初めて愛情を受けた。
畏れや保身からではなく、心からの憐れみと慈悲による人身御供を与えられ、彼は久々に涙を流した。
―ああ、ありがとう。僕の為に、ごめんなさい。
どうか、貴女もいつかは救われますように。
そうして彼の魂は呪われた地から解き放たれ、天へと昇って行った。
彼の強い呪いを引き受けた尼僧は、彼と同じように四肢の無い姿の霊となりその場に縛られる事となった。
彼女は誰も呪う事無く、満足そうにずっとその朽ちかけた社の前に蹲っていた。
その霊がどうなったかは、誰も知らない。
2000年代半ばくらいの事。
私は一人でぼんやりと山道を登り数時間が経過していた。
どうしてその場所を選んだかは覚えていない。
ただ、大して登山慣れしていなくてもどうにか自力で高所まで行けそうで、なおかつそれなりに人目に付かなそうな所ならどこでも良かった。
この後の事を考えると食事などどうでも良いのだが、道中で力尽きてしまっては意味が無いので空腹感を覚えたら適当に麓のコンビニで購入したおにぎりやお菓子を食べて進んだ。
(最後の晩餐がコンビニ飯かあ。まあどうでも良いけどさ)
そんな事をぼんやり思いながら、環境を荒らしたくは無いのでゴミは回収しつつ先に進んだ。
そうして同じく途中で購入した地図を眺めつつ、目的の場所に辿り着いた。
「あー、あったあった。ほんとにほぼ廃墟群って感じだなー」
そこは20年くらい前に開発された所謂ニュータウンだったが、要するにバブル崩壊によりあっという間に地価が大暴落し充実する予定だったインフラや高速道路延長の話も立ち消えとなり、不便で何の魅力も無くなり10年くらいでほとんどの住民は去ってしまい、もうよっぽどの物好きや老人しかいないようなほぼゴーストタウンとなっていた。
「いわゆる名所とかだと最近逆に監視の目がうるさくて未遂で見つかっちゃうかもだし、こういう所の方が穴場かなーと思って来たけど予想通りっぽいね。まあ近隣住民の人には申し訳無いけど、どうせほとんど人もいないゴーストタウンだしいいか」
そんな事を呟きながら、なるべく周囲に人が居なくて迷惑のかからなそうな廃屋を探して回る。
「あ、この一戸建て良い感じかも。周り数百メートルは人住んで無さそうだし、見た目結構可愛いし。まあやっぱどうでも良いけどさ。じゃあすみませんが、お邪魔しまーす」
返事がある訳も無いが、私は鍵の壊れた木のドアを開けてその廃墟に立ち入った。
「んー、中はごく普通の民家って感じだね。やっぱもう10年そこらは手つかずっぽいね。どうせすぐ死ぬとはいえGとか大量にいたらなんかやだなー。生ごみとか無いと良いけど」
そしてどこで吊ろうか、ロープを巻き付けやすい所は何処かなあとか考えながら朽ちかけた部屋を見回していたその時。
「…お姉さん、誰」
「…え、だ、誰。ここ明らかに人の気配無かったのに」
突然聞こえて来た声に振り向くと、そこには手足の無い私と同じくらいに見える少年が蹲っていた。
「え、こ、怖い。君だれ。どうして手足無いの」
怯える私に、彼は静かに答える。
「…僕はここに縛られた、いわゆる地縛霊。死ぬ前は普通に手足あったんだけど、ここに縛られると呪いでこういう姿になるの」
「…そ、そうなんだ。どうして死んだかは知らないけど可哀想に」
「…まあ、自業自得なんだけどね。…たぶんお姉さんもそのつもりで来たんだろうけど、僕昔色々嫌になって、ここで死のうと思って忍び込んだの」
「…ああ、そうなんだ。うん、私もそう。…いつ頃からここにいるの?」
「…もうはっきりとは分からないけど、たぶん10年くらいはいると思う。その頃はまだこの町ももう少し人がいたんだけど、この家は昔から曰くつきって事でずっと空き家で町の人も怖がってあんまり近づかなかったから。悪いけど鍵壊して、適当に首吊ろうと思って入ったの」
「…そっか、私も同じ。曰くつきとは知らなかったけど。…ここで吊ると、私も同じ感じになるの?」
「ううん。僕は吊ったわけじゃ無くて、僕の前に縛られてた子と交代してこうなったの。…ずっと昔に可哀想な死に方をしちゃった男の子の呪いで、ここは必ず誰かがこの姿で縛られないといけないの」
「…え、そうなんだ」
「うん。少し長くなるけど、前の子に教えて貰った昔の事話すね」
そうして、ずっと昔に無理やり生贄にされた悲しい少年と、彼を自己犠牲で救った尼僧の話をその子は話してくれた。
「…ああ、そんな事があったんだ。でも、その尼僧さんじゃなくてどうして君が縛られてるの?」
「うん、その尼さんが身代わりになったお陰で生贄にされた男の子は昇天できたんだけど、その前から飢饉とかで相当な人が死んだり生贄に捧げられて来たお陰でその土地自体が強烈に呪われちゃってて。尼さんの犠牲でもその呪い自体はどうしようも無かったの」
「うわー、そうなんだ。確かにそんな事長い間続いてたらそうもなるかもね」
「で、彼女の意思は関係なくやっぱり知らずに迷い込んじゃった人が祟り殺されちゃったりして。それから数十年後に尼さんと一緒に修行して仲の良かったお坊さんが立派な僧侶になってその地を訪れて、今度はその人が身代わりになって縛られたの」
「あー、それも可哀想だね」
「うん、かなり徳の高いお坊さんだったから多少呪いも薄れたけどやっぱり完全に解呪は出来なくて。その後に今度はその人のお弟子さんが身代わりになって、そのまた後はやっぱりそのお弟子さんと仲の深かった人が身代わりになったりして。そうやって何世紀も代替わりして、少しずつ少しずつ呪いを解いて行く事になったの」
「なるほどね。それで現代になってもまだ呪われてるんだ」
「そういう事。だいぶ呪いも薄れて来てるみたいだけど、やっぱり何十人も理不尽に殺されてるからそう簡単には呪いも解けないみたいで。…で、お姉さんもここに来るって事は色々あるんだろうけど、ここで死んだ僕が言えた事じゃ無いけど早まった事は止めた方が良いよ」
「…ありがとう。でもごめんね。まあありがちな話だけど、家庭とか将来の事とか、あと対人関係とか色々しんどくてさ。相談できる人もあんまりいないし、どうあがいても良い未来が想像できないし。君には悪いけどさっさと死にたいんだ」
「…まあ僕も似たような感じで吊りに来て、前に縛られてた子が気の毒だったからどうせ死ぬつもりだったしと思って軽い気持ちで身代わり引き受けちゃったんだけどさ。しばらくはこんな僕でも最後に人助け出来て良かったと嬉しかったけど、数年経ってずっとこんな姿でこの廃墟にいたらやっぱり後悔したよ。たまに管理の人とか、あと肝試しで来る人は居たけどそういう人達は基本僕の事見えないし、稀に霊感ある人が来ても声かけたらすぐ怖がって逃げちゃうし。…こんなにちゃんと話出来たの、本当に久しぶりなんだ」
「…そっか。それは大変だったね」
「うん、ここまだまだ呪われてるから、身代わりじゃなくてもここで吊ったらたぶんお姉さんも縛られちゃうよ。霊だから当然必要無いけどやっぱりご飯食べたりお風呂入れないの悲しいし、曰くつきとはいえそこまで有名なオカルトスポットでも無いしどうせゴーストタウンだからたぶんお祓いとかも来てくれないだろうし。色々しんどいのは分かるけど、ずっと嫌な事続きってのもそんなに無いだろうし。…考え直して、もう一度頑張ってみて欲しいな」
「……」
私は俯きしばらく考えた後言った。
「…色々教えてくれて、心配してくれてありがとう。…でも、君可哀想だから。私が身代わりになって縛られるよ」
「…え、でも言ったでしょ。そうしたらお姉さんも僕みたいになるし、ここすっかり人も少なくなったから、下手したら何十年も縛られるかもしれないよ」
「…うん、それでも良いよ。…どうせ私も死ぬつもりでここまで来たんだし、最後に人助けできるなら本望だよ。私一人でいるの結構好きだしさ」
「…でも、絶対辛いよ。本当にいいの?」
「うん、後悔しないよ。君もずっと苦しんで来たんだし、天国や来世で幸せになって。…どうやったら、身代わりになれるの?」
「…僕を抱きしめて、身代わりになるって言えばそれで良いよ。それで自己犠牲と見なされて、交代の儀式になる。…もう一度聞くけど、本当に後悔しない?」
「うん、大丈夫だよ。君可愛いし、君の事助けてあげられてよかった」
そして、私は彼を静かに抱きしめて言った。
「…私が、身代わりになるよ。来世では元気にやってね」
「…うん、ありがとう。あなたの事は絶対忘れないよ」
その瞬間、彼の小さな体は光に包まれ空に消えて行った。
そうして、気付いたら私は彼と同じ手足の無い姿になってそこにいた。
「…ああ、これで私も縛られたのか」
「…うん、でもこれはこれでありかな。もう全部悩みも関係ないし、吊らないで楽に死ねたし」
「…あの子、幸せになって欲しいな」
「…そうして、彼女の霊は今もずっとその廃屋にいるらしいとの事です。はい、おしまい」
「ふーん、まあありがちっちゃありがちな話だけどまあまあ面白かったよ」
「そう?それは良かった。君こういうオカルト系の話好きだもんね」
「うん、俺そういう系の映画とかよく見るし。人が死ぬ奴とか後味悪いの大好き。心霊スポットとかもそこそこ行くし」
「そうだね。君結構生活余裕あるしそこそこ講義サボって廃墟探索したりするしね。人の趣味に口出す気は無いけど物好きだよね」
「流石に留年はしたく無いから単位落とさない程度にだけどね。まあ廃墟不法侵入はアレだけど、それ以外は人に迷惑かけて無いし良いじゃん」
「まあそうだね。…でさ。実はその廃屋、意外とここのそばにあるんだよね。もう20年そこそこ経って周辺住民もさらに減って、完全ゴーストタウンって感じだけどね」
「へー、そうなんだ。このアパートからどんくらいで行けるの?」
「んー、周辺に駅とか無いしもうバスも日に数本しか来ない僻地だから徒歩だと相当かかるけど、車使えば2時間半くらいかな」
「へー、そうなんだ。今度行ってみたいなー。俺バイクしか持ってないしお前連れてってくれない?今は酒飲んじゃってるから無理だけどさ」
「うん、良いよ。…で、マジでその廃屋出るらしいけど、出たら君どうするつもりなの?」
「えー、出たらとりあえず記念撮影すっかな。んでその子気の毒だし、可愛い子だったら抱きしめて身代わりになってあげたいかも」
「…ふーん。聞いた話だと、すごく可愛い高校生くらいの子らしいよ」
「えー、ならなおの事助けてあげたいなー。すぐ昇天しちゃうのはアレだけど助けたら惚れてくれるかもだしさ」
「そうかもね。でも言った通りそうしたら今度は君が縛られちゃうよ?まあかなり土地の呪いも薄れて来てるみたいだけどさ」
「まあオカルト好きとしてそんな事言っちゃアレだけど、令和の今の世にそんなガチの呪いなんて無いでしょ。余裕余裕」
「うーん、そういう事軽率に言って痛い目見ても知らないよ?」
「まあ最悪マジで縛られても就職難やら増税で明るい未来全く見えないし、縛られたらそれはそれで良いよ」
「…まあ確かに色々生きづらい時代なのは分かるけどさ。実際そんな軽い気持ちで行って本当に死んで長期間縛られたら後悔すると思うけど。君結構良い家に生まれて恵まれてる方だし、命を大事にしなよ」
「えー?お前だって俺ほどじゃ無いにせよ何不自由無い家庭に生まれて今まで順風満帆に生きてんじゃん。いきなり何説教モード入ってんの。ってかお前オカルト系とか好きな方じゃ無いのに今日変だよね」
「…まあ、たまには良いかなと思ってね。君こういうの好きだったなーと思い出してさ。じゃあ今度早速その廃屋行こうか。今日金曜だし、なんなら明日にでも」
「えー、それは急過ぎっしょ。まあ面白そうだし良いけどさ。…あれ、何か急に眠くなって来た。俺酒強い方なのに」
「んー、君自分で言う程強い方じゃ無いし、結構無茶な飲み方するし気を付けた方が良いよ?言ったら悪いけど酒癖結構悪いしさ。コンパで何度かやらかしてるでしょ」
「あー、そうだっけ覚えてないや。うわー超眠くなって来た。ごめんちょっと寝るねー」
「うん、ゆっくり休んで。おやすみ」
そうして友人は床に寝転がり大いびきをかき始めた。
「…うん、しっかり寝たね。やっぱりお酒と混ぜると効くね」
「じゃ、車に乗せて早速あそこに行きたい所だけど。怪しまれたらアレだから最初の一杯は僕もお酒飲んだし、数時間経って抜けてからだな。まあかなり強い薬飲ませたし当分は起きないだろうけどさ」
「すぐにでも行ってあげたいけど、飲酒運転で捕まっちゃ元も子も無いもんね。…あの子は納得の上だったけど、やっぱりあんな所に二十年以上も縛られてたら寂しいだろうし、後悔もしてるかもしれないし。…でもまた僕が身代わりになったら彼女も悲しむだろうし、せっかく今生は幸せになれたのに人生棒に振るのも嫌だしね」
「僕も罪も無い人を犠牲にはしたく無いけど、こういう事軽率に言っちゃうような奴なら神様も許してくれるよね。前酔った時武勇伝みたいに話してたけど、彼昔結構やらかしてたみたいだし」
「両親も正直相当愛想尽かしてるみたいだし、自分では人気者と思ってるみたいだけど友人からも実はかなり嫌われてるし。そういう訳で失踪してもそんなに真面目に捜索されないだろうしね」
「…僕の前に縛られてた子から聞いたけど。抱きしめて身代わりになるって言いさえすれば、心の底から犠牲になるつもりじゃなくても良いんだよね」
「初めの何代かは本当に自己犠牲で身代わりになったらしいけど、悲しいけどやっぱりそうそう善人ばかりともいかないだろうし、そんなに良い人間関係に恵まれる人も少ないだろうし。そういう訳で当初みたいに罪人とかどうしようも無いような奴を捕まえて、無理矢理代替わりさせる事もあったみたいだね」
「という訳で、こいつを連れて行って彼女に無理やり抱きつかせて、身代わりになってもらおうと思って一服盛ったんだよね」
「まあ怖気づいて嫌がったら死なない程度に痛めつけて無理矢理言わせれば良い事だし。僕それなりに鍛えててこいつ程度どうにでもなるし、法に触れない程度にだけどスタンガンとかそう言う系の物も持ってるし」
「あの子は本当に優しい良い子だから、目の前でそんな光景見せたくは無いんだけどね。まあこいつ相当クズだし良いよね」
「で、もう呪いもそろそろ解けるかもだけど解けなくたってこいつは永遠に縛られても自業自得な人間だし、もう完全にあの一帯閉鎖してダムや廃棄処理場にしようかって案も出てるみたいだし。今代で終われば丸く収まるよね」
「本当に待たせてごめんね、もうすぐ解放してあげるから。待っててね」
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