6日目

第43話 吉備津神社にお参りする

 2025年1月2日、朝。


 初夢は覚えていません。疲れ切っていて熟睡しました。朝、目が覚めたのは5時頃だったでしょうか。明るくなる前に撤収です。ラジオを聞きながらエアマットを萎ませます。花澤香菜さんの朗読の「デートまでの道のり」でした。以前、聞いた覚えがあってその続きを聞けたのはとてもよかった。作品が描かれた時とはいろいろ時代が変わっていましたね。保育士のヒロインが代わりはいくらでもいると園長先生に言われるところとか、ないわーです。今はすごい人手不足ですからね。


 さて。やることをやります。吉備の中山の散策です。奈良の三輪山にある大神神社の根源がここにあるのではないか……それを目で確かめたいという数年来の思いががこの旅の行く先を決めたのです。いよいよそれが現実になります。


 もうみかんサブレと京都で買った羊羹しか食べ物は残っていません。空きっ腹で吉備津神社まで行きます。まだ日が昇ったばかりというのに大勢の人で賑わっています。駐輪場に自転車を停め、屋台で何かを食べようかと考えたのですが、自販機でコーンスープを見つけて、懐かしさに負けてコーンスープを飲みます。青春18切符で全国を旅していた頃、よく飲みました。乗り換え時間がなくて食べ物を入手できないときの非常手段です。あと、お汁粉缶ね。がんばって逆さまにして、振って、コーン粒の最後の1粒まで食べます。ゴミ箱がなくて戸惑ったのですが、あとで一カ所に大きなゴミ置き場が設けられていることに気付き、無事、捨てられました。


 手水舎でお清めし、国宝になっているという吉備津神社の拝殿でお参りをします。吉備津彦というヤマトから来た英雄を祀っています。当時、吉備には百済から来た王子、温羅が猛威を揮っていて彼と対決したのが吉備津彦。温羅は異能力を持つ鬼人で、激しい戦いの後、首を落とすことに成功しますが、首を落とされてからも温羅は何年も唸り続けたという……


 これだけ聞くと、たぶん、吉備の豪族が百済から王子を迎え入れて、ヤマト王権が吉備の力の増大を恐れて、吉備を軍事制圧したんだろうなーという推測ができます。


 今日は吉備中山を登った後、(結果的に)この温羅伝説にまつわる場所を回る予定です。


 最初に吉備中山を登ります。山頂には吉備津彦が葬られている中山茶臼山古墳があるのです。最初期の古墳で、もしかしたら作られたのが古墳時代ではなく、弥生時代である可能性もあるという古墳です。


 ピクニック気分で遊歩道を歩き、アスファルトの道も歩き、車も何度も通ります。聖地に自動車が通れる道があるというのは三輪山とエラい違いだと驚きます。中山茶臼山古墳を示す看板があり、長い階段を仰ぎ見ます。普通のハイキングシューズならどうってことのない長い階段ですが、履いているのはビンディングシューズです。歩きやすいSPD対応シューズとはいえ、やっぱり難儀なのでした……

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