第二図 文は文字を並べただけか
文字は意味と音を記録した記号です。
言葉を
今回は、文の事を考えます。
私はかろうじて喋れるのが日本語だけなので、日本語の文について考えます。
文字は並べると文になります。
言葉を記録するためや、考えを記録するためには、文字を
普通は縦とか横とかに複数個、並べます。
では実際に〝犬〟と〝子〟という文字で言葉をつくります。
【例示】
子犬
かわいいです。
次は並べる数を増やしてみましょう。
どうなりますか?
子子犬犬
とたんに意味がなくなりました。
文には適切な数だけ文字を使いましょう。
たまに〝
そういうのは捨てます。はい。無くなりました。
文字をならべると〝順番〟が生まれます。
読み書きする順番です。
これは創作論ではないので、読むときの事を考えます。
正しい順番の文を読むと意味が繋がり、情報が増えます。
例示します。
【例示】
犬怖い→すべての犬が怖い
ですが
怖い犬→怖いと感じる特定の犬がいる。
という事になります。
不思議です。
だまされたと思います。
日本語は何とか喋れるのに
何でこんな事になるか混乱します。
理由の一つとしては、
この、文字という記号のせいです。
特に漢字などの表意記号には、たくさんの取説が隠れているからです。
詳しく教えてくれないけど、文字の使い方には、いくつものルールがあるのです。
そのルールを知りたい人は、あとで調べてください。
私は、ただ〝物語は、どんな感じで出来ているか〟を考えているだけの者なので難しい事はわからないです。
ここで私が話したい事は以下の一文です。
文字を並べるときには、〝文字数の加減〟と〝順番の組み合わせ〟
これだけしかできない
これだけです。
さらにこの並べ方の特性を実例で示します。
【例示】
犬怖い
↓
犬怖い犬
〝犬〟1個多く、つけてみました。
これは並べ方が、ふつうじゃないです。ダメな文です。
けれども、強いて読めば────
怖い対象は〝犬〟だと強調している文である。とも読み解けます。
また「犬怖い」の文は〝こわいと思っている人〟である主体を示す主語が略されています。
日本語は主語を略しやすいのです。
なので、上記の文は〝犬(生物種)が怖い犬(主体)〟とも読めてしまいます。
わかりやすくするために、主語と述語や助詞、句読点も略さず規範的に書いてみましょう。
上の「犬怖い」は「私は、犬が怖い」となります。
下の「犬怖い犬」は「私は、犬が怖い。犬が」
これだとなんとなく〝犬〟強調している気はしますね。
さらに〝犬〟の文字を増やしましょう。
【例示】
犬犬怖い
それと
怖い犬犬
これ。
並べる数が完全に間違いですよね。
しかしこれでも、ギリギリいける?
言い方で、いけるかもしれません。
イヌぅ、イヌ怖いぃ!
怖いっ!イヌっイヌぅ。
喋り言葉なら、ありかもです。
日本語の喋り言葉の並べ方は変則的な配置を許容します。
書き言葉よりも変わる余地があります。
日本語は語の組み方に規則が
たとえば英語は置く位置で意味が決まります。
不適当だと、ほぼ伝わらない。
日本語は、並べ方が適当でも意味が伝わるのです。
理由としては。
日本語の助詞が語句を結合させ易い。
漢字は表意、かなは表音文字。
その組み合わせが
等々あります。
前にも言いましたが、そういう事は偉い人の本を読んで調べてください。
決して私に聞かないでください。約束ですよ。
ここではそういう性質なんだ。そう鵜呑みにしてもらえれば幸いです。
ちなみに日本語のこの〝並べ方自由すぎ問題〟は、表現のひとつにもなっています。
例を示しましょう。
物語の一場面を想像してください。
【例示】
大男がいます。醜く、頭の弱い。
自分の事は〝オデ〟と言う。
でも心はキレイなヤツです。
皆にバカにされ邪魔にされ追いやられても
他人の役に立ちたくて、ゴミとか拾うし。
死にそうな老犬の世話もする。
そのオデの口癖が。
オデ イヌ 好き
はい、これは三文字なので
3✕2✕1=6
6通りの組合せがあります。
例示します。見てください。
【例示】
① オデ イヌ 好き
② オデ 好き イヌ
③ 好き オデ イヌ
④ 好き イヌ オデ
⑤ イヌ 好き オデ
⑥ イヌ オデ 好き
なんと!
3つの単語の順番、どれでもいい。
意味伝わるし、キャラもわかる。
頭おかしい。なにこれ。自由すぎない?
そのオデとイヌ。
例として物語の一場面にあてはめます。
例示します。見てください。
【例示】
心の汚い政治家。
汚職隠しのためにスラム街に隠れた証人を銃で撃つ。
街の住人など巻き添えにする事など、何のためらいもない。
その流れ弾丸が路傍にいる老犬の足とかに当たるわけです。
震えて血を流すイヌが、力尽きてうずくまる。
そこへ奇声を上げたオデが駆けつけて、分厚い身体で犬へ覆いかぶさるんですよ。
弾バンバンあたります。
当然オデ致命傷ですね。
で、もう放置してても死ぬような老犬を守って自分が死ぬ間際にオデは笑顔で言うわけです。
「よがっだ……」
とね。
で、その言葉の後に、いつも言ってたセリフを言うのですよ。
「オデ、イヌ……好き」
はい。これで十分。
もう愛犬家は泣きます。
しかも言い方は6通りいける。
6パターンで、泣かせる。
あー。ちなみにオデは死にません。
その後も楽しく犬と暮らしましたとさ。
安易に悲劇的な結末にすると、怒る勢力がいるので足しときました。
さて、えーと。何の話でした?
日本語の文での文字の語数や語順はヤバいほど自由って事ですね。
今回はこれまで。次は文章を考えます。
あ。捨てた御御御付は、みつけて拾っておいてくださいね?
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