リソウフォーエバー

孤独という名の夏は、僕の瞼を、優しく焦がした。

平気で進んでいくだけの毎日は、やがて僕を置き去りにしていく。

思い描いていた理想とは程遠い、夏が来た。

理想に漸近してみると、それはそれで腑に落ちない、夏が来た。

結局、理想というものは、妄想だ。

妄想と現実は、乖離している。本質的に全く違う、隣り合わせの別物。

だから理想と現実は、何もかも、隅から隅まで、違う。

何か漠然とした骨組みはあっても。

その内側に染まるはずの色は、名前の知らない曖昧な色。


僕たちは、永遠に理想に辿り着くことはできない。

理想と追求することはできても、辿り着くことはできない。

だって、名前の知らないものを、人間は認知することができないのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る