悪群

ライカ

プロローグ

南極中国生物兵器研究所。 


ガン!

研究室中に衝撃音がなり響く。衝撃で研究室内の一つの小ケースが落下し、割れた。不快な小さな音をたててたった一匹の悪魔が開けっぱなしの扉から外にでる。


『さっきて、また作業員がミスったのかね』


『そうかもな、越冬中なのに無理やり作業してるからだよな。勘弁してほしいぜ。研究機器が壊れたらどうしてくれるんだよ』


ブーンブーン


『そういや、最近、可馨クゥシン 研究室で新しい生物兵器の試作虫ができたらしいぞ』


ブーンブーン


『へー国家の命令とは言っても良くもまあ、作れるよな』


『そゃ俺たちだってそうだろ。てか、さっきからハエか蚊いるな』


『ん?、あーそうだな……ん!痛!』

男は首筋に一瞬ピリと痛みを感じ。手を首筋に叩きつける。


『うげ、なんか、ハエ潰したみたいだ』

叩いた手には半分潰れたハエが乗っかっていた。


『ハエて噛んだり刺したりするのか?』


『さあ、変だな』


10時間後……


ピピピピ!

シューパチン!

警報器音と赤い警告灯が暗闇に覆われた壊れたパソコン、火花ちる電線が散乱する研究所を孤独に警告する。

ザーザー

ただ黒い塊が所内を闊歩する。





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