第12話 暗躍

 相変わらず路地裏に人気はなく、嫌な静寂が辺り一帯を包んでいた。客足などまるでないが、それでも闇の行商・トモジは変わらず打ち捨てられた階段の下にテントを張り、怪しい品々を並べた露店を開いていた。


 気だるそうにパイプを燻らせていたトモジだったが、近付いてくる気配にいち早く気付き、意識を向ける。


 何気なく手元の懐中時計を確認し、彼の痩せ細った口元がにたりと歪んだ。


(そろそろ頃合いかねぇ)


 これだけの時間があれば、向こう側での“荒事”も一段落した頃だろう。あらかじめ連絡を入れていたブリュレ兄妹は、手筈通りにリオンらと『デュランダル』の面々を迎え撃っているはずだ。


 生きたまま身ぐるみを剥ぐのか、はたまた首を並べて晒し者にするのか。その先のことは、トモジにとってはどうでも良いことだった。ただ一つ、“情報提供”の代償を貰うことができるなら、凶悪犯兄妹の所業などは知ったことではない。


 露店の目の前で、足音が止まる。トモジは品物の紫水晶をゆるゆると磨きながら、視線すら投げずに問いかけた。


「どうでしたぁ。順調にいきましたかぁねぇ? 約束通り、しっかりと報酬は弾んでもらいますよぉ」


 磨き上げた紫水晶を置くと、思わず自身が笑みを浮かべてしまっていることに気づいた。慌てて平静を取り繕おうとしたが、水晶の表面に映り込むもう一つの“顔”に、思わず「えっ?」と声を上げてしまう。


 慌てて振り向くトモジに、リオンはずいと顔を寄せながら作り笑いを浮かべた。


「ああ、まんまとやられたよ。知り合いだろうがなんだろうが、平気で売り飛ばす。お前はそういうやつだったよな?」


 目を丸くするトモジだったが、声を上げる前にその顔面に拳骨が叩き込まれていた。リオンは店主の返事など聞く気は毛頭なく、先手を打って一撃を振り抜く。


「ぶ――ぎゃああ!?」


 情けない悲鳴を上げ、トモジの細い体が吹き飛ぶ。背後に並べられていた木箱や品物を蹴散らし、彼は仰向けに倒れてしまった。


 リオンの容赦ない一撃を、左右に立つアテナとカンナも驚いたように見つめている。だが、半ば予想していた事態なだけに、その顔から微笑が消えることなどない。


 リオンはため息をつき、倒れたトモジを見下ろす。商人の鼻からおびただしい量の鼻血が噴き上がっているが、可哀想などという感情は一切湧いてこない。


「ったく、なにが“縁”だよ。お前、最初からあいつら――ブリュレ兄妹側についてたってわけか」

「な、なんで……どうして……!? や、やつらは何をして――」


 トモジはようやく体を起こし、滝のような汗を流しながら立ちはだかる三人を見つめる。鼻を押さえた手の隙間からも、とめどなくどす黒い血が溢れ出し、ぼたぼたと足元の絨毯を濡らした。


「まぁ、なかなかの怪物だったよ。情けない話、俺一人だったら今頃、お陀仏だったかもな。ただあいにく、こっちにはもっとやばい“怪物”がいた、ってことだ」


 リオンの言葉を受け、トモジは左右に立つ『デュランダル』の二人を慌ただしく見つめていた。だが、この一言を受けて女騎士・アテナの表情がどこか不服そうに歪む。


「“怪物”とは心外だな! これも、日々の訓練の賜物だ。せめて、“ウルトラクールなハイパーレディナイト”とか、“絶対鉄壁の騎士長”とか言ってくれないと」

「いや、呼び方はなんでもいいんだけど……ま、まぁ、あんたらには本当、助かったよ」


 凄んだ空気を出そうとしたリオンだったが、アテナの相変わらずのマイペースっぷりに肩の力が抜けてしまった。二人のどこかでこぼこしたやり取りを、隣に立つ女侍・カンナはくすくすと笑って眺めている。


 しかし、その一瞬の隙をついてトモジは露店の中から飛び出した。商品を蹴散らし、大粒の汗を撒き散らしながら一目散にその場から逃げ出す。


 突然の逃走に一手遅れてしまうリオンだったが、やはりすぐさま対応してみせる。躊躇することなく、腰のホルスターに収めていた小さな“刃”を手に取った。


「野郎、逃すかっての!」


 素早く投げつけたリオンの刃が、吸い込まれるようにトモジのふくらはぎに突き刺さる。闇の商人は激痛にまた一つ悲鳴を上げ、受け身すら取れずに転んでしまった。


 足を押さえてじたばたともがくトモジに、リオンたちは呆れ返りながらもゆっくりと近付いていく。


「残念だったな。あいにく俺たちももう、みすみすお前を逃してやるつもりもないんだよ」


 うずくまったまま、トモジは肩で息をしながら振り向く。近付いてくるリオンたちを睨みつけながら、男は歯を食いしばっていた。


「そんな……あ、ありえない……まさか、あのブリュレ兄妹を?」

「そのまさか、ってやつさ。とはいえ、なにも殺しちゃあいないよ。今頃あの二人を含め、悪党どもは『デュランダル』の奴らにしょっ引かれてる所だろう」


 教会での激戦を終え、リオンらはすぐさま『デュランダル』の本部に連絡を入れていた。駆けつけた応援部隊により、ブリュレ兄妹をはじめ悪漢たちは一人残らず連行され、監獄へと連れて行かれたのである。


 リオンらは応急処置を終え、あえてこの“廃棄地区”のど真ん中へと舞い戻った。今回の一件に密接に関わっている、目の前の商人を問いただすために。


 また一歩、リオンたちはうずくまるトモジへと近付く。しかし、困惑していた商人の男はそれでも、最後の最後まで足掻くことはやめない。


 トモジは意を決して振り返り、凄まじい形相で吠える。


「ち、近寄るんじゃあねえ! 俺に触るなぁあ!!」


 トモジの一声で、リオンらは思わず動きを止めてしまう。いつのまにか商人の手には、一刀のナイフが握られていた。万が一のときに備え、彼が懐に忍ばせていたものである。


「い、いいかぁ、じっとしてろぉ! 俺がここから消えるまで、そこから一歩も――」


 必死に威嚇をするトモジだったが、尻餅をついたままのその姿はなんとも情けなかった。リオンらに向けたナイフの切先は焦点が定まらず、カタカタと明確に震えている。男は満足に呼吸もできず、喘ぐように必死に酸素を取り入れ続けていた。


 彼を落ち着かせようと言葉を選ぶリオンだったが、不意に飛び込んできた光景に思わず「あっ」と声をあげてしまう。“彼女”のその動きを捉えられていたのは、同じ部隊で共に歩んできたアテナのみだった。


 トモジもまた、唐突に首に伝わる冷たい感触に呼吸を止めてしまう。男のか細い首元に、いつのまにか美しく湾曲した“刀”が突きつけられていた。


 一瞬で距離を詰めたカンナが、抜刀しトモジの動きを制する。彼女はにっこりと笑いながら、至近距離のトモジに告げた。


「あぶないあぶない。刃物なんて、簡単に抜いたらあかんよぉ。思わず、縦に裂いてまうとこやった」


 トモジが手にしたナイフの切先が、ようやく止まった。彼は呼吸すら止め、すぐ真横に居座る冷たい気配に耐える。


 嘘偽りなどではない。指一つでも動かせば、喉元の刃がそのままねじ込まれ、肉体がバラバラになるということが理解できてしまった。


 結局、そこが闇の商人・トモジの限界であった。彼はナイフを手放し、がくりと肩を落としてしまう。商人が抵抗を止めたことを確認し、カンナは「それがええ」と刀を鞘に戻した。


 一悶着はあったものの、一同はようやくトモジへの“取り調べ”を開始することができた。彼を露店の中へと連れ戻し、周囲を取り囲んだ状態で質問を投げかけていく。


「さて、と。それじゃあ、色々と答えてもらおうか? 変な動き見せたら、今度こそそっちの“お侍”がただじゃあおかないぜ」


 トモジはなおも滝のような汗を流しながら、ちらりと横目でカンナを見つめる。狐型獣人の女性はにっこりと微笑んだまま、柔らかに手を振っていた。


 商人が観念したことを受け、リオンは温めていた問いを投げかけていく。


「どうして、ブリュレ兄妹に俺らの情報を売った? お前、やつらといつ頃から繋がってたんだよ」

「た、たまたまだよ、たまたまぁ……“廃棄地区”にやってきたあいつらと、偶然知り合いになったんだ。話しているうちに、お前の話題が上がって……それで――」


 辿々しく答えるトモジだったが、リオンは左隣に立つアテナに、ちらりと視線で合図を送った。女騎士は腕組みをしたまま商人の顔を凝視していたが、やがてため息と共に首を横に振る。


 それを受け、リオンはトモジの胸ぐらを掴み上げた。


「な、なにを――!?」

「“嘘”はよくないな、トモジ。あいにく、そういうのは全部分かっちまうんだ。適当なこと言うと、ただじゃあおかねえぞ?」

「う、嘘なんてついてなぁい! 本当だよぉ!」


 リオンはまたもやちらりとアテナを見やるが、相変わらず彼女は困ったような表情を浮かべ、肩をすくませながら首を横に振る。その大袈裟な振る舞いに少したじろいでしまったが、それでもリオンは彼女の反応を信じた。


 アテナの目は他人の“嘘”を暴く。理屈などさっぱりだが、それでも目の前の商人が偽りを述べているのだと、リオンは悟った。


 かつてリオン自身がそうであったように、女騎士の“心眼”に従い、次の一手に移る。リオンは商人へと顔を近付け、どこかわざとらしいトーンで告げた。


「なあ。そこに立ってる“お侍さん”なんだが、なんでも元は有名な“斬り裂き魔”らしくってな。物でも人でも、とにかくなんでも良いから斬ってみたくなる“タチ”なんだと」

「へ……へぇ?」

「俺も穏便に済ませたいところなんだけどさ。さっき、悪者相手に大立ち回りしたばかりで、まだ熱が冷めてない感じなんだよ。だから、まごまごしてると、耐え切れなくなってそれこそ、“バッサリ”やっちゃうかも――な?」


 大袈裟に言いながら、リオンはトモジと共にカンナへと視線を向けた。すべてリオンの“アドリブ”だったのだが、カンナは狐特有のふさふさした尻尾を緩やかに動かしながら、なぜかうっとりとした表情でトモジの肉体を眺めている。


(案外、本当にぶった斬るつもりなのかもな……)


 自身の放った“ハッタリ”が的を射ていたことに、リオンまでも冷や汗を垂らしてしまう。


 しかし、これがきっかけで、ようやくトモジの心がへし折れた。闇の商人は観念し、バラバラに解体されまいと、必死に知り得ている情報を語ってくれる。


「き、“教団”の指示だったんだ! 本当だ、信じてくれよぉ!!」

「教団、だと?」


 トモジが必死に首を縦に振るなか、リオンはやはり隣に立つアテナの顔をちらりと確認する。彼女の真剣な表情を見る限り、トモジは嘘をついているわけではないらしい。


「『タタラ教団』って、名前くらい聞いたことあるだろぉ? 俺ぁ、そこの信者なんだよ」

「へえ、意外だよ。“金”しか興味がない男かと思ってたけど、意外と信心深いんだな」

「ケェッ。なにも、“神様”にすがりたくて入ったんじゃあねえよ。あくまで、商売のために利用する“縁”のためさぁ」


 汗をぬぐい、トモジはけらけらと肩を揺らして笑う。徹頭徹尾、彼にとって人との繋がりというものは、自身に利益を舞い込むための足がかりでしかないらしい。


 ある意味、ぶれない彼のその姿勢に、リオンはため息をついてしまう。だが、男の口をついて出た“教団”の名に、アテナが「ふむ」と唸ってみせた。


「『タタラ教団』か。ここ最近、都市の内部でも活動が確認されている宗教団体だな。『デュランダル』の方でも、その動きを監視していたところだ。別部隊の管轄で私も詳しくは知らないのだが、どうやら巷では“邪教団”と忌み嫌われている存在らしい」


 アテナの口から語られた様々な事実に、リオンも自身の中に眠っていたとある記憶が呼び覚まされていく。“義賊”として活動する傍ら、素性を隠して勤務していた酒場・「黒羊亭」の客たちが、時折、噂話をしていた。


「なるほどな。けれど、なんでまたその“教団”ってのが、俺らをブリュレ兄妹なんかに差し渡そうとしたんだ? あいにく、俺の知り合いに信者なんざいないはずだが」

「わ、分からねえよぉ。俺はただ、教団の人間から言伝されたぁだけなんだ。お前らが来たら、それを野外酒場にいるブリュレ兄妹らに会うよう、仕向けろ――ってな」


 もはやアテナに確認せずとも、リオンにもその言葉の真偽は理解できた。どうやら目の前の商人・トモジを裏で操っていたのは、その『タタラ教団』という連中の仕業らしい。


「面倒なことになってきたな。なにかの思惑があって、その『タタラ教団』ってやつらが、俺らとブリュレ共を争わせたかったってことか。お前に指示を下した奴は、いまどこに?」

「し、知らねえ。本当だ! なにせ、“教団”からの指示はいくつもの人間を経由してまわってくるからなぁ。俺に言伝をした奴も顔は隠していたし、おそらく伝言役に選ばれた適当な信者だったんだろうさぁ」

「なるほど、な。足がつかないように、あれこれ小賢しい真似をしているわけか」


 リオンが「やれやれ」とため息をつくなか、アテナはなおも腕を組んだまま真剣な表情で悩んでいた。彼女の青い瞳に、鋭い光が宿っている。


「こうなると、地方で暴れまわっていたブリュレ兄妹が、わざわざこの都市にやってきたというのも、いささか偶然とは思い難いな。もしかしたら、彼らをつつくとなにかが出てくるかもしれないぞ?」

「まじかよ。じゃあ、ブリュレ兄妹まで、その『タタラ教団』が絡んでるかもしれないってのか?」

「あくまで可能性だがな。これは一度、改めて『デュランダル』が知り得ている教団の情報をかき集めてみるべきかもしれない」


 仄暗い路地裏には、どうにも不穏な空気が漂い始めていた。事の真相はまだまだ見えてはこないが、そこに登場した謎の“邪教団”なる存在が、リオンらの心に暗い影を落としてしまう。


 とはいえ、どれだけ思考を巡らせたところで答えなど出るわけもない。なぜ、“邪教団”はリオンらに注目し、わざわざ争いの渦中へと誘導したのか。わざわざブリュレ兄妹を呼び寄せたとしたら、そこまで計画した意図とはなんなのか。


 きな臭い雰囲気のなか、リオンはばつが悪そうに後ろ頭をかいてしまう。だが、そんな彼に対し、へたり込んでいたトモジが急に縋り付いてきた。


「な、なぁ。本当のことを言ったんだ。俺のことは、助けてくれるんだろぉ?」


 思いがけない一言に、リオンだけでなくアテナ、カンナも改めて商人の顔を見つめた。これまでと違い、トモジの顔にはどこか焦りのような色が覗いている。


「なあ、なあ! 俺のこと、守ってくれるだろぉ? 『デュランダル』の本部でも、牢獄でも、どこでも行くからさぁ」

「お、おい。なんだよ、急に?」

「頼むよぉ。俺が“教団”のこと、喋ったことは内密にしてくれよぉ。もし、こんなことがバレたら俺は――」


 懇願するトモジの姿に、なぜかリオンは圧倒されてしまう。気が付いた時にはトモジの手がリオンの服を掴み、強い力で引き寄せていた。


 彼のその焦りっぷりは、どうにも不可解でならない。トモジにとって『タタラ教団』は、ただその繋がりを利用するためだけの存在だったはずだ。だというのに、彼は自身が教団の情報を話したことを、過剰に恐れているように見える。


 リオンはちらりと周囲を確認したが、どこかから監視されているわけでもない。だとしたら一体、目の前の子の商人はなにに怯えているというのか。


 リオンが目の前のトモジに「落ち着けよ」と告げようとした、その瞬間であった。リオンの服を掴むトモジの手を通じ、奇妙な“感覚”が伝わってくる。


 ドクン――と、商人のか細い肉体が脈打った。その音は離れた位置に立つアテナやカンナにも聞こえたようで、誰しもが目を見開き、トモジを見つめる。


 一つ、また一つと大きく鼓動の音が響いた。それに合わせるようにトモジは急に立ち上がり、自身の頭を掴み苦しみだす。


「違う……違う違う違う! 違うんです、俺は裏切ったわけじゃあないぃ! 違うんですよぉぉお!!」


 トモジはなにかに怯えるように、虚空に向かって叫び出す。こうしているさなかにも彼の肉体がどくどくと脈打ち、その度にボロを纏ったか細い体が右へ、左へとのたうち回った。


 リオンが「おい!」と声をかけるが、商人はまるで聞く耳を持たない。三人が険しい表情を浮かべるなか、さらなる変化がトモジの肉体を襲う。


 商人の体の表面に、無数の“紋様”が浮かび上がった。赤く光り輝くそれはどんどんと強さを増し、ついにはトモジの肉体の表面が波打ち始めてしまう。


 もがき苦しむ彼に、リオンが手を伸ばそうとした。しかし、いち早く何かを察したアテナが、咄嗟にリオンの方を掴み制する。


「駄目だ、離れろ!!」


 ぐいと引き寄せられ、リオンは後方へと転んでしまう。ふわりと浮き上がった彼の目の前で、トモジはついにおぞましい絶叫を上げた。


「“タタラ様”――御許しをぉおおおおおお!!」


 男の金切り声に、鈍く痛々しい音が続く。


 トモジの叫び声を追うように、彼の全身から赤黒い“棘”が突き出し、肉体を内側から食い破った。


 長く伸びたそれは露店の品々を貫き、はては建物の石壁すら貫通する。リオンも一歩飛びのくのが遅れていれば、その“棘”に肉体を穿たれていたところだ。


 尻もちをつくリオンと、腰を落として身構えるアテナ、カンナ。一同は目の前に広がるおぞましい光景に、絶句してしまう。


 トモジは全身を串刺しにされ、絶命していた。彼の肉体は内側から突き出した“棘”に支えられ、いまだなお地面の上に立ち続けている。


 赤黒い“棘”の上を、トモジの肉体から溢れ出た鮮血が伝い、地面へと滴り落ちていく。巨大な剣山のようなその姿と、路地裏に立ち込める血生臭い香りに、一同は戦慄せざるをえない。


 骸となった商人の喉元から、あの間延びした声は聞こえてこない。静寂が戻ってきた路地裏には、血の雫が落ちて弾ける音が、いくつも不揃いなリズムで響き続けている。


 ぴちゃり、ぴちゃり――無数に連なる静かな“赤”の音色にリオンは呼吸を止め、死した商人の姿をただただ眼に焼き付ける他なかった。

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