しんせかい日記

@tokumei9696

エピローグ

この日記を拾った方へ。

僕は鈴鹿さとしと申します。2025年1月6日に書き始めました。埼玉の所沢市に住んでいます。都内にあるフラワーソートイノベーションという、家具屋の発注系の仕事をしています。


現時点での僕の年齢は29歳。3月で30歳となる予定です。


しかしながら、無事に30歳になる事ができるのか分かりません。この日記が貴方の元へ渡っているということは、僕は既にこの世には居ないかもしれないという事です。


これから記していく事は僕が生きている限り書き続けていこうと決意していますが、もしかしたら明日には死んでしまうかも知れません。

それほどまでに緊迫した状況であるにも関わらず、この日記を書ける理由は、この先の話を読めば分かるはずです。


そして、この日記が地球の未来や現代科学に役立つ事を願い、出来るだけ事細かに書くつもりです。


どうかこの日記がこの道の権威者に渡ることを願います。

また、私は既に両親は病死しており、伴侶も恋人もいません。居るのは血の繋がった弟が二人だけです。


もし、この日記が弟に渡ることがあればと願い、以下に弟への遺言を綴ります。


かなめへ。

仕事が忙しいと思いますが、体調は大丈夫ですか?

君は昔から無理し過ぎて体調を崩す事が多かったですね。そういうところは父親譲りで、君を見ていると父を思い出します。

兄の願いとしては、かなめが自分の体調管理をしっかりして、体調を崩さないようにして欲しいです。

そして、本当は見たかった。婚約者のユキナさんとの6月の結婚式。そして生まれてくる子供。

もう見ることが叶わないかもしれないと思うととても胸が苦しいです。

私の銀行口座に貯金がはいっていますので、兄からの祝い金と思って使ってください。暗証番号は母の命日です。

かなめ、兄が居なくとも君なら絶対に大丈夫だと信じています。僕のことで悲しみにくれて時間を無駄にするのではなく、ユキナさんと生まれてくる子供のために歩みを止めないでください。



しんごへ

しんごが幼い頃に父親が、続けて母親が亡くなり、僕がしんごを親の代わりとして育てましたね。

君が無事に大学を卒業して仕事を始めた時、旅立つことへの嬉しい気持ちと寂しい気持ちがせめぎ合っていたのを今でも思い出します。


君は、本来ならもっと甘えてもいいのに、僕やかなめに気を使っていたのか、とても真面目で物分りの良い子でした。

本来なら父親と母親の愛をもっと知るべきだったし、知って欲しかった。だから、僕なりに全力で愛情を注いだつもりです。君が結婚して家族ができた時には、同じように愛情を注いでください。

そして、君が本当は望んでいた両親の愛を、沢山子供に注いでください。

実は両親の銀行口座に多少の貯金がはいっています。僕の預金はかなめに譲るので、しんごは両親の預金口座をゆずります。

暗証番号は君の生年月日です。


本当はもっと思いを伝えたいが、これ以上に何をどう書いていけばいいのか?今の僕には難しいです。


それでは僕の今の状況、そして地球の置かれている状態を書いていきます。

取り柄のない僕なりの精一杯の出来ることをこれからしていきます。

どうか少しでも役に立つ事を願って。



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