第63話 公務員、ボスと戦う
「いよいよ、今日はボス戦だな」
俺は迷宮攻略に向かう前に、現在のステータスを確認した。ガチャで強化されたことで、俺自身も確実に強くなっている。それに、アルメリタやセリーヌも順調に成長していた。
「……二人とも、本当に強いな」
幼少期から鍛えられていたと言っていたが、その経験が確実に活きている。特にアルメリタの場合は、白狼族という種族特性も相まって相乗効果を発揮しているようだ。
――――――――――――――――
鈴木和人(スズキカズト)
巻き込まれた異世界一般人
職業:サポーター
レベル: 15→17
HP:69→79(39+40)
MP:89→111(61+50)
力:12→15(9+6)
体力:18(15+3)
魔力:40→48(24+24)
耐性:21→24(12+12)
敏捷:13→16(7+9)
スキル:鑑定☆、生活魔法☆、アイテム投げ☆、パーティー状態表示☆、罠発見&解除☆、魔法効果向上E、火魔法D(1)、水魔法C、土魔法D(1)、風魔法D(1)、成長加速C(3)、マッピングB(1)、隠密C
固有スキル:異世界言語理解、ガチャ
――――――――――――――――
水魔法がCにあがり、クリエイトウォーターという魔法を覚えた。どうやら、鑑定すると、水を使った好きな形を作ることが可能で、こめる魔力量に応じた量の水を出せるようだ。
「属性魔法のCはクリエイトシリーズか?」
ちょっと水を試しに出してみるが少量のMPで結構な量の水がドバドバと出た。生活魔法の飲み水はあるので、あまり水を出すのに困っていないのだが何かに使えるかもしれない。
まあ、また時間がある時に考察しよう。
現在のガチャで手に入った使えそうな俺の持ち物も背負っているバックと腰のポーチに整理する
ポーション(中級5、上級1/2、状態異常回復3、MP回復1)
ガチャ道具(古びた小さなハンマー1/5、静寂の砂1)
常用道具(煙幕複数、音爆竹複数、魔除け木炭、ロープ、ナイフ)
攻撃用道具(火炎瓶3、石)
インゴット(鉄3、ミスリル3)
所持金(金貨7枚と銀貨6枚)
アルメリタとセリーヌの今のステータスだ。
――――――――――――――――
アルメリタ
白狼種の少女(14才)
職業:剣士(和人の奴隷)
レベル:10→13
HP:76→88
MP:7
力:41→45
体力:33→37
魔力:3
耐性:22→24
敏捷:44→50
スキル:直感D、気配察知C、剣技D、回避E
固有スキル:なし
――――――――――――――――
――――――――――――――――
セリーヌ・アルステッド
元アースティア王国 貴族令嬢(16才)
職業:騎士(和人の奴隷)
レベル:11→14
HP:96→109
MP:15→17
力:22→24
体力:40→46
魔力:9→10
耐性:34→38
敏捷:19→20
スキル:剣技D、盾防御C、挑発D
固有スキル:なし
――――――――――――――――
ふと、アルメリタのスキル欄に新たなスキルが追加されているのに気づく。
「おお、アルメリタに回避Eってスキルが入ってるぞ!」
「えっ、本当ですか!?」
アルメリタの耳がピンと立った。
「 すごい! 回避って、戦闘で攻撃を避けるのに役立つんですよね?」
「そうだな。今までの動きの良さに加えて、さらに回避能力が高まるってことだ。間違いなく戦闘で使えそうだな」
「やったぁ!」
アルメリタは嬉しそうに拳を握りしめ、尻尾を揺らしている。
「セリーヌも安定して強くなってるし……今日は気合いを入れてボスに挑もう」
「はい、和人様!」
「うん!」
「ボスを倒したら、3人でお祝いしようぜ!」
二人が嬉しそうに頷く。勝利を確信しているわけではないが、ここまでの成果をしっかり実感できるのは大事なことだ。
マッピング済みの迷宮は、まるでよく知ってる施設のようにスムーズに進むことができた。
「やっぱりマッピングは便利だな。これがなかったら、迷宮探索ってもっと大変なんだろうな」
「本当にそうですね。カズトさんの能力があるおかげで、迷うことなく進めます!」
セリーヌも感心したように頷く。
「うん。私も気配察知はできるけど、マップがあると一目でどこに行けばいいのか分かるし、すごく助かるります!」
俺はちょっと照れながら「そうか」と答える。こうして役に立っている実感があるのは嬉しい。
――そして、ついに10階への扉の前にたどり着いた。
「……いよいよ、ボス戦だな」
俺は二人を見て、ゆっくりと呼吸を整える。
「準備はいいか?」
「もちろんです!」
「問題なし!」
二人とも力強く頷いた。
「じゃあ、行くぞ――!」
扉を開けると、広い部屋の奥に待ち構えていたのは、一体のゴブリンマジシャン。
その周囲には護衛としてゴブリンファイターとゴブリンソルジャーが2体ずつ陣取っている。
「……話に聞いてた通り、魔法を使うやつが中心にいるな」
「しかも、ファイターとソルジャーに守られていますね。長引けば長引くほど厄介な相手です」
セリーヌが慎重に剣を構える。
「火属性魔法を使ってくるはずだから、防御を固めながら戦おう。俺がファイアウォールを張る。セリーヌは前線で防御を意識して、アルメリタは敵の隙を突く形で!」
「了解です!」
「任せて!」
俺はすぐにファイアウォールを展開し、パーティー状態表示をオンにする。
――おお、これは便利だ……!
バフの持続時間がリアルタイムで確認できる。これなら効果が切れる前に、再展開するタイミングも把握しやすい。
「行くぞ!」
俺たちが動き出した瞬間、ゴブリンマジシャンが杖を掲げ、詠唱を始める。
「ギィィ……ファイアボール!」
「来るぞ、セリーヌ!」
「大丈夫です!」
ゴオッ!!
ファイアボールがセリーヌに向かって一直線に飛ぶ――
バシュッ!!
だが、セリーヌの盾がそれを真正面から受け止め、炎の衝撃を完全に遮断した。
「……っ! 全然問題ないですね!」
俺の使ったファイアウォールが相乗効果を発揮し、盾にほとんど熱が伝わっていない。
「よし、やっぱりこれなら魔法防御も問題なさそうだな!」
「ゴブリンマジシャンの魔法、そこまで強力じゃなかったね!」
アルメリタが身軽に跳ねるように移動しながら、ゴブリンソルジャーと対峙する。
「じゃあ、今度はこちらの番だ!」
俺はすかさず石を取り出し、《エンチャント火》を付与して投げる。
ゴッ!!
炎の熱を帯びた石がゴブリンマジシャンの肩を直撃し、ヤツが小さくのけぞる。
「おお、ちゃんと効いてるな!」
「ナイスです、和人様!」
「でも、まだ生きてますね……っ!」
セリーヌがゴブリンソルジャーと斬り合いながら叫ぶ。
「もう一発!」
俺は素早くもう一つの石にエンチャント火を付与し、ゴブリンマジシャンに向かって投げた!
ズバァッ!!
炎の熱を帯びた石がゴブリンマジシャンの胸に直撃。ヤツは大きく仰け反り、火花を上げながら後退する。
「セリーヌ! 前線は任せた!」
「はいっ!」
セリーヌがゴブリンソルジャーと斬り合いながら、カウンターの一撃を放つ。
ゴブリンソルジャーは腹を押さえながら崩れ落ちた。
「……残るは、ゴブリンマジシャンだけ!」
俺がそう言った瞬間――
「アルメリタ!」
「行きます!」
アルメリタが一気に距離を詰める。
――シュバッ!!
彼女の剣が残像を描くように走ると――
スパァァッ!!
ゴブリンマジシャンの首が、綺麗に飛んだ。
……ボス、撃破!
「……終わったな」
俺は息を整えながら、二人を見る。
「やった……!」
アルメリタが小さくガッツポーズを取る。
「お疲れ様です、和人様!」
セリーヌも嬉しそうに微笑む。
「ファイアウォール、思った以上に強力だったな。魔法攻撃をこれだけ抑えられるなら、もっと活用できそうだ」
「ですね! 和人様のおかげで安心して戦えました!」
「和人様も、エンチャント火の石がすごく効果的でしたね! 最後は私が倒しちゃいましたけど!」
アルメリタが得意げに胸を張る。
「いや、アルメリタのトドメが決まったおかげで楽に終わったよ。二人ともお疲れ!」
「カズトさんこそ!すごく頼もしかったです」
俺たちが戦闘を終えて息を整えていると――
ゴブリンマジシャンの倒れた場所に大きめの魔石と、さらにその隣に宝箱が現れた。
「おぉ!? 宝箱だ!」
「本当に出るんですね……!」
セリーヌが驚いたように目を丸くし、アルメリタは興味津々に宝箱に駆け寄る。
「カズトさん! これって迷宮の……!?」
「間違いないな。ボス戦の報酬か」
「すごい……!」
アルメリタの耳がピクピクと動き、目を輝かせながら宝箱の周りをぐるぐると回る。
「何が入ってるんでしょう!? 開けていいですか?」
「いや、待て待て」
俺はアルメリタの肩を押さえ、落ち着かせる。
「宝箱には罠が仕掛けられてることもある。油断は禁物だ」
「ええっ、そんな……!」
せっかくの宝箱に罠があるかもしれないという現実に、アルメリタがしょんぼりと肩を落とす。
アルメリタに悪いことした気もするが、公務員時代のリスクを回避の思考が抜けないのだから仕方ない。
「大丈夫ですよ、和人様がきっと開けてくれますよね?」
セリーヌが微笑みながら俺を見る。
「まぁ、罠解除あるからな……」
俺は慎重に宝箱を観察し、罠がないことを確認する。
「よし、大丈夫そうだな……いくぞ」
宝箱の蓋をゆっくりと開ける――
カチャンッ!
「……なんだこれ?」
中に入っていたのは、一対の鉄の籠手だった。
「おぉー! 装備品ですね!」
「やったぁ! すごいです!」
アルメリタがまたもや嬉しそうに飛び跳ねる。
「どれどれ……」
俺は鉄の籠手を手に取って鑑定する。
――――――――――――――――――――
【鉄の籠手】
腕部を保護する金属製の籠手。比較的軽量で、素早さを損なわない作りになっている。
――――――――――――――――――――
「おっ、これはアルメリタにちょうどいいな」
「え、私ですか?」
「アルメリタは盾を持たない戦闘スタイルだろ? その分、防御が心配だったんだよ」
「……カズトさん」
アルメリタがじっと俺を見つめ、少し頬を赤らめる。
「ありがとう……! すごく嬉しい!」
「ははっ、大事に使えよ」
俺が籠手をアルメリタに手渡すと、彼女はすぐに装着し、腕を曲げ伸ばして感触を確かめる。
「うん! 軽いし、動きの邪魔にならない! すごくいいです!」
「よかったな、アルメリタ」
「はいっ!」
アルメリタは嬉しそうに拳を握りしめ、小さくガッツポーズを取る。
俺もホッとしながら、周囲を見渡した。
「さて、そろそろ引き上げるか!」
初のボス戦は無傷なうえにアイテムも手に入り最高の結果だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます