第3話 きっとこの時の事は誰も許してくれ無いっスね?でも今となっては後悔はないッス
※少しアレ描写が入りますが、これはカクヨムコン作品ではないの安心して薄目でお願いします。
―――――――――――――――――――――――
「私の事、覚えてない?覚えないかな?クラブで!」
『倶楽部?倶楽部ってウチの学校の…』
「ちげぇよ!クラブカルマってほら!駅の近くの!何で覚えてないの!?」
『あぁ…あーっ!?チョロゲはあの変な女か!?ケンとか言うラッパーの愛人みてえな…こわっ!?殺さないで!?しかしネクタイ、一個下か?』
「愛人違うし!怖くないし!何で!?大丈夫だから!へぇ~、しかしそうかぁ、肉棒は一つ年上だったんだな、私より…」
ふと、思った。私もバイトで年上と先輩には敬語を使えと言われた。
そんな態度だと誰も仲良くなってくれないと余計な説教までされた。
嫌われたくないな、だってずっと…
「良し…肉棒は、先輩なんッスね?じゃあこれからは肉棒先輩とお呼びするッス。よろしくッス。仲良くするっス」
完璧だ…と、思ったら何で苦い顔をする?
『スゲェ変わりようだな…そしてチミが肉棒って騒ぐから、先輩から中学生ハンターとか馬鹿にされたんだが!?後、仲良くなるのは決定なんだな?』
「ん?別に良くないっすか?仲良くするんッスよ」
中学生ハンター?周りにそんな奴がゴマンといたので余り気にならなかったけど…それに別に仲良くするのは良くない?結構、勇気出してるよ私?
『しかしまぁ…むぅ…まぁいいやそれで。後輩のチョロゲね、俺は倶楽部に所属している二年の久宝永久、俺も友達居ねぇからよろしくな』
こうして奇跡の再会?をした肉棒先輩と私。
お互い友達もあまりいない同士、話し相手もいないしで、結局一緒にいる事が多かった。
二人とも友達居ないっスね?と言うと『俺だって友達や幼馴染とかいるし?』と抵抗してくるが放課後はずっと暇人なのは知っている。
肉棒先輩はどうやらダンスミュージック?と言うのを聞くのが好きらしく、帰宅部なのだから家で聞けば良いと思うがどうやら、聞けないらしい。
家族が家にいるとあれしろこれしろ煩いからと言っていた。
やる事はやるが過剰に干渉されるのを嫌がる人なんだなぁ…
そしてそれは、私と同じなんだと思った。
内容や考え方、その心情はもちろん違う、だけど檻から逃げるという行為。
私は肉棒先輩の気持ちが分かった気でいた。
それから…夏休み前の6月末、肉棒先輩はスライム先輩こと仁先輩のDJを寝っ転がって聴きながら小さくリズムにノっている。
最初は隣に座っていたが、時には寄っかかり、今では肉棒先輩の上に寝っ転がるようにくっついてスマホで小説を読んでいた。
『近いな…』「近いッスか?」
『重いな』「それは言わないっすよ」『そうだな』
「だって気持ちいいっスもん、肉棒敷布団」
『んーまぁ良いか』
自分でも情けない話だが小刻みに揺れる肉棒先輩にくっついていると何だが赤ちゃんになったような、何も出来ない自分をあやして貰ってる様な、心臓の音に合わせて揺れる、生きてる、そんな気持ちになれる。
身長が10センチも違わないので大分デカい赤ちゃんだが…
肉棒先輩は先輩で年の離れた弟がいるとかでよくあやしていたらしい。
この人は大人しいとは言わないが、とても受け身な人で、何でも受け入れてしまう包容力がある人だ。
そんな私達を周りの先輩、3年生達は付き合っていると思っている様で…
『おま…ずっと寝てばっかりじゃん、カップルなら他に遊びに行ったりしろよ、チョロゲ可哀想じゃん?』
『え?チョロゲとはつきあってないっすよ』
「うん、付き合ってないッス」
『えぇ、マジで?、あぁそう』
ぴったりくっついてる私達を最初は気にしていたが、途中から音楽室の端っこにいる物体くらいにしか思わなくなっていた。
更には軽音楽部がほぼ存在しないと知ると肉棒先輩が平日の放課後は、ほぼ音楽室にいる様になった。
私はバイトの時間もあるので、その時間までずっと2人でいた。
特に軽音楽部の日は倶楽部の先輩もいない、二人きり。
1時間ぐらい、一通り読み終えて先輩を起こす。
大体音楽聴きながら揺れつつ半分寝ている事が多く、起こして今日読んだ小説の話をする。
「くっつきそうでくっつかないっすね」
『それが良いんだよ。すれ違いは最高のスパイス!』
「なんスか、それ」『………刺激?………』
「何ですぐパンツ見えるんスかね?」
『大事な事なんだ、さりげなく見える最高のエロス!』
「でもシワとか、力入れすぎじゃないッスか」
『…………パンツはロマンだからな……考えるなよ、感じろ』
「………いや、感じないっスね」
他にも男性誌見ろって言ったのは先輩じゃないッスか!と言いがかりをつけて解説を求める。
この主人公の気持ちが分からなんッスよ。とか、どうしてこう思うんスか?とか、取り留めのない話。
ケンはどちらかと言えば純粋で心の機微というのがあまりない…と言うか話を聞かない、黙って俺について来いと言う感じ…でも自分の話は良くするタイプだなぁ…。
だから色んな事を思考する男性の気持ち、それに心はとても気になった。
それに肉棒先輩の考え方や感想を聞くのが好きだった。
先輩は多分、頭が良い。地頭とでも言うのだろうか。私が一伝えると解説と感想と私の気持ちはどうかと、沢山のものが返ってくる。
それに聞き上手なのかな…そこから派生する雑談混じりの会話が面白い。
元々、本を読むのが好きだったらしい。
読んでくうちに終わりが見えるのが嫌になったそうだ、寂しくなるから。
自分で終わらせるのが好きじゃない、だから映画とかはたまに見ると言っていた。
変な人だな…と思ったけど、同時に先輩らしいと思った。
思うにこの人は本当に人間が好きなんだと思う。
知りたいとか、愛するという探究心が拗れて、今の先輩があるんだなと思った。
私は知りたくても知ろうとせず、言われても聞こうとせず、壁を作って遮断した。
そんな自分にとっては尊敬できる先輩だ。
先輩は遮断した事に、それでも繋がりを持つって凄い事だと、それでもいざとなれば逃げ出せば良いんじゃないかなと言われた。
俺も無責任な事言ってるねと付け加えて。
思っていても考えないようにしている事を言ってくれる、自分の気持ちを整理する。
そんな気持ちの整理をする事を繰り返していると、今の気持ちを自覚してケンのいる地元の人間といる時も驚く程穏やかに過ごせた。
一ヶ月も経てば知らない事を教えてくれる先輩に話かけるのが楽しくて仕方なくていつも側にいた。
月並みだけど…もしかしたら恋をしていたのかも知れない。
好きな人の事を知ろうとする行為、小説を見ると書いてある。
―一度熱を上げてしまえば、何でも良く聞こえる―
幼馴染から女を盗る間男、理由は大まかに言えば知らない事を教えてくれるから。
身に覚えがある、でもケンは嫌いではない…と、思う。
会話の中で知ったお互いの事。
肉棒先輩は私にはケンという幼馴染がいる事は知ってるし、先輩にも家族ぐるみで付き合いのある幼馴染がいるらしい。
先輩と私は幼馴染と言う相手に対して同じ様な感想を持っている事。
嫌いじゃない、私は恩だと思っているが、彼の場合は情だと言う。
時間の積み重ねは絶対ではないがとても強く、近い内に、自分からは言わないが多分付き合うんだろうなぁと言っていた。
私も同じ様なもんッスね(笑)とふざけて返したが、本当は少し胸がチクリとした。
私と先輩が付き合う…想像はした事もある。
でも…ケンに対して…それに地元の取り巻き…いきなり絡まれてあんな目に遭ったんだ…コブ付きではないが私と付き合えばアレらと関わる事になる。
それは普通に人にはとても嫌な事だと思う、それは中学の時から学んだ事だ。
だから私は諦める。まともな恋愛を。
いつかは時間が解決してくれるかも知れないと、今の状況と言うぬるま湯に浸りながら。
6月に入ってから約半年…私の運命の転機が訪れる。
初夏の暑い日、いつもの様に先輩が横になっている。
「肉棒先輩、ほら!読み終わり………」
最近は昼、暑過ぎるせいか、先輩はそのまま寝てしまう。教室はクーラーが付いていないが、音楽室にはボロいクーラーが付いていて、じんわりと汗をかく程度の暑さになっている。
スー、スーっと寝息をたてる肉棒先輩…
直前に全年齢とは言えエッチなシーンがある小説を見たのも良くなかった…言い訳だ。
ずっと思ってた。
格好良いな、とか。汗が艶っぽいな、とか。
でも普段よりずっと強く思う…そこから思い出す、記憶から絶対消えない想い出。
―俺、受け身なんだよな。一方的に攻めるエロい女、それ系のエロ本見過ぎて狂いそう、チョロゲは?―
―私!?私は…ノーマルッスよ!ノーマル!好きな人とだったら別になんでも良さそッス?―
―ノーマルってなんだよ、俺に聞き返すな(笑)聞いといて自分は逃げるなんてズルいわ(笑)―
―先輩のエロッ!エロ肉なんてエロ過ぎッス!もうこの話は終わり!―
性癖なんて…経験した事ないから良く分からない…でも、もしあるとしたら…それは…
「ん………先輩…起きないんッスか?そ………それともこうしないと起きないっスか?♥」
私は先輩のシャツ…ボタンの隙間から手を差し込み、突起している部分をさする。
触れた指がまるで敏感な所みたいに痺れる。
「ね、熱中症になっちゃうッスよ、フーッ♥フーッ♥しょうがない人ッスねぇ♥」
ゴキュゴキュ
「んっ♥んくっ♥」
さすりながら…口移しでミネラルウォーターを少しづつ流し込む。
ファーストキスは思ったより生々しく甘かった。
先輩の身体が普段とは違うリズムでノっている…ビクッ…ビクビクッとなるリズムが官能的で…私は…
―お前、最初会った時漏らしてただろ?それを顔面に乗っけるなんて失礼とは思わないかね?―
―ちょっと前にトイレ行ったんスよ!―
―ちゃんと拭けよお前!―
―細かい所気にするんスね!先輩は!―
言えるワケないよ?だってトイレで拭かないからってパンツ濡れるワケ無いんだから。
そんな訳の分からない理由な訳無い。
私、肉棒先輩が硬く大きくなっていたのは知ってたから。大人が何をするかぐらい知ってるし。
いくらなんでもそこまで子供じゃないし。
調べてたから…何でそうなるか知ってたし。
それでも、あんなに濡れるなんて知らなかったけど…あんなに熱く柔らかく溢れるなんて知らなかった。
それに後から知った事もある…あの時のアレが…私の先輩への想いがテッペンに登ったって事も…気絶って…するんだなって…
思考とは別に、気付けば二つの舌が絡んでいた。
「『ンッ♥フーッ♥んチュ♥チュバ♥ンフッ♥』」
汗と唾液、吐息、重なる唇と絡みあう舌。
馬乗りになる、私は汗をかきやすい様で、先輩と私の汗を触媒に、一つの生き物になる様に舌と同様に四肢を絡ませる。
蕩ける脳で自分の中での一線を決める。
下着は…制服は脱がないし脱がせない、そのラインに意味なんか無いけど決めた。
先輩は喘ぐだけ、喋らない、そして、私に委ねる。それはきっと先輩の中の越えない一線何だろう。。
これはきっと臆病な私達のルールだ。
ジーッと、先輩のチャックを開ける。止まらない。
やめない…腰をゆっくり振る、下着と下着が擦り合う音なのに…水音がする。
先輩は寝たフリ?それとも…先輩の性癖が受け身なら…
私の性癖は……
それは……
先輩……久宝先輩と肉棒先輩♥
「しぇんぱぁい♥しゅごいぃこお♥してまスよぉ♥んんお♥」
その日から私と先輩はエスカレートしていく、夏の暑い日、情熱の半年が始まった。
―――――――――――――――――――――――
あれから幾年月が経ったかな もう昔のコト
あの時を思い出し少し笑う
手首に 髭剃りを真横に 両手を振り上げて
「ィ゙ヤ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッッア゙ア゙ア゙ア゙ゥ゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」
あの日みたく暑く 優しく温かく濡れている
見たんだ リストカットは 自殺じゃないの
生きる為に 私は手首を切った 痛みは無い
『なんで…俺…お前の事…ずっと』
アナタが悪い訳じゃない 私が間違えただけ
ごめんなさい 私が生きたいって思ったから
ごめんなさい 私が あの人と生きたいと…
「ぢがッよ゙るなァ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッッッ!!!」
思ってしまったから…ごめんなさい
―――――――――――――――――――――――
※書きだめの推敲終わりまして出しましたん。
短編版が総合週間で97位まで行きました、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます