見えない鍵

生き急ぐように、持っている鍵を差し込む。

必死に鍵を回そうとするが、動きもしない。

同じことの繰り返し。


最初は好奇心が勝っていたのに、

鍵を回すたび、心の中で何かが壊れていく。

数を重ねた今、鍵穴を見るだけで違うとわかる。

わかったふりをして、決めつける。


本当は合うかもしれないのに、試しもしない。

鍵が独りでに開くわけがないのに、

それでいいのだと、自分に言い聞かせる。


その先に広がる未来が、どんな意味を持つのか。

何が待っているのか、わからない。

知りたくないと思う自分がいた。


過去を振り返り、未熟だった自分と向き合う。

強く鍵を握りしめ、遠くの扉に目を向ける。


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