第21話 部活でバーベキューとかおかしい話
自然に囲まれたバーベキュー場。
「あー、とうとう高校三度目の夏休みが終わってしまったねえ」
肉を焼きながら、
悲しみを含む色々な感情が混ざった声だった。バーベキューの火の燃える音が聞こえてくる。パチパチと、それは一定のリズムを奏でているかのようだった。
「1年の時から毎年この場所に来ているんですか?」
周りが静かな中、
暗くなり、星が少しずつ現れている空。
「バーベキューの発案者は当時の私の先輩だ。面白い提案をするのが得意な人でねー。私も、凄く憧れたさ ― いや、まだ憧れているのかもな」
「なるほど」と頷く
「さーて!良い感じに焼けたなあ!」
一気に現実に戻ってきたらしい
そして、僕の向かい側にある、丸太を使った椅子に座っていた
彼女の急な行動に
「次のの部長は
まだ早いのでは?と疑問に思ったけど、よく考えたら先輩ももうすぐ受験について考えなければならない。いつまでも部活をしているわけにもいかないのだ。
そう、未来について考えなければならない。
恐らく僕はこの世界で生きていく。であれば、大学受験や、その先の就職や生活もこの世界ですることになるだろう。僕は、
僕は隣に腰を下ろしている
僕は何をしているの?!なんで
顔が赤くなっているのが分かる。心臓の鼓動も早くなっている。普段ならば良く回るはずの僕の頭も、機能停止する。実際は違うのに、まるで酸欠になったかのような状態になった。
「
横から来たその声で、ハッと現実に引き戻される。
「大丈夫、なんでもないから」
納得はしていないようだったが、
「それにしても
と指摘する
「私は毎時間、脳を酷使していますので、これくらいは食べないと正常な動作ができません」
本当に変わった人が多いよ、この部活・・・・・
◇◇◇◇
バーベキュー終盤。もう食材は尽きていて、雑談をしたり、空を見上げたりと自由な時間を過ごしていた。
これはこれで楽しかったけど、ダラダラとし続けると”楽しいのに疲れる”という、一見矛盾するような感覚に包まれる。
そろそろ疲れだす人が出てくると悟ったのか、それまで静かに星を眺めていた
「みんな、帰るとしようか」
と優しく、はっきりとした声で提案する。そして彼女は片付けを始めた。
全てが終わると
「今日は来てくれてありがとう。気を付けて帰れよ! ― あ、
「は?」
「この時間で一人で帰るのは危険だろう?まあ、男子なら大丈夫なんだけど ― そう、男子なら」
え?
「あと
・・・・・僕が女装に興味があることも、バレてる?なんで?
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