テーマ性について

 少し間が空いてしまいました。


 今回はテーマについて語りたいと思います。


 書いている時にテーマについて考えた事はあります。ただ、当時は明確なテーマを事前から設定していたり意識していた事はなかったです。


 この作品のテーマって何なんだろうとあれこれ考え、たどり着いたものをそうかと納得して書いていた事もありました。


 ですが、完結させてからそれらが違っていたという事に気づきました。


 では本作にテーマなどなかったのかというと、それも違います。テーマは書こうと思った時からすでにあったのだと思います。


 そのテーマとは、「魔王に求婚するって展開、面白くね?」です。


 そしてこれが第一章のテーマだったんだと断言できます。


 この作品は今のPVデータを見てもわかるように、第一章だけがやたら読まれています。そして第二章になるとガクッとPVが落ち、第三章に至っては10分の1以下になります。


 僕が書き続けていて悩んでいた事でもありますが、今思えば当然の結果です。


 僕自身の創作のテンションも第一章が一番高く、第二章からどんどん落ちていきます。第一章は第7話までは結構すんなり書けました。第8話からが少し考えながら書いていて、第9話は天から降ってきた展開。第10話以降は読者の反応を見つつの執筆となっています。


 第15話は先に考えて書いていたので、第14話が実質最後に書いた展開ですが、そこから第二章を書くのに一日の休養を頂いています。つまり当初考えていたのは第一章までの展開だったのです。



 そういう意味では読みに来ていただいた方々にはある程度満足していただけたのかなと思います。もちろん感想が一切ないので、手放しにそうだとは言えないのですが、批判的なものもないので一定の評価は得られたのだと考えます。


 Web小説の流行である断罪や追放、ざまぁ展開なども少し取り入れたことも読者の方が見に来てくれた要因なのかもしれません。第13話が山場なので、ここで読むのをやめた読者の方も多かったです。ですがそれはそれでいいと今でも思っています。書きたかったことが受け入れられ、読まれたことに嬉しく思います。



 第二章のテーマは「魔界を魔改造」です。主人公が当初の目的を果たし、人間界での目的も果たしたのち、『ヒロインである魔王とどうしたいのか?』というのが第二章のスタートでした。


 そこで魔界に生きる魔王の事情を新たに提示し、展開させることにしました。新たな敵を設定しそれに向けて主人公が動いていくというものです。


 この章で重要視したのはヒロインに対する愛情と主人公のチート性です。そしてヒロインである魔王の性格を前面に書きました。クエスト的な目標も設定し、敵を登場させ、目標に向けて展開させました。


 結果41話もの長編となりました。第一章から半分になった読者はさらに減っていき、50人くらいが残っていました。



 第三章のテーマは「第二章の回収とヒロインへの愛」です。


 第二章の途中で第三章で終了する事を皆さんにお伝えしていたので、ここまでくるともう完結させる事しか考えていなかったように思います。


 15話分で終わらせようとプロットを考え、途中1話分増やすことになったものの、無事書ききる事ができました。


 最後もまた新たに書く事ができるよう設定し、皆さんにお届けしました。


 異世界に召喚され、翻弄されながらも魔王と出会い、過去のトラウマをある程度克服させながら話を展開させてきました。


 最後に主人公の思いも吐露させました。




 物語のテーマとしてはこんな感じです。作者的には「魔王サイドに属する事になった主人公の気持ちをどう見せていくか」というところに重きを置いて書いていました。


 今でもそうですが、この世界に生きる人間に対してどう接していくのか、というリアルな問題をどう描くかを考えています。


 人間にはいい存在もいれば悪い存在もいる。それをひとくくりにどう対処していくのか。主人公であるタクトは確かに過去のトラウマや現実世界でのやりきれなさがあり人間に対していい感情を持っていません。だからといってこの世界で傍若無人にふるまうのかというと、そうではないのです。


 第一章では世話になった勇者達や聖女を助けるために動きます。


 それは魔界に生きる魔族や魔物に対しても同じことが言え、彼は魔物に対して真摯に向き合います。第二章では特にそういうところを細かく描写したつもりです。


 確かに主人公はクズなところもあるのですが、周りに対してそこまで否定的ではないのです。今後書くにしても、そういう面を大事にしながら書こうと思います。

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