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当然ながら、生まれつき体の弱いわたしに石工の仕事が務まるはずはない。わたしは採石会社に採石場を観光資源として活用する提案をさせるよう旧知のコンサルタントに働きかけて、採石場内のツアーを運行させた。
そして目論見どおり、場内ツアーのガイド職に就くことに成功した。
ガイドの仕事はわたしにとってそう難しいものではなかった。情報を暗記するのは得意な方だし、人前で話すことにもさしたる抵抗はない。難儀したのは人間関係だ。
石工の職人たちはわたしが想定していた以上に口が固かった。後から知ったが、彼らは明治時代の中頃に瀬戸内地方から移住した石工たちの末裔で、百年以上が経過した現在でも強い仲間意識を持っているらしい。
つまり、彼らにとってわたしは余所者以外の何者でもないということだ。
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