第10話 テストは回避できない
時が経つのは早く、7月になり、高校でもっとも嫌われているイベントが始まる。その名も、「期末テスト期間」。
今日もいつも通りに登校して、いつも通りに教室に向かったけど、雰囲気が以前と全く違う。
もちろん、いつだって明るくてうるさい人はそのまま。でもやっぱり教室は少し静になっていた。
「あと一週間で期末テストだね・・・僕、大丈夫かな?」
「大丈夫だろ。別にテストで失敗しても、人生終了って訳でも無いしな」
見るというより・・・眺める?
なんか、凄い視線を感じる。ちょっと緊張するよ・・・!
「そ、そういえばさ、
気を紛らわせるように僕は聞く。
「あー、そうだったな。アイツ急に”勝負よ”なんて言ってきて、ふざけてんのか」
嫌なことを思い出したような
「でもまあ、これさえ乗り越えれば夏休みだもんな。そんなに悪くはないか」
夏休み ― つまりイベント大量発生期。この期間をどう過ごすかによって、「
「そうだね―。凄く楽しみ! ― いっしょにお祭りにでも行こうよ!」
「お、おう」
僕の提案に
ところで、僕の言葉は本音なのか演技なのか。自分にもこれが全く分からない。
おそらく、僕はすでに
じゃあなんで、まだ主人公を「
主人公のラブコメ妨害の必要がなくなれば、この世界で僕が目指してきたことは無くなる。では、いっそ本当に恋愛を・・・・・?
「おーい、
はっと現実に引き戻された。いつのまにか冷静さを取り戻した
僕は首を振る。
「・・・・・別に、大丈夫だよ」
教室に先生が入ってきて、全員が席に着きだした。僕もそれに合わせて、急いで自分の席へ向かう。
目的を失った人間は、無気力になったりする。それを戦略的に防ぐために、今後も
◇◇◇◇
再び一日が終わる。今日は金曜日じゃないが、部活がある。部長の
俺 ―
「お―っ、やっと来たねー!
さっそく
ちなみに、
「さーて!全員集まったことだ。今回の部活 ― 地歴部の緊急集会を始めるとしようじゃないかぁ!」
俺と
一体この人は何を始めるのだろうか。
「皆、これから期末テストがあるだろう?どうせ一年生たちは勉強で困っている。それで、だ。地歴部の「期末テスト前緊急対策講座」を開講しようじゃないか ―!」
要するに先輩らが俺らに勉強を教えるらしい。面倒すぎだろ、おい。
教える側の
「では、私が歴史の授業をしても?」
想定通り、
「そうだな。正確には、私たち上級生が全員授業をする。一対一でね!」
なるほど。授業の質は良いかもな。それでも面倒だが。
「さて、じゃあ
ということで、俺は
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