逆行少女、騙って武器を売る

ヴィル

第1話 力の目覚め

一話 力の目覚め


暗い空、湿った空気薄暗い森の中、「イオ」は目を覚ました


女性一人というだけで危ない中、森で睡眠をとる私は、別に死にたがりというわけでも、命知らずというわけでもなく私なりの策がある。

それが盃の刻だ。

盃の刻とは夜18:00から朝3:30まですべての国が森への立ち入り禁止にする時間である。それがなぜなのかそれはこの時間帯は強力な魔族や魔物の群れが森に現れ襲われやすい時間ゆえであった。

しかし私は違う、自分で言うのもなんだが私は魔物や魔族の習性をよく理解している。

魔物も魔族も人間に攻撃的ではない、しかし殺気や命の危険を感じると先制攻撃をして命を守ろうとする。戦争で殺気立ってる兵士たちが襲われる理由がまさにそれである。

けど私は寝て魔物に触れ合い疲れを癒すためだけに森に入ってる。

人は入ってこず魔物と触れ合える森は私にとっては聖地そのものであった。

しかし問題もある。

森から出るのはいつでも悲しい、森の中に住みたいと思うほどに森は私にとって素敵な場所である。

けれど、旅人であり人間である私は長くは魔物と一緒にいることができない

魔物の瘴気は人を魔物や魔族へ変える。教会で瘴気を払えるとはいえ、油断はできない。

私の調べでは8時間以上浴びつ続けると魔物になり始め教会では対処できなくなる。

だから私は18:00~1:00まで寝て軽く魔物と触れ合い森を出るこれが、私なりの朝のルーティーン、森を出てすぐ町につくなら森で身だしなみもそろえるが

今日は夜遅くにつく予定ゆえ、身だしなみは整えず魔物と触れ合ったらすぐ森を抜けることにした。

ここは灼熱の大地と吹雪の山脈の隣接部に伸びる未開の森、私の経験では、そういった気候が違う2つの場所と隣接するこの場所は物珍しい魔物や魔族が多くいる、

今までも様々な希少な動物を見てきた私にとってもそういった森は珍しいものが多くいつでも楽しみなものである。




しかし今回はどこかおかしい、もうそろそろ森から出てしまいそうなのに

いまだ一体も魔物にあっていない、それどころか風が木々を鳴らす音以外聞こえない

今までなかった現象に首をかしげながらも、森から出ようとした瞬間

ドンっと

鈍い音が後頭部に鳴り響き、視界がゆがんでいった。その後すぐ私の意識は闇に落ちた。





次に目が覚めるとそこは知らない屋根の下であった。

「あっやっと起きた」

知らない声が聞こえてきた、透き通るような綺麗な声だがどこか

弱々しくまるでというほど生気を感じなかった

「お姉さん、喋れる?」

「あー、うん」

体を動かし相手の姿を確認した所そこにいたのは

まるで普通の人間のような白髪の女性が立っていた。

その整った顔や小さな背丈、なによりおろおろとしてとても愛らしい、

しかしそれよりも目に入るのは

私とは違い絶壁の胸にか細く軽く握るだけで折れてしまいそうな足

その華奢な容姿は大体の男を魅了できるだろう

なんなら女性でも一部界隈からは大きな需要がある気もする

私もそっち側だし、

っとまあそんなことはどうでもよくて、気になるのは彼女の頭にある耳、まるで猫のような耳に腰あたりから伸びてるであろう尻尾

それさえなければ人に見えるが、その二つの要素が彼女を人間ではないと強く語っている

けど、

「その耳触っていい?」

私としてはモーマンタイ、なんせ森に入る理由は魔族か魔獣を愛でるためなんだから

「ふぇ!?やだよ!それに、その、そういうのはその、恋仲じゃないと、」

「じゃぁ、好きです。付き合ってください」

しっぽに抱きつきながら耳をモフりたい衝動を必死に抑えてなんとか合法的に触れるように彼女を説得しようとする。

「えっと、よろしくお願いします?でもなんでそんな触りたいの?お姉さんにもあるしそんな珍しいものでもないのに……」

「自分の?私にはないはずだけど?」

何を言っているんだか、私は正真正銘の人間なのに、

「?………あっ!ちょっと待っててね」

テクテクテクと音が出てきそうな風にどこかへ走って行ったかと思えば鏡を持って帰ってきて、

「これ見てこれ!」

彼女な持ってきた手鏡を見る、

ボサボサの緑髪も彼女とは違って大きな胸だってある。違和感があるなら長い言うなら狐のような耳が見える気がすることだけだが

「すごいな最近の手鏡には自分にはないものを付け足せるんだ。」

「そこまで信じれないなら触ってみれば?」

「そうだね、そうしよう」

きっとただの悪戯だ、普通に考えてそんなことが起きるはずがない。

「……触れる………なんで」

「その耳が生えてるからじゃない?」

「私は人間だよ!」

「でも耳があるじゃん」

「………まって、ねぇ、今の時間わかる?」

嫌な予感がする、私が今まで徹底してきた

ルール、

森にいる時間いつもは気を失うことも攻撃を受けるかもなかったからこそもしかしたらを考えると

風が背筋を撫で悪寒が走る

「たしか、12:00のはずだよ」

最悪だ確実に8時間以上ここにいたことになる

それすなわちこれが魔物化の始まりいや多分目の前のを見る限り魔族化なのだろう

さてどうしようか、多分この娘の風貌的に、この姿が魔族化の最終段階だと考えると、

獣人を名乗るか、

あそこの国は唯一の親睦的な永世中立国

どこの国とも仲がいい通行には人間の時より困らないだろうが、





完全に懐いているこの娘をどうするか、さっき出会ったばっかりなのに

今なんて私に擦り寄ってきてるし

クッソ可愛いな、おい


「ねぇ、あなた旅する気はない?」

「ヤダ」

「私は旅人でさ、次のところに行きたいんだけど」

「ヤダ」

「嫌なら私一人で行くけど」

「ヤダ」

「ここに定住はできないんだよ。」

「ヤダヤダヤダ」

「付いて行くか、付いて行かないかどっちかだけヤダはなし」

「置いて行かれるのはやだ!お母さんにも捨てられたのに……」

お母さん?おかしい確実におかしい、

魔族は必ず瘴気から生まれる人間とは違い親というものは存在しない。なのにお母さん?

もしかして

「もしかしてなんだけど、その、

お母さんにその耳とか尻尾ってあった?」

魔族には親がいないなら、瘴気により魔族化したと考えるのが自然だ………が

「うん、あったよ!お姉さんみたいなのが、よく見ると髪色も同じかな?でももう少し大きかったかな?」

「え?」

まさかの回答、耳があった……ということは、それに私に似てる?

それよりも、親も魔族?だが魔族は繁殖の仕方すら知らないはずだ

それどころか生殖器官があるかすら怪しい

だって勝手に生まれるのだから

なら何故この子には親がいる?

ありえないはずだが本人は親がいることとその親に耳があったことを覚えている。

理解できない、今考えれば獣の特性を持った人型生物は獣人であり魔族ではない、

だが獣人は瘴気にめっぽう弱い特別な装備を四六時中身につけるレベルでだ。

だがこの子はここで生きて生活している。

可能性としてあるのは

新種の魔族か獣人の特異個体だろう

しかし獣人の特異個体というのでなれば私に

耳が生えたことに説明がつかなくなる。

ならば新種の魔族の可能性が1番なのだろう。

しかし、だとしてもだ。

新種の魔族ということは、昔からいるであろう魔物の瘴気を上書きしてしまうことはない。

つまりこの娘の瘴気はこの森にあまりないはずだ。

人が魔物化またら魔族化する原理は魔族と魔物が放出した瘴気を人が吸い、吸ったものの中で最も吸収した魔物か魔族になる。

それはとっくの昔からの常識である。

つまりこの森の瘴気とこの娘の瘴気は合致しない、

深く調べるには僧侶が必要だが、

知識があればそんなこと私でもわかる。

だが気になるのが瘴気が見えない私ですら彼女から放たれる色と形が次々と変わり本性が理解できないこの瘴気をしっかりと"見る"ことができる、けれどそれを森で感じたことはない。

ならこの娘が私に直接瘴気を注いだのか?

いやそれはないか、瘴気は自身の体の一部、

それをそう簡単に誰かに注ぐもんじゃない

注ぐとしてそれこそ大切な人を助けるためとかじゃなくちゃそんなことをしないだろう。

なら何故なのか、彼女が無意識に放出している瘴気をわたしが吸ったのかもしれない

彼女は私が起きた時点では私のそばにいたし

私が倒れた場所とここの距離は知らないが、

最低限近くないことはわかる。

疲れて近くで眠っていたとか、動く気力がもうなかった、といった感じでずっと近くにいたと考えるのが1番なのだろう。

「お姉さん!お姉さん!!」

「ん?あー、ごめん色々考えてた何か言ってたの?」

「置いて行かれるぐらいなら……ついて行くから……置いてかないでグズッ」

「あー、わかったわかった置いていかないから泣かないで」

「ほんと?ありがとう!」

先程まで泣きかけていたのが嘘のように嬉しそうに私に飛びついてきた。顔はクールな大人に見えても周りに大人がいないと精神年齢って発達しないのかな、

でもとりあえずくっそ可愛い

なんて思っているとそういえば名前を聞いてないな、なんて思い聞いてみることにした

「旅に連れて行くけどその前に名前教えてくれない?」

「名前……?私にはないよ?」

「え……?」

そうか親が居なく周りに大人どころか喋り相手すらいないであろう環境で育ったんだ、名前なんてあるわけないか

「お姉さんが決めてよ!なまえ!」

「え?私?センスないよ?私」

「センスなかったら自分で考えるから」

多分年下の子にネーミングセンスの見定めされるのなんかやだな

うーん、なんかこの見た目

帝国国民に似てる気がするな。

白の髪とか白衣の下に黒のシャツとスカートっていう白黒を基調にしてるのが特に、

えーっと、

帝国語と汎貿易語の翻訳で適当に決めるか

アーリグハイト(女性)

ヴィル(獣人)

シュリノブス(孤独)

アンシュルス(期待・希望)

こんな感じがいいかな。

えっと、少し文字って

「アーネルハイト・ヴィル・シュケリフ・アンシュルス」

「長いけどいい響き…」

「長いけどは余計だけど、まぁ事実だし、あなたのことはヴィルで呼ぶね。」

「わかった、えっと、イオさん?」

「イオでもイオさんでも好きに呼んでいいよ。」

「うん」

素性がわからなすぎるが、特段敵意もないし一人旅に疲弊して話し相手が欲しかったからちょうど良かった、それにしても可愛い

「ジーーーー」

「わ…え、ぁぅ」

何これこの子可愛すぎでしょ

ジーっと目を見てたら、笑顔になったかと思えば、恥ずかしそうに顔隠してるし、ほんと何これ可愛すぎ、

「あのイオさん?」

「ん?何〜?ヴィルちゃん」

「旅に行くって言っても何処に行くんですか?」

「世界一周旅行かな、今のところ146ヵ国中48ヵ国は回ったんだけどね、ヴィルちゃんが行きたければそこも含めて一周してもいいかな。」

「世界一周旅行ですか、なんともスケールが大きすぎて何が何だか」

「ヴィルちゃんこういうところ行ってみたいとかないの?」

「そういうのはないけど、お母さんに『りーるすうぃーん』って場所に行くように言ってたよ!」

「リールスウィーンかそれまたすごいところね」

リールスウィーン別名死者の手招き島入ったものは例外なく死ぬ、が様々な人が魅入られ島に入るものが絶えないまさに地獄その場所に

行くように親が言った?

「リールスウィーンって吹雪山脈の方にあるんだよね。」

「?…何か問題があるんですか?」

「吹雪山脈の国と灼熱の大地の国は仲が悪くてね。灼熱の大地の方から行けば必ずお陀仏なの」

「他のルートはないの?」

「南の灼熱の大地を除いた他ルートから行こうにも西は海で渡航制限で行けないし、

北は灼熱の大地と北側にある帝国の間に跨る

魔道教国は現在鎖国状態通れないから世界一周旅行しないとだし、

東も魔道教国で通れない以前に巨大な山脈のせいで通れないから、」

「灼熱の大地ってところから世界一周旅行してここに戻らないとってこと?」

「そういうこと、森に住んでたにしては頭いいんだね、ヴィル」

「うん、森にお爺ちゃんが毎日来て本とかを読み聞かせしてくれてたの、大きくなってからは本を持ってきたり世間話してくれてたんだ〜、最近は来てくれないんだけどね………」

「そのお爺ちゃんってどっちから来てたとかわかる?」

「お姉ちゃんが倒れてた方から来てたよ?」

「灼熱の大地の住民なのかな、なら今から会いに行こっか」

「うん!」

「その前に色々準備してね、この家には長い間帰って来れないんだから」

「わかった待っててね!先行かないでよ!絶対だよ!」

「わかってるよ」

「絶対だからね!」

心配性だなーなんて思いつつヴィルとの会話の内容を整理する。

色々気になるところはあるが、

最近は来てくれないが前までは毎日来てくれた老人……か、きな臭くなってきた気がするな。

1.毎日来てくれてた。

2.老人

今3.は来てくれない

その3つが合わさったら

導き出される答えなんて一つしかないじゃん。それにしても、話し相手いたのか、なのに名前もなく精神年齢は幼いのか、

老人相手に毎日話してたら精神年齢とか自ずとすごいことになりそうなものだが、まぁそういう人とは会ったことないしわからないが、その老人以外にも気になることが多すぎる。リールスウィーンに行くように言ったいないはずの魔族であるヴィルの母に

いがみ合ってる2ヵ国の間にある森にわざわざ入ってヴィルに会っていた老人。

何よりヴィルの正体だ。

おかしな点が多い、多すぎる

獣人と変わらぬ特徴を持ちながら魔族であり、それなのに、話した内容的にここの瘴気から生まれていない、新種であろう魔族。

………魔族、魔族……………そうだヴィルは魔族なのだ、何か心の奥底で引っ掛かるような忘れているようなことがあったが不自然なぐらい鮮明に思い出した。

あの時魔族相手に私は耳が触りたいが故に、私はなんて言った?

付き合って欲しい……

それがどういう意味なのか、

……迂闊だった、風の音以外聞こえない森の中を歩いて知らないうちに精神がすり減っていたこと、

後頭部への攻撃で脳が上手く回っていなかったこと、ヴィルの可愛さ、色々なことが噛み合い最悪な結果が頭に浮かんだ。

魔族には生殖器官がないが、

そういった行為は行う、何故かって?

そんなの簡単だ。

格付けだ、お前は自分のものであるという格付けなのだ。

その独占欲重い愛が魔族の恋愛観そのものなのだ。それは教えてもらうものとかそんなんじゃない生まれつき脳に刻まれているんだ。生殖器官がない魔族が生まれてくる意義は瘴気を巻く種の存続と、幸せを見つけることだと、どこかの学者がそれを見つけた。

その幸せとは、相手を支配するもしくは相手に支配される。

私は重大なミスをした。

付き合って欲しいという言葉も、

ヴィルの物語シナリオ通りなのかもしれない。

この耳が生えた理由を"ヴィルが無意識に出している瘴気によるもの"と決めつけたことも

"瘴気を直接注ぐことをしないだろう"と決めつけたのも全て、全てヴィルの物語シナリオなんだ。なんで気づかなかったんだろうか…………


いやまてなんで"気づけたんだ"

"ヴィルに瘴気を注がれている時点"でヴィルを疑うこともそんなことを考える思考もできない。

なんせその時点で格付けは終わり、私はヴィルの所有物であるのに、

けど、違ったつまりこれは私の思い込みであったのか?瘴気を注がれて格付けを完了させられたというのは私の思い込みであった?

いや……違う




違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う

ヴィルがそう考えるようにしたんだ、



「あーあ、お姉さん気づいちゃった?」

「ヴィル、あんた、最初からなんでしょ!全部!!」

「なんのことかな?」

「森にあなた以外の魔物も魔族がいないことも、私の後頭部にきた衝撃も」

「何いってるのお姉さん。私は何もしてないよ?」

「近づかないで!近づいたら撃つ」

「あはは何おかしなこと言っているの?無理だよ"あなた"に私は撃てない、だって私の所有物ものなんだからニコッ」

「あ、ぁぁ」

「ご主人様に銃を向けた悪い子にはお仕置きしないとね?ほら、銃を置いて跪いて」

後頭部に攻撃を受けた後なのに、何故簡単にヴィルを信頼したのか、今考えれば簡単だ。あの時だったんだ、後頭部に木の枝でも落ちてきたのだろうとか思っていたけど、違った。刺されたんだヴィルの鋭い爪で、頭蓋骨を貫通する鈍い音を打撃音と勘違いしていたんだ。

脳に瘴気を注がれたんだ。

人が瘴気で魔族になるメカニズムはよくわかっていないが、

魔族化した人間の解剖を行ったところ脳に瘴気が集まっていたということは発見されていた。

つまり瘴気は皮膚か口から瘴気を吸収し、酸素も共に血管から脳へ行く、

しかしその過程で血液に溶けたり抗体が脳へ行かないようにされたりするが、直接なら話は別だ。時間も量も要らない、けど殺さずに脳に瘴気を注ぐなんて何人殺したらできるんだよ。

「何人……殺したんだ。」

「殺したことはないよ⭐︎ただ、その後すぐ死んじゃうんだ、なんでだろうね?」

「お前が話してた、老人はお前が最初に所有物に変えたのか……?」

「ううん、違うよ。所有物にする方法を教えてもらったの、人間の死体まで用意してくれてね、10人ぐらいからコツが掴めて今じゃ殺さずに注ぐなんて簡単にできるんだー」

「お母さんというのは嘘だったのか?」

「お姉さんに話した内容に嘘はなかったよ。名前なんてなかったし、お母さんだっていたし、リールスウィーンに行くようにだって言われてた。けど私は旅に行きたく無かったしお姉さんに出て行って欲しく無かった、

置いていかれるぐらいなら行くって言ったのは完全に支配できる時間稼ぎだけどね?質問は終わり?」

「質問じゃないけど、最後に一つ言いたいことがある」

「なーに?愛の告白とか?キャッ♡嬉しい!」

「クソ喰らえクソ女」

あいつに銃を向けられないなら自分を撃って死んでやる。

この先自分の意志のない体で意識だけで生きていくなんて絶対に

ごめんだ。

さっさと死んでやる、ただもう一度があるなら、次はもっと上手くやりたいもんだ……な。




【に……め…………が…ま…………した】

誰の声だ?こんなキンキンするような声はなんだ?何を言ってるのか聞こえない。

【人生2周目を開始します】

今度はクッキリ聞こえた、

人生2周目?そりゃ嬉しいな次はヴィルを支配してヴィルと同じことするか………なんちって、はは

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