【BL】小春日和の並行世界 柔軟な男

vega猫

第1話 【BL】親友に攻められちゃっている柔軟な男1

「動いていいか?」

 暖かい小春日和の日差しが注がれている道を子供達の愉しげなざわめきが通り過ぎてゆく。

 昨夜の冷たい風はおさまり、

 静かな休日の昼前に、外の光の世界とは別の

薄暗い部屋の中、

 俺、「カイト」は、昨日まで親友だった男に抱かれちゃってる。

 

 ――――――――――――――――――――

 あぁ〜、初めての体験が、オ・ト・コ……

 自分は普通の男だったよね、、と思ってるのに、どうすればこう言う状況に?


 ――――――――――――――――――

 今日、家族出掛けてるから、留守番がてら遊びにきてって言っただけなのに〜、

 俺、全くの初体験なのに、どうしよう!


 午前中に勉強してゲームして、おやつを食べ終わってリラックスしていたら、いつものようにペタってくっついてた「ユゥキ」が頬を寄せて来て、

「キスして良いか?、カイト……」

 っと、そっとしてキスして来た。優しい……

 いつも密着して来るから、慣れてたけど「キス」は初めてで、俺はキョトンとする他なかった。

 

 キスをして、シャツを捲り上げてからソッと脇腹を撫でて来る親友の「ユゥキ」の手は限りなく繊細で大切な物に触れるみたい……

 拒否出来ない……

そして、その手は下に降りて来て、俺の下腹部をさすってきて、「触って良い?カイト」

 首筋に熱い吐息を掛けながら囁かれる、頭がボーっとして来る。

 イケメンは男にも効く。

 

「あっ、ちょっ、待ってユゥキィ〜、何?、ヌルッとしたのかけてんの、あ!、、そこ指入れないでぇ〜、んんッ」

 

 なんかローションを垂らされて、指がそっと中を掻き回す、ゆっくりとしたリズムに沿って、ぬちゃぬちゃっとエッチな音してきてるし、ゆっくり乳首を齧られると更に下の方も切なくなってくる……

「いっ、変な気分になるぅ……や、やめて……」

「ダメ、もう待たない」

 えぇ〜、あぁ、いつも用意周到な親友からは、もう逃れられないって悟った。


 そして、親友だからこそ、こんな風に強引な時のユゥキは止まらないのを知ってる。

 わっ、なに付けているのかな!?

 

 散々、上も下も愛撫されてなんか切ない気持ち良さが上がってくる。

「入れるよ、カイト、チカラ抜いて……」

「はっ、ンァァ」

 硬くて熱いユゥキのモノが押し込まれてる、

 繋がってしまった。絆しちゃってる……


 初めてなのに、おかしい、熱いソレがゴリゴリと侵入してくるのを、受け入れられてる。

「ふぁぁ……ん、」

「痛くないか?」

 (んッ、大丈夫だけどヘンナ感じ……)


 そして

「動いていいか?」と言われた。俺はもう涙目で言葉も出ない。

 

にちにちと音を立てて、出し入れしながら奥から擦り上げ始められて、目の奥がチカチカする、拡張されてる尾骶骨にゴリゴリとした刺激が来て、。

 

 あああぁ……んんッ!

 

 何かが、ズレる気がした。

 

 汗をかいて滑る肌に両手がそっと触れてくる。

 乳首や全身が強く弱く撫でさすりされてて気持ちいい、、。

 「カイト、キスさせて……」

 舌を絡める深いキスを受けていると、

 

んんんっ?と思った。

 (この手と、口づけの優しさは、俺、知ってる……覚えてる、)


一瞬固まった俺の顔を覗き込んで、アイツが言った。

 

「思い出したか?」


 言葉にならない、再び、問い掛けられた……

 

「覚えてるか?、あの時の事、オレのしたことを……」


 ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇


 燃え盛る炎があちこちに見える、見たことのない都市の残像が浮かぶ、そこに抱き合ってる2人の影……

 1人が叫ぶ、

 

「オレはお前だけいれば良いんだ、何故!一緒に来てくれないんだ!」

 

 ナイフが閃いたかと思うと……


 ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇


 息が詰まる、喉を斬られて俺はアイツの腕の中で死んだ。

 呼吸が出来ない。なんなんだコレは?

 更にきつく抱きしめられる。

「落ちつけ、息をしろ、今はあの時じゃ無い、」

 状況が分からなさすぎる。


(今)、と、(何か別の世界の時代)、が重なってる?


「何回、複製してもお前は戻って来なかった。それ程嫌だったのか?」

 (しっ、知らないッ、頭混乱状態なんだわ……)


「……分かった、今はコッチに集中しよう……」


 と、それまでゆっくりと動かしていた腰を、ユゥキが急に激しくして……

 うぁぁぁ、やめてぇぇ〜、うっ、気持ちい、い、

 (お前も一緒に、)

 淫らな動きをする手が、俺のも擦ってきて、

「あぁぁ、、ソレダメ!、い、!」

 あっという間にイッテシマッタ。


 ――――――――――

 前世?

 ヒトの複製?

 そんな〈いわゆる前世〉があったとしても、それは証明出来ないし、そんなハイテクノロジーの文明も聞いた事がない。

 ぐったりしながら、俺はユゥキに言った。

「その殺されたらしい場面は生々しく覚えているが、それ以外はちいっとも解らんよ」


ユゥキ 「ん、そうか……」

 全裸で後ろから両腕をまわされて、ずっとキスを首に受けて、胸やらアソコやらを撫でさするのを、し続けてるのおかしく無くないか?

 まるで恋人同士……

「いや、そうだったが?、それも忘れてんのか、はぁー」

 (どうして俺が責められるんだよ)


「てか、なんでお前は〈違う世界で生きてた〉ってのを覚えて居るんだ?」

 

「最初は思い出せなかった、幼稚園の頃、事故で死に掛けてふわふわしてたら、なんかシャボン玉が沢山有って、その中で一際大きな玉に入ったら、あの世界だった……」


 俺たちがかつて存在していた世界は、古い時代、しかもなんやら違う星だったらしい、科学は今の地球のソレよりも進んでるって、。

 怪しすぎる。

 でも、黙って聞く、確かにみたことない建物いっぱいあったし……

 

 (それ以降も身体が変で何回も高熱出して、苦しくなる度にあっちの世界を見てた……な)

 

 その時の自分と今の自分の性質があまりにも似通っているので前世かもと思い至ったんだ……

 ポツポツ喋ってる声は普通過ぎて、ユゥキの親友であると自他共に言われてる俺は信じるしかないだろう……。

 実感ないけどな!


 ユゥキ曰く、そこでの自分は孤児で軍人教育を受けて出世し、後に国家科学大学に編入し、そこで俺と出逢ったと言う。


 俺カイトはのんきに生物系の研究をするトップ科学者だったと、、、

 あー、今と変わらんなー。

 高校生の俺たちは生物部だし、俺生き物死ぬ程好きだし……

 俺たちは親友になって、恋人同士にもなったらしい。

 照れるな……


 しかし……、

 ユゥキ「その世界は滅びかけていた」と。

 

地殻変動が激しくなり、各地で発達させてきた科学では対処できない有様になっていた。


 そして、「コアが壊れた日」が来て、いよいよとなったそう……。



 ――――――――――

「ソレよりも、もっと、シタイ……」

 耳元をくすぐる低い甘い声は、頭もカラダも全ての芯を痺れさせてくる……

 コレも前の記憶とやらに関係するのか、

 あー、やめて、そっとあちこちを噛んだり、キスして嗅いだり、擦られると、また……


 とろけそうな目で見つめられながら、顎に指を掛けられ、唇を開けさせられて、ヌルリと舌を入れられる。

 ふぁーぁ、甘過ぎて、段々とおかしな気分になる、

 んふぁ……気持ち……良いかも


 今日一日、誰も家に居ないって、勉強したりゲームしようって、ユゥキを呼んだけど、こんなおおごとになるとは思わなかったぁー、

 (あぁ、いい、ふぁ……)

 

「ん、気持ち良いか?、固くなって来てる……」

 今度は、俺のに、キスするために下に近づく、潤んだ瞳の奥に、何か見えた……


 何を狙っている?

 快楽の渦に巻き込まれながらも、薄ら俺は感じた。妙な勘の鋭さには自信があるんだわ……

でもでもぉー、舌と指で気持ち良くされて、俺は再度、イカされてしまった……

 

 ――――――――――

 ふと、何か忘れてる気がするって一瞬感じたが、直ぐどっか行ってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【BL】小春日和の並行世界 柔軟な男 vega猫 @lila_rose

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る