第14話 学園長

家族が来てくれたことは嬉しかったけど、急に色々言われて頭がこんがらがってしまった。

「ねえ、プラシ、なんか色々急すぎたけど、私そろそろ社交界でるべきなのかな。男爵家を見たり、その息子のスクローを見たりしていたら、少し社交界に興味が湧いてきたんだよね。」

「そしたら皇帝陛下も皇后陛下も皇子様方もすごい喜ぶと思いますよ。それに、私もお嬢様の晴れ姿を見てみたいですもん。」

とプラシが急に従者に戻ってしまい悲しくなった。

「そうよね。考えてみるわ。」

と返事をしたところで、学園長が私たちの話をニコニコしながら聞いているのに気がついた。

「すみません、こんなところで立ち話をして。」

と言うと、学園長は笑顔で

「いえ、そんな。お嬢様の成長を見られて私はとても嬉しいですぞ。私はお嬢様が小さい頃に何度かお会いしたことがあるだけですが、あの小さかったお嬢様が今や学園に通うくらい大きくなられるなんて。しかも、あの時から社交界が苦手だったお嬢様がついに克服されたのですね。」

と優しく言ってくれた。

「そういえば学園長、お父様と昔からの知り合いだったんですよね。」

「はい、私たちは同じアルフォニアアカデミー出身だったんです。」

と話してくれた。侯爵家の三男だった学園長は、貴族達が通う名門のアルフォニアアカデミーに入学し、そこでお父様と出会ったらしい。そこは皇族御用達で、ケリーの兄2人も通っている。将来侯爵家を継がないのと、成績優秀だったこともあり教師を目指していたところ、お父様が力を入れているここポリティアアカデミーの学園長をやらないかというオファーが来たらしい。そして、現在は生徒には身分を隠しながら、ここの学園長になっているという。

その穏やかな話し方や雰囲気を見て、私はなぜお父様が学園長をこんなに信頼しているのかをわかった気がした。

「皇帝陛下にはケリシア様が満足するまで、ここで剣術を学ばせてあげなさいと仰せつかっております。また、他の生徒よりも特別扱いをすることがようにとも仰せつかっており、皇帝陛下はケリシア様を一人の人間としてとても大切に立派に育てようというのが伝わってきます。そして、入学試験でも特別扱いすることなく主席で入学されたことをとても立派に思います。ただ、もし本当に困ったことなどありましたら、いつでも私を頼ってくださいね。私もケリシア様の成長を心よりお手伝いしたいので。」

と優しく言ってくれた。

「ありがとうございます。特別扱いしないというのがお父様らしくてとても好きですわ。私はこのアカデミーで実力で勝ち残っていくので、どうか楽しみにしていてください。」

と笑顔で返した。

そして、プラシと一緒に外へ出て寮へ戻った。

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