第6話 初依頼
「うーん、確かここだよな、どっからどう見ても豪邸だろこれ」
ていうか失敗する人が多いってどういうことなんだ1日限りの介護だから
簡単なはずだけど
しかし受けてしまったから引き返せないしな
意を決してドアを叩く
「はーい」
おっ少し高齢で案外優しそうだぞ多分母のってついてたし娘さんかな
「えっ、冒険者の方ですか?」
「あ、はい」
そうだよな高齢と言っても女性だもんなコミュ障の俺がちゃんと話せるわけないよな
「依頼からと行きたいところですが、資質から試させてもらいますね」
「資質?」
「はい、ここに来る方たちは、ほとんどが駆け出しでお金目当てなんですよ」
「え、ほかにも依頼があるのに何でですか?」
「それはね、まずは街の外に出る依頼はリスクや危険が高まるってことはわかりますよね」
「まぁ、はい」
「それに、街の中にある依頼ってのが、どれもめんどくさい依頼か汚れたり、それこそ病気になるような依頼もあるのよ」
病気...下水道掃除みたいな依頼かなるほどな俗にゆう3Kというものだろうか、それで消去法でここに来るってことか
「それじゃあ、まずは掃除をしてもらおうかしら」
「掃除、ですか、箒などはどこにあるんですか?」
「えっ、そんなこと聞かれたの初めてだわ」
「ん?ふつうは箒などでするものでは?」
「ほとんどが今まで家で掃除をしてこなかったからだと思うんだけど
みんなこの一番最初の掃除で失敗するのよね」
「掃除をしない?それじゃ、家は汚くなるばかりじゃないんですか?」
町を見て回ったが清潔にされていて水とかの管理もしっかりしているっていう印象だったんだけど
「それがね、子供のころから魔法が使える子がいてその子が生活魔法のクリーンを
掛けるのを一度見せちゃって、それで親たちがお金を払ってでもやらせてたから
掃除っていうこと自体知らないのかもしれないわね」
そっかこの世界には魔法あるんだったっていうかその子可哀そうだな
知り合いの母親からすごい形相で魔法をかけろって言われるんだもんな
「な、なるほど、あれ、でも子どものころからってことは大人は魔法が使えるってことじゃ」
「ただの生活魔法でも魔法を使う資質が必要だからね、知らなかったの?」
「まぁ、はい」
魔法がある世界に来たばかりだからねっとは言えないし黙っておくのが正解か
その後掃除用具がある場所を教えてもらい掃除をすることにしたのだが
「あれ、俺って全属性の魔法使えるよな、ってことは」
しっかりとクリーンを多用し第一関門は突破しました
多分ほどんとって言ってたのはクリーンが使えたやつがいたからだよな
というかクリーンって名前がついているのに魔法って結構アバウトなんだな
こびりついた汚れとか床にとんだ汚れとか全部クリーンで行けた
ほとんどがイメージだし、この世界の文明ではまだ知られていないこともわかるから
イメージ力が地球と差があって結構有利なのかもな
というか魔力系のスキルゲットできてて良かった~
「次は洗濯よ」
「洗濯ってことはクリーンでも突破できそうですが」
「えっ、クリーン使えたの?、でも、まぁクリーンでは突破できないわ」
「なんでですか?」
「えぇ、魔法ってのはイメージ力?が一番大切で家の掃除のように汚れが見える場合は結構簡単に掃除ができるんだけど、洗濯みたいに繊維?から汚れが落ちることを
想像できないから、クリーンが効かないって聞いたわ」
「聞いた?ってだれから」
「あぁ、それはね賢者様の能力で、別の世界の知識が少しだけのぞけるらしいのよ」
なるほど、それを口実に多分地球の知識を運営が広めてるってことか
「では、洗濯をしてきますね」
「できるかしらね」
少し挑戦的な笑みを浮かべながらこちらを見てきているが
まぁこれでも一人暮らしの社会人なのだ、洗濯ぐらいはできるはず、、多分
はい、知ってました洗濯板ですねこんなごしごしやったら痛んじゃうでしょ
とか思ってたけど、これしかなかったんだろうな
あれ、でも某洗濯用洗剤のCMのおかげで繊維から汚れが落ちることイメージできるくね、となってやってみたら
できちゃった
「洗濯はできなかったのね」
「いやできましたよ」
「どうやって?、こんな早く終わるわけないじゃないそれに覗いてたけど洗ってる素振りなんて」
覗いてたのか、、、いや子供がする初めての家事を心配する母親かよ
「魔法でです」
「ま、魔法?洗濯はできないはずじゃ」
「なんかやろうとしたらできちゃったんですよね」
「やろうとしたらって、はぁまぁいいわ、それじゃ最後よ」
なんで溜息シタノカゼンゼンワカンナイナァ
「食事を作りなさい」
「なんだ、そんなことか」
急に簡単になったからため口でいっちゃったよ
「そんなことって今どきの子どもたちは食事なんて作れないはずじゃ
って竜人だからここら辺の子供じゃないってことかしら」
「いや、子供じゃないですって(多分)食事ってなんでもいいんですか」
「できれば柔らかいもののほうがうれしいわね最近は固い黒パンとスープばっかだからね」
柔らかいものか、それじゃあれにしようかな
「あぁ、そうだここにある食材はなんでも使っていいわよ、でも限度は考えてね」
ということでキャベツ、ねぎ、たまご、薄力粉、豚骨のダシ?、豚バラ肉?
っぽいものを使ってお好み焼きを作りました~ソースがなかったから
味が濃い木の実のソースっぽいものを代用して作ったんだけど
魔法を多用したおかげで30分ほどかかるはずが
10分ほどでできちゃったよ魔法やばすぎだろ
「見たことない料理ね、やっぱり竜人だから食文化も違うのかしら」
「え、えぇまあ」
「見た目はいいみたいだけど、味はどうかしらねまずは一口、っ~~~、おいしい!?ふわふわの生地が、甘酸っぱいラミソースをうまく合わさってて、しかも豚バラの香ばしいにおいが後味を・・・」
「そ、そうですか」
ラミソースっていうんだ、覚えとこ
「あ、お母さんまたやってるの?」
「お母さん?」
「あ、冒険者の方ですか?
こんにちは、私が出した依頼を見てこられたんですか?」
「あぁはい」
これもしかしてもしかするのか?
「ここまでやれるとは、すごいわね」
「ちょっと、お母さんは黙ってて」
「もしかして母の介護って...」
「あ、はい私の母を介護というかお手伝いしてもらうんですけど
多分今やってもらった内容で終わりですね」
まじかよ
「でもどうやって調理まで行けたんですかほとんど掃除で失敗して
そこを残った人も洗濯で失敗していったんですけど」
「まぁ、いろいろ?あって」
「まぁそうですよね、途方もない苦労がわかりますわかります
私もいつも苦労してて、でも
何はともあれ、これで依頼達成です」
何かとてつもない勘違いをされている気がするが
「あ、ほんとですか、ありがとうございます」
昨日は長時間ログアウトの最低条件の安全な場所が得られず野宿だったからな
これでようやく宿に泊まれるのか ほっ
「こちら、依頼完了の紙となります」
「ありがとうございました、それでは」
ギルドに戻ってようやく宿に泊まれたのだが
やっぱり風呂はないみたいだった
別に家の風呂入るからいいけどっ
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