第6話 桜舞う道を抜けて

春 



「まさか、髪も短くして色を染めて男装して学校に通うことになるなんて思いもしなかった。」

「本当そうですね、お嬢様。いつもの桜のように綺麗な薄ピンクのお髪が、短いクリーム色になっているなんて。そして、私もまさかお嬢様と一緒に学校通うなんて思いませんでした。」

「もう、プラシ。昔みたいにケリーって呼んで、敬語もやめてよ。」

「いえ、私はお嬢様の従者であり、お嬢様をお守りするべくこの学校についてきたのですから。」

と、学校へ向かう馬車の中で話していた。

「学校の中では、私は身分を隠さなきゃだから、その時は敬語なしで呼び捨てね。」

「それは、心得ております。」

「それにしても、お城からこんな離れた全寮制の学校に通うなんてね。景色は綺麗なの嬉しいけどね。」

と、桜並木を歩きながら言った。

「お城から近い所だと貴族たちが通う学校しかございませんし、お嬢様の顔を知っている人に会ったら大変ですもん。」

「まあ、そうだけどね。それにしても、プラシの男装姿かっこいいわね。」

「そんなお褒めの言葉もったいないです。お嬢様もとてもかっこいいですよ。」

「嬉しいような、嬉しくないような気持ちね。ねえ、なんかかっこいいこと言ってみてよ。なんでもいいから。」

「急に難しいですよ。あ、では、こんなのはいかがでしょう。『君たち、さっきも街で俺のこと見てたよね?』」

と、プラシがイケボで言った。

「まって、プラシかっこよすぎ!てか、なんでエヴェのセリフを言うのよ。」

「だって、お嬢様、エヴェさんのことが大好きじゃありませんか。会うために、騎士の学校に入るなどど言い出して、もし会えなかったらどうするつもりなんですか?」

「べ、別にそんなんじゃないし。てか、私は武術を極めるために入ったわけで、エヴェに会うためじゃないもん。」

「お嬢様、顔が真っ赤ですよ。まぁ、そういうことにしておきますか。もうそろそろ見えてきますよ。」


学校は自然豊かな山の中にあり、大きい門を潜ると、壮大な景色が広がっていた。


ここポリリティアアカデミーは主に平民の通っている皇立の学校だが、入試倍率は帝国一のため入るのは大変で、優秀な人材を育てるために皇帝は投資を惜しまないという。

全寮制で学費や学食も全て無料なため、貧富や身分は関係なく、本当に優秀な人材だけが通う学校。だから、成長できる人はより成長できるし、それについていけない人は落ちこぼれてしまうという厳しさがあった。

そんなところに、皇帝の力を使わずにケリシアとプラシは一般入試で入学した。





「生徒諸君、ポリティアアカデミーへようこそ。ここポリティアアカデミーは、将来帝国で屈指の騎士になるために武術を極めるところ。ここを優秀な成績で卒業するとその夢に近づくだろう。どうかみんな、よく食べ、よく競い、よく戦い、楽しい学校生活を送ってね。」

以上、学園長先生からの挨拶でした。



入学式が終わり、教室に戻った。教室には20人ほどの生徒がおり、みんな将来への希望に満ちていた。

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