黒白サークルの奇妙な日常

「味のしない卵焼き」

「やぁ少年」

「どうしました先輩？」

「最近料理にハマってて、作って来たんだけど良かったら食べない？」

「今が放課後で、なおかつこんな寒い部室じゃなければ即答でOK出したんですけどね」

「そんな寒いかな」

「ええ、とても」

「それで…頑張って作ったんだけど…食べてくれる？」

「その言葉で食べる事を決意しました」

「チョロい」

「それで、なんの料理を食べれば良いんですか？」

「それはこれ」

「なんですかそれ？」

「卵焼きだよ？」

「いやどこがですか？？？ただのうずらの卵を串に刺しただけじゃないですか」

「ほら」

「もしかして、うずらの卵の姿焼きってことですか？」

「その通り」

「なんでわざわざ…」

「そっちの方が美味しそうじゃない？」

「先輩ってさては多分ペッ◯ーランチ崩さずに食うタイプの人でしょ？まぁ、いただきますけど」

「どうかな？」

「……味がしないんですけど」

「え？」

「もしかして塩入れ忘れました？」

「いや、そんな事は無いはずなんだけど」

「今日は早く帰る用事があるので、もう失礼します。お疲れさまでした」

「う〜ん、お疲れ様？」

ｶﾞﾁｬｯ

「おかしいな…ちゃんと納豆の味がするのに」

〜その日の夜〜

「…八度五分…しっかりコ◯ナだなこんちきしょう」

〜Fin〜