【第二章略奪愛編】第17話 リュナの決意

夜空の下、月光が優しく浮遊都市ポイント・ネモを照らしていた。


庭園の中央に佇むリュナの前で、ルクスは真剣な面持ちで立っていた。


「リュナ……お前に渡したいものがある。」


リュナは驚いたように彼を見つめる。


「渡したいもの……?」


ルクスは静かに手を開き、そこには美しい銀の指輪が輝いていた。


「これは……?」


リュナがそっと指輪を見つめると、そこには精霊の紋章が刻まれていた。


「これは、俺が‘闇の精霊’に昇華した頃に、精霊王様から預かった指輪だ。」


リュナは驚いた表情のまま、ルクスを見上げた。


「精霊王様から……?」


ルクスは頷き、優しく微笑む。


「精霊王様は、俺にこう言ったんだ。 ‘いつかお前が本当に愛する運命の人に出会えたら、この指輪を渡せ’ってな。」


リュナは指輪を見つめたまま、そっと胸に手を当てる。


「……私に?」


「そうだ。」


ルクスはリュナの手を取り、ゆっくりと膝をついた。


「リュナ……俺はお前を‘聖女’ではなく、‘一人の女性’として愛している。」


リュナの瞳が大きく揺れる。


「お前を‘聖女’という役割から解放し、‘リュナ’という名前のもとに自由に生きてほしい。」


ルクスは真剣な瞳でリュナを見つめる。


「そして——」


彼は深く息を吸い込み、はっきりと告げた。


「俺と結婚してください!」



---


リュナの心の揺れ


リュナの心は大きく揺れていた。


——今まで、私は‘聖女’として生きてきた。 ——でも、ルクスは‘ただのリュナ’を愛してくれている。


彼の言葉は、リュナの胸にまっすぐ届いていた。


「……ルクス。」


彼の手の中の指輪を見つめながら、リュナはそっと微笑んだ。


「あなたは……本当に私を‘リュナ’として愛してくれるのですね。」


「当たり前だ!」


ルクスは力強くそう言い切る。


「俺は‘聖女’じゃなく‘リュナ’という‘一人の女性’に惚れたんだからな!」


リュナの瞳が潤んでいく。



---


リュナの答え


静かな時間が流れた後、リュナはゆっくりと手を伸ばし、 ルクスの手のひらにある指輪をそっと取り上げた。


「……はい。」


彼女の頬に涙が一筋流れた。


「喜んで……ルクスと‘結婚’します。」


ルクスの目が見開かれる。


「本当に……?」


「ええ……あなたが‘リュナ’を愛してくれたから。」


ルクスは感激のあまり、しばらく言葉を失った。


しかし、次の瞬間——


「っしゃああああ!!!リュナ、ありがとう!!!」


彼は勢いよくリュナを抱きしめた!


リュナは驚きながらも、幸せそうに微笑み、彼の腕の中に包まれた。



---


新たな未来へ


こうして、精霊王の加護が宿る指輪はリュナの指に収められ、 二人は運命の誓いを交わした。


夜空に輝く月が、新しい未来を祝福するように、優しく二人を照らしていた——。

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