【第二章略奪愛編】第14話 :聖女の自由と未来 〜リュナの決意〜

荘厳な玉座の間。


高くそびえる大理石の柱の間に、美しく磨かれた赤い絨毯が敷かれ、堂々たる威厳を放つ国王陛下がその中央に座していた。


その前に立つのは、一つの影—— 闇の精霊ルクス。


玉座の間に集まった重臣たちは、その異質な来訪者を不審げに見つめていたが、ルクスは怯むことなく胸を張り、静かに名乗った。


「私の名はルクス。闇の精霊にして、聖女リュナ様を守護する者。」


国王は鋭い目を光らせながら、重々しい声で問いかけた。


「何用だ、闇の精霊よ。」


ルクスは一歩前に進み、堂々と宣言する。


「陛下、私はリュナ様を完全に自由にしていただきたい!」


玉座の間が一瞬静まり返った。



---


リュナ視点


夜の静寂の中、私はルクスの帰りを待っていた。


彼が何かを決意し、国王陛下へ直談判しに行くと告げたとき、私は不安と期待の入り混じった感情を抱えていた。


私が生まれた時から課せられてきた“聖女”という役割。


民を救い、癒し、時には戦場へ赴くこともあった。それが私の宿命だと信じて疑わなかった。


しかし、ルクスは私に“自由”という可能性を見せてくれた。


「リュナ!」


勢いよく扉が開かれ、ルクスが満面の笑みを浮かべて駆け込んできた。


「リュナーーー!!!大ニュースだぞ!!!」


私は驚いて彼を見つめた。


「どうしたのですか、ルクス?」


「国王陛下が‘次期聖女の育成’を正式な役目として認めた!つまり、お前は‘聖女の務めから完全に自由になる日’が決まるんだ!」


私の心臓が強く脈打った。


「本当ですか!?」


「本当本当!さらに‘家庭を築くこと’も正式に許可された!」


私はしばらく言葉を失っていたが、やがて感極まったように微笑んだ。


「……ありがとうございます、ルクス。」


彼はどこか照れたように後頭部をかく。


「へへっ、当たって砕ける覚悟だったけど、砕けなかったぜ!」


私はくすっと笑いながら、そっと彼の手を握った。


「あなたのおかげで、私は‘自由’という未来を手に入れることができました。」


ルクスはその手を優しく握り返し、誇らしげに言った。


「これからは、お前が‘リュナ’として‘好きな道’を歩めるように、俺がずっとそばにいるからな!」


こうして、私は“聖女”としての宿命を超え、新たな未来へと歩み出した。


(続く)

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