転生したらラヴニカだった件 その⑩

 そうして僕は再び、この地球に戻ってきた。どうだい、ホントにくだらなかったろ?


 あの後、ラルさんがスパイクを消し炭に変えるとラヴニカは白い光に包まれ、僕も包まれ、気が付くと高田馬場駅前に戻っていた。すべてが夢だったのかと思うけど、統率者デッキは消えていて、お金はしっかりあって、僕は少し考えて晴れる屋に行って、パイオニアのデッキのパーツを買って家に帰った。


 でも、家に帰って買ったカードをスリーブに入れてると、おかしなことに気付いた。


 4枚買った《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》の背景。


 じっと見ないとあると気付かない尖塔に、どこかラルさんを思わせる人影がいた。ガントレットをつけてるだけの別の人かもしれないけど、その人が一瞬、僕を見て、動いて、パチリ、ウィンクしたような気がして――次の瞬間、消えた。尖塔のてっぺんには、誰もいなくなってた。念の為、ネットで検索して画像を確かめてみたけど、やっぱり背景には誰もいない。


 僕はそれまでの冒険を思い返して、それから、ラルさんの家で飲んだいろはすを思い出して、あと、少しだけスパイクのことを思って――パイオニアのデッキを組み始めた。当分は、イゼットカラーのデッキ贔屓にすることになりそうだ。




〈了〉

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