第20話 リニーの家
次の日、昨日話していた通り、学校が終わったらすぐリニーの家に向かった。本当に学校から簡単に行ける距離で、街を見ながら歩いていたら一瞬で着いてしまった。
リニーの家は本屋さんで、見た目は普通のお店と変わらないように見えたが、中に入ってみるとものすごく綺麗な作りになっていた。
「わぁ、すごい素敵なところだね。家の図書館とはまた違う造りになっている。」
と思ったことを言ってしまった。すると横からプラシが
『普通の家は図書館なんてありませんよ。』
という目で見てきたから、早速やらかした、と思い口を閉じた。リニーは何も反応していなかったから聞こえていないことを願って、そのままリニーについて行った。
本屋さんの奥の住宅スペースに入ると、何やら小さい子が2人駆け寄ってきた。
「お兄ちゃんおかえり。ずっと会いたかったよ。」
「ただいま。俺もずっと会いたかったよ。」
と兄弟の再会を迎えたところで、私たちの方を見ながら
「お兄ちゃんの、お友達?」
「そう、今日はお友達を家に連れてきたの。ほら、ご挨拶して。」
「初めまして、お兄ちゃんの弟のカリスと」
「リオス。双子です。よろしくお願いします。」
と可愛く挨拶をしてくれた。リニーのお兄ちゃん姿を見るのは何か新鮮だった。
「初めまして、私はシーアで、こっちは」
「プラシです。よろしくね。」
と挨拶をすると、笑顔で笑ってくれた。いつもツンっとしている空気を纏っていることが多い、リニーとは正反対な明るい性格で、とても可愛かった。
すると、双子の後ろから女の人が歩いてきた。
「今日来るって言っていたリニーのお友達かしら?リニーの母です。よろしくね。今、主人はあいにく出かけているけど、会いたがってたわよ。」
とリニーのお父さんとはまた違う凛とした雰囲気で話しかけてきた。
「初めまして、シーアっていいます。こっちはプラシです。今日はお招きいただきありがとうございます。」
と挨拶をした。
「まあ、なんて礼儀正しい子たちなの。こんなところに突っ立ってないで早く中に入りなさい。」
と言って、家の中に招き入れてくれた。
「リニーの部屋は二階だから先に3人で行ってて。あとでお茶でも持っていくわ。」
「そんな、お気遣いありがとうございます。」
と言って、私たちはリニーの部屋があるという二階に向かった。
「ここが俺の部屋。」
とリニーが扉を開けながら言った。リニーの部屋は窓があるところ以外は本に埋め尽くされており、とても独特な雰囲気を醸し出していた。
「リニーって本が本当に好きなんだね。」
「いや、まあな。お父さんも本が好きだから、ここの本の半分くらいはお父さんが集めていた本を俺が引き継いだんだ。」
と少し恥ずかしそうに説明しながら、
「とりあえず、軽く貴族の本でも見るか。」
と言って、勉強机らしいもののの上に置いてあった本を持ってきた。ソファーに座ることを促されたので、プラシと私で座り、反対側にリニーが座った。
リニーは机の上に本を置くと、私たちが見えやすいような向きに開いてくれた。
「この本は、俺が一番読んだと言っても過言ではないくらいにお気に入りなんだ。」
といいながらページをめくっていった。それは王族や貴族についての説明が書いてある本で、今までお城で習ったも含めて王族や貴族のことについて色々書いてあった。
「これはひと昔前の本だから、少し情報が古いこともあるがほとんどは今と変わらない。」
と言って、本に書かれている情報について説明していった。
「最初はやっぱり皇族についてで、この国を千年以上支配している。皇族の家紋は太陽で、国民を照らし続けるという意味があるらしい。皇帝はどの時代でも国民を大切にしているから、千年もこの広い帝国を支配し続けていると言われている。現皇帝も、国民からの支持が厚く、この前の男爵の息子が言っていたように、本当にいい人らしい。宝石のように綺麗なブロンドヘアに、吸い込まれるような海のように綺麗な瞳、そして溢れ出る気品。実際に見るのと聞くのとでは全然違うから、僕も一回生で見てみたいっていう憧れがずっとあるんだ。」
と憧れの眼差しでページを見ていた。
『この前、リニーが挨拶していた私のお父様が皇帝だと知ったらどんな顔をするんだろうと、気になったが、そんなことをすれば私は強制送還されてしまうんだけどね。』
「ここには書いてないけど、現皇帝には3人の子供がいて、長男であるフィリオン皇太子は皇帝に似てブロンドヘアと海のような瞳を持ち穏やかで聡明と言われている。そして弟君のリオネル皇子はブロンドヘアに皇后と同じピンク色の瞳を持ち、皇太子とは違ってマイペースな性格の持ち主らしい。そして、一番下はケリシア皇女様で皇后そっくりのピンクの髪とピンクの瞳を持つ方らしい。男爵子息も言っていたけど、体が弱く社交界に全然出席なさらないから、どんなお方なのか知っている人は限られているらしい。僕はこういう情報を得るのは噂や人づてだから、分からないことも多いんだよね。だからこそ、いつか騎士になって王宮に入り皇族や貴族を間近で見てみたい。」
とひと段落ついてから、次のページをめくった。
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