第3話 純愛シーン

「まず序盤に手を出したタイミングを語るとしよう」

「おう。いきなりルート確定は面白い視点だからな」


王道といえば王道の幼馴染ルート。

長く続いた好意が実を結ぶ展開は喜ばしいものと言える。それを序盤でいきなり手を出せる展開とは何なのか。


「まあ幼馴染は初恋が実り、初めてを捧げられる喜びを噛みしめつつ、たどたどしい始まりでスタートだ」

「悪くない展開だな!」

「そしてスキル解放される。分かりやすく言えば幻の極大魔法の習得に繋がるんだ」

「アンロック条件になるんか」


赤面しながら始まるそのシーンは、なんというか非常にエッチでした。

幼馴染から恋人……の期間が結構してからの部分が飛んでるのは気になるが、まあエロゲだし。

エッチなことして強くなるのはエロゲならありそうだし、解放手段もエロゲらしいと言える展開だな。これでレベルを上げてだと普通のゲームを買えばいいしな。


「で、面白いのが他のヒロインが集合した時に幼馴染に手を出す展開」

「そっちはどうなるんだ?」

「テキストとかイラストが変わるんだ。焦燥感に駆られて自信喪失しそうになってた中、選んでくれた安堵感と信じきれなかった事に対する罪悪感を覚えつつ、営みが始まる。ちなみにその後は極大魔法習得になる」

「そこは変わらないんだな。けど、力はいってんな」

「だろ?」


さっきと違って幼馴染の子は勇者に謝罪の言葉を送り、勇者はそれに対して不安にさせてごめんとお互い謝りながら、口を塞ぐように濃厚なキスから始まってる。

こう、ちょっとした違いで色々変わるのはちょっと面白いな。聞いてて苦にならない。純愛シーンと分かってるからかもしれないが。


「他はどうなんだ?」

「次は獣人。コッチは獣化の暴走が怖くて発動できないけど、暴れても止めてくれる、見苦しい姿を受け入れてくれる存在がいると知るんだ」

「ほうほう」


紹介された獣人のその見た目は人の耳がなく、狐のような大きい耳を頭から生えており、尻尾も大きいのが一本。なんというか、コスプレ感が強い獣人って感じ。

ただそれはそれとして、まさに勇者の力があってこそって感じだな。それで発動可能にするのは愛ゆえにって奴か。


「アンロックされるのは獣化。効果はステータスが3倍になる」

「これまた吹っ飛んでるな」


単純にステータスの暴力で格上を倒せる状態になるのは凄いな。もしRTAとかあったらパートナーに選ばれそうな子だ。

あとこの見た目が好きって言う奴が絶対いる。体全体が体毛で覆われて白くなり、九尾を持ち合わせたその姿は二足歩行可能な白い九尾の狐


「次はサキュバス。と言ってもパーティには居ない子だけど」

「サキュバスか。まあエロゲなら扱いやすい子だな」


サキュバスでNTRってサキュバスが元々男漁りする種族な事が多いから、他の男とやることにも不思議ではないし、NTRって感じはしないけども。


「この子に終始リードされるも純愛ルートがある」

「ほう、サキュバスで純愛って珍しい部類だな」

「内容としてはずっと自分勝手な営みの中、主人公のは相手を思いやる、サキュバスだからな扱いじゃなく、一人の女の子として扱ってくれる事にサキュバスは虜になるんだ」

「あーそれは落ちそう」


扱いやすいから落ちやすい展開も作りやすいって事か。終始サキュバスが優位な事が多いかサキュバス好みのモノを持ってるかで溢れてるような気がするしな。

ただただ純粋に思いやる営みで愛を知るってのは面白い展開だな。


「で、お約束の強化案件は主人公の魔力を無限化だ」

「おい獣人より吹っ飛んでるぞ」

「設定としては夢魔でもあるから、それぞれの人の夢にアクセスして、そこから魔力を借りて主人公に届けてるってなってるんだ」


夢魔の側面も併せ持つタイプか。

それで人の深層に潜り込んで、魔力を拝借して主人公に届ける。サキュバスの特性を活かしたサポートって思えばやってる事はアレでも健気なサキュバスに見えなくもないな。


ところで気になったが、ヒロインあとどれだけいるんだ?多いとそれだけ扱いが難しい物になりそうだが。


「今更だがヒロインってどれくらいいるんだ?」

「パーティに参加しないのも入れて5人だ」


あと2人は誰なんだろうな。

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