第一弾 『うちは天上系関西弁ライター「蓮ちゃん♡」』

蓮花🪷⟡.·*.

始まりの終焉·····

ここは、今から『約300年程前のクレーシャ』


▽ ▽ ▽ ▽


「はぁはぁはぁ」


肩で息をしながら、必死で何かから逃げている幼女。

その薄く澄んだ桃色のツインテールが激しく左右に揺れる。


それに並走する、コバルトブルーの髪色に、エメラルドグリーンのハイライトが冴えるまるで「美ら海」の様な幻想的な髪色をした美少女が叫ぶ。

「な、なんなのじゃーあれは!あの様な存在は、わらわは知らぬぞょ!」


空には、業火の如く赤く燃えたぎっている惑星が一つ。

闇夜に不気味に浮かび上がっていた。

その赤と黒の闇夜に揉まれながら、桃色と青色の残影が、遠くまで伸びていた。


そして、その残影を飲み込むかの様に、何者かによって世界が食いちぎられていった。

その姿は、存在せず、現象と呼べるものだったのだ。

「片割れーーー、か、た、わ、れーーー!」

と、呪い言葉の様な低い声と共に、食いちぎられた世界は、ただの『無明』と化している。酸素も太陽光も存在しないただただ『闇』の世界に。

『禍(わざわい)』と言う名の終焉によって·····


「れ、蓮(れん)よ!このままでは皆、犬死にじゃ。責めてお主だけでも·····」

「な、何言うてんの!鶴(つる)、諦めるなぁぁ」


おおよそ、20代半ば位に見える透き通る様な青髪に、所々に金の刺繍が施された白系の羽衣を纏い、その背中には、左右に勇ましく広げられていたのだろうと思わせる白翼が、無惨にもボロボロにもぎ取られていた。


その風格を察するに、人間の流域を超える存在である事は、一目瞭然であった。


彼女の名は、『鶴姫天(つるひめてん)』


この世の何処かにあると、言い伝えられている『天上界』と呼ばれる世界に住む『天女』である。


そして、その鶴姫天と共に同じく、『禍(わざわい)』と呼ばれし終焉から、必死に逃げているまだ、10歳にも満たない見た目の幼女の名は、『蓮花(れんか)』と言った。


子供用の着物なのか? 色気より可愛いらしさが溢れ出ているピンク系の羽衣を羽織っていた。

髪は、名前の如く、『蓮の花』を彷彿させる美しさで、まるで今日咲いたかのような初々しい桃色をしており、左右を赤いデカリボンで飾ったツインテール。

そんな彼女の高く、まだまだあどけなさが残る愛らしい声が叫ぶ。


「つ、鶴! うちの神通力『作者特権』であれば、足止めできるかも·····そのうちにあんたは逃げてっ!」

その幼女が発した謎の神通力『作者特権』とは、蓮花自身が、この物語りの作者だと言う、事実の上で得られた特殊な能力だった。


この物語りの文書なら、なんでも! 消したり書き直したり出来るチート級なその力。

それで、我が身に迫り来る『禍』を文面から消し去る作戦に打って出ようとしたのだった。

それは即ち! 失敗は死に繋がる決死の決断を意味した。


その事に、何故か胸騒ぎがした、勘が鋭い鶴姫天は、残りの力を振り絞り、神通力『未来予知』を唱える。

それにより、この直後の未来を少しばかり授かる。


その結果は···············。


レンが『無明の闇』に飲み込まれて、必死でもがき苦しみ、その美しい青い瞳から大量の涙が溢れ出していた姿だった。

「れ、蓮! ダメじゃぁぁぁぁーーーー!今となっては、『作者特権』でも通用せぬ!手遅れじゃぁぁぁぁ!」


鶴姫天の金切り声が蓮花に突き刺さる!


「えっ!まじっ、超やばい状況やん!どうしようー鶴っ」

最後の希望策をも打ち砕かれた天女達。


このまま、世界と共に『無』と化すのか!


と思われた時、鶴姫天は、最大の決断を下す。

「蓮っ! もうこの世界はもう、持たぬ·····」

「???」

「こうなったら、お主だけでもこの時代から逃げるのじゃ!」

「な、何言うてんねん!鶴。まだ、まだ何か方法は、あるはずやぁ」

唇を強く噛み締めたレンの口が、血に染まっていく。


「蓮よ!わらわは、『未来予知』で見えたのじゃよ·····『無』と化すこの世界の行く末を·····」

「もう、この時代は、何をしても救えぬ····· ダメなのじゃ·····。だからじゃ、お主のその力でタイムスリップし、勇敢な者達を集めて、再び、いつの日か、この『禍』にリベンジしてはくれ

ぬかの?そして、この世界を救って欲しい·····わらわの最後の願いを聞いてくれぬかの? 」

「旧知の友よ!!!」


「うっ、うっ」

何も言い返せないでいる自分の無力さが、この時ほど情けなかった事は、なかった····。


洪水の様に溢れ出てくる涙を流したまま、うちは、静かに頷いた·····。


こんな最後のやり取りも、もう時間切れらしいわ。

すぐそこまで、その脅威は迫っていた。


「行けぇー 蓮っ! 後は頼んだぞぉー!」

と、言い放った鶴姫天は、両手を広げて、これ以上は行かせんぞ!とばかりに、その脅威を受け止める体制へと入った!


「くっ!」

そしてうちは、込み上げてくる悔しさを噛み締めながら、一冊の本を取り出した。

その本のタイトルは、『世界を救ったのは、犬ですか?猫ですか?』だった。


そう、紛れもなく作者『蓮花』が執筆した物語りだったのだ!

そして、うちは筆を右手に持ち、その本の文末にこう追記したの。

『すると、なんとそこには時代を翔る事が出来る霊獣が現れた! そして、レンは、その霊獣に乗り、この時代から姿を消したのだった』と、


すると!レンが書いた文章は、現実化し、目の前に白く光る亀のような姿の霊獣が現れた。

「かならず!必ず!助けに行くから·····鶴ぅぅぅーーー!!!」

と言い放ち、うちはその霊獣の背中へと飛び乗ったわ。


それを見届けた鶴姫天の横顔に、ふと一瞬!笑顔に見えた気がした。


その直後!


鶴姫天の姿は、『無明の闇』へと呑み込まれて行ったのだった。

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