のぞき魔

あまみけ

のぞき魔

 もう30年も前の話さ。

 高3で初めて、彼女が出来たんだ。


 1コ上の浪人生で、ショートカットがよく似合う、明るくて、めちゃくちゃ可愛いかったね。

 

 出会いは、予備校の近くのゲーセンでさ。

 お互いゲーム好きだったから、受験勉強の息抜きで来てたゲーセンで知り合って、すぐに仲良くなって、俺が告白して付き合うことになった。

 俺はその子で全部、初めての経験をしたよ。

 キスもセックスも。

 んで、いつもの、もさ。


 友希ゆき、あぁ、その彼女の名前ね。

 もう名前からして可愛いだろ。俺らの世代だと女の子は◯◯子って名前の子が多くてさ。

 「友希」

 そう呼ぶとさ、「なぁに?」って俺を、んって見上げてニコリとするんだよ。

 まぁ、俺デカいからな。

 と言っても、友希も別にチビじゃないさ。165cmはあったと思う。

 ちょうどよかったからな。

 ん?何がって?別に気にすることじゃねーよ。笑


 初めては夏休みに入ったばかりの頃さ。

 俺も夏期講習で週に4日、午前中から予備校に通うことになった。

 予備校がちょっと遠くてさ。バスと電車で家から1時間近くかかるとこの大手の予備校だったんよ。

 だから、授業が終わった後は自習室で勉強して、夜遅くにはならないようには帰るよって親とは約束してたんだけど、実際は一人暮らしをしている友希の部屋に行って、一緒に勉強したり、“おうちデート”ってやつ?をしてたんだよね。


 おい!キモいって言うなよ!笑

 おっさんにだってな、若い時はあったんだよ!笑


 で、夏休みに入って2週間目さ。

 予備校の夏期講習が終わって、マクドで昼メシを食べた後に、友希の部屋で一緒に勉強してて2時間くらいが経ってた。

 友希が四つん這いの体勢で、本棚から英語のノートを探してる時によ。その、白のパンツ・・・あ、下着がね、見えててさ、、、で。


 で?って?

 は?俺の初体験の話だよ!

 あ、あぁ、はいはい、怖い話だろ。

 ちゃんと怖い話だから、ちゃんと聞いてろよ。


 続き、な。

 俺はその友希の白のパンツから目が離せなくて、自然と顔が友希のお尻に近付いて、友希がノートを取り出そうとしたのと同時に背後から抱きついて、友希、友希って何度も名前を呼んで、友希を抱きしめてしまってた。

 「イヤ、ちょっと、もうヤダ!」って友希が抗うんだけど、俺もガキだったからさ、その、胸を揉んだりしてたら、友希も俺のことが好きなんだから、すぐにその気になってくれると思って、友希から離れられなかったのよ。

 そしたら、泣き出しちゃってさ。友希。

 「もう、ほんとにやめて。ちゃんとするんだったら、私、大丈夫だから」って、小さくなって震えながら泣くんだよ。

 で、俺は友希から飛び退いて、土下座してごめんごめんごめん!って謝ったら、「ちゃんとしてくれるんだったら、いいよ。」って、恥ずかしそうに許してくれたんだ。


 友希が押し入れから布団を出して、俺がテーブルを端っこに寄せる。

 友希が布団を敷いてるのを見て、(俺、これから友希とセックスするんだ・・・)って、急にドキドキしてきた。

 そして、ズズっという友希が布団を敷いてる音と、古いエアコンのブーという稼働音が俺の聴覚を支配して、視覚は友希が布団を敷いている様に支配されながら、全身の血流が下半身のソレにギューっと集中して、凝縮していくかのように、まぁ、めちゃ勃起してた。


 「その、アレ、ご、ゴムあるの?」って、布団の準備ができた友希が、俺の手を握って恥ずかしそうに聞いてきたので、「ちゃんと、ある!よ!」と、サイフにずっとしまってたゴムを友希の眼の前に出して見せたんだよ。


 そしたら、そのゴムを友希が受け取って、枕元に置いてさ。

 「ずっと、私としたかったの?」

 「・・・その、私とエッチ。」

 うんうんって俺が首肯すると、そしたら、「うん、いいよ。」って、友希が応えてくれたから、俺は今度は恐る恐るって感じで友希を抱きしめてさ、初めてのキスが出来たんだよ〜。


 だーかーら!キモいって言うな!

 あん?かわいい?

 ・・・そう言われるのも嫌かもなぁ。


 で、もう、そしたら、アレさ。もう夢中でさ。

 何度も友希の唇と合わせて、吸って、吸い合って、舐めて、舌を絡めて舐め合った。

 

 友希を布団に寝かせて、またキスを再開して、Tシャツを捲って、一瞬ブラに見惚れてしまったけど、友希の背中に手をやってホックを外して、「見ていい?」って友希に聞きながら、ブラを捲る時は少し手が震えちゃったよ。


 彼女の白くて大きな胸に、少し大きめの乳輪にぷくりとした乳首があって、俺の目に焼き付いて、「友希のおっぱい・・・」ってガキみたいに言っちゃったよ。笑

 そしたら友希が「なんか可愛い。」って笑うもんだから、かわいいかよ!って見返してやるように、目の前の乳首に吸い付いて、舐め回して、反対の胸を揉んで、乳首を弄ってやった。

 俺は友希に覆い被さるようにして、胸と、乳首と、首筋と、友希の上半身を好きなように蹂躙した。


 でも、本当は友希が漏らす声、喘ぎ、吐息が俺を支配して、彼女が気持ちよくなるように、俺を操作して愛撫させてるんじゃないかって思うくらい、急速に彼女は妖艶に身体を揺らして、くねらせて、俺を下半身へ誘っていったんじゃないかって思う。


 友希のソレをパンツの上からなぞると熱く湿ってて、ホントに女って濡れるんだなって、感動しちゃって、その熱い熱い湿りを俺は執拗に擦り上げた。

 

 友希の喘ぎ声が可愛いものから淫靡な感じに変わって、俺が友希のソコに視線をやると、薄手の生地の下着がもうだいぶ透けてた。

 で、モザイクの向こうを見たかったからさ。

 友希に膝立で脚を広げさせてさ、お尻を浮かせて、パンツを脱がそうとしたんだよ。

 友希が恥ずかしいからヤダよ、って抵抗するけど、いいだろ、ココが見たいよって彼女の目を見て訴えると、少し困ったように、うんって頷いて壁の方を向いて恥ずかしそうにするんで、俺はパンツにまた手を掛けて脱がした。


 脱がしたパンツの中身は、薄い陰毛があって、初めて見た女性器はエロ漫画やエロゲーで見るものよりも色が濃くて、そして生々しかった。

 愛液で濡れたソコに吸い寄せられそうになって、俺は友希にまた許しを得て、初めてのソコに触れようと、視線を上げて彼女の顔を見ようとした時に気付いたんだよ。

 ソイツに。


 2つの目があってさ。

 のぞかれてたんだよ。本棚の下から2段目の英和辞書と赤本が並んでるところの詩隙間からさ。

 上の段とのちょっとした10cmくらいの隙間のところに、血走ったギラギラした目があって、俺は彼女の股座越しに彼女に声を掛けようとした瞬間にさ。

 ソイツに気が付いたんだよ。


 もちろんビビったさ。

 見られてるはずがないのに、ギラギラした目で見られてんだからよ。

 一瞬、ビクッとして、友希のソコにまさに触れようとしていたのも固まってしまったよ。

 でもよ、男子高校生の性欲なんてそんなもので萎えるもんじゃねぇ。もちろん俺のちんこもな。


 今もそうだったらいいのにね♡・・・じゃねぇよ!

 中折れなんてしたことなかったよなぁ・・・って、続き続き!


 友希のソコに初めて触れて、舐めて、まじまじと初めて見た。女のソコを。

 見られているからってどうした。

 俺が俺の友希とセックスをして、俺が童貞を卒業することに勝るものは無いさ。

 

 何回か事前に練習していたおかげで、俺はゴムを意外とスムーズに付けて、友希のソコに押し付けて、ヌルりと挿入したんだ。

 友希の反応で、友希が元カレと既に経験済みだったことに気付いてしまったけど、俺は友希とセックスしていることで頭がいっぱいになって、初めてはものの数分で果ててしまったわ。

 初めての感想は、まぁ、少し痛かったよ。


 実は女なの?って?

 は?

 目の前のおっさんがおばはんに見えるのかよ!

 ゴムが小さかったんだよ!

 仕方ねぇだろ、ソロプレイと対戦プレイじゃ、勃起の具合も違ったんだよ!

 でも、昔はAmazonもドンキもなかったからよぉ。大変だったんだぜ、探すの。

 て、ホントに話の腰を折るやつよな?お前。

 いいから、ちゃんと怖がる準備しておけよ。

 もうすぐ怖い話になるからよ。



 友希から身体を離して、俺が座って、だらんとひと仕事を終えた俺のソレからゴムを外してやると、あの目がゴムを見ているように見えた。

 アイツ、もしかして女なのか?

 もしかして俺のちんぽ見て、ギラギラと目を血走らせてんのかよ?って思ったけど、友希が、「気持ちよかったぁ?」ってそのゴムを手に取って、ぎゅっと縛って、布団の端に置いて。

 俺が「気持ちよかった!」って答えると、よかったぁと甘ったるく微笑むものだから、俺はまたドクドクと興奮して、友希に覆い被さって、唇を、胸を、ソコを蹂躙して、予備に持ってたもう1個のゴムを付けて、数分前の快感を覚えてしまってたせいで、今度は逆に焦ってさ、ぐりぐりと友希にねじ込んだよ。


 バックでしたい、と友希を四つん這いにさせて、また後ろから挿入する。

 後ろからは初めてで、AV男優の凄さを実感しつつ、またねじ込むように挿入して、腰をガクガクと動かしたよ。

 友希が、「もっとゆっくりがいいよ」って言ってくれたので、俺は落ち着くことが出来て、そっちの方が俺自身も気持ちいいことが分かると、少し余裕が出来たね。


 そうするとよ、アイツ、のぞき魔に見せつけてやるように、俺は友希を犯すようにしてやった。

 そうしていると、俺自身も見られていることで逆に興奮が増していったんだよね。

 友希もひょっとしたら、アイツに気付いているのか、見られていることに俺と一緒で興奮しているのかと思うくらい、だんだんと喘ぎ声は大きくなって、胸もお尻もソコも触って!と狂うように感じててよ、俺は慣れない後背位なのに、片方の手で胸を揉み、乳首を弄ってやった。

 尻を叩いて、胸も揉んで、ソコにも触れながらバックで友希を犯し、性器が擦り付けられる快感と、快感で普段とは違った友希の姿と声からくる視覚・聴覚両方の刺激で俺はクラクラとしながらも、本棚のアイツの目をチラチラと見ながら、俺は友希を犯している優越感に浸っていた。


 次の日も夏期講習の後は友希の部屋に行き、真面目に受験勉強をして、セックスをした。

 また、アイツにのぞかれながら。


 その次の日もまたその次の日も同じ。

 勉強して、セックスもした。


 それから1週間もした日。

 この日は水曜日だった。

 「生理が来たから、これからちょっとは勉強だけだね笑。」と友希が言うので、この日はセックスは無かった。

 「ちゃんと気持ちよくはさせてあげるから・・・」と、口でしてあげる、と友希が俺のズボンを脱がそうとするけど、自分だけがっていうのはイヤだから、いいよって遠慮したんだけど、結局は「お姉さんに任せなさい♡」という友希の強引さで、口でしてもらった。

 立ってる俺と中腰で愛おしそうに俺のを舐ってる友希の姿を、いつも通りアイツに見せつけながらさ。


 友希に口でしてもらった後、友希がこの部屋の大家でもある親戚のところに行ってくるから、留守番しているか、このまま帰るかどうする?って聞くので、バスの時間まで少しここにいるってことにした。

 この日は雨が酷くて、徒歩で駅まで20分ほど歩くのはイヤだったからね。

 「鍵は新聞受けに入れておいて、私は合鍵持っていくから。」って友希はカッパを着て、傘も持って自転車で親戚のところに行った。


 友希は元々、岡山の人でさ。

 大阪の国立大学に入りたくて、わざわざ親元を離れて、親戚が大家であるこのアパートで一人暮らしをしてたんだよ。

 あ、あぁ、なんでその親戚の家に下宿しなかったかって?

 その親戚の家の子とうまくいってなかったらしいんだよ。

 同い年の子がいてさ、その子が友希を嫌ってた、と言うより、顔も見たくないというくらいの仲だったみたいでさ。

 親御さんや同居している友希から見ると大叔母にあたる人たちは、友希のことを可愛がってくれてたようだけど、流石に自分の子が友希を嫌っていたらさ、お互いに良いことはないだろうからって、友希はアパートで一人暮らしになったんだってさ。

 で、毎週水曜日はその家の子が朝から大学に行って、夜はアルバイトで遅くまで帰って来ないので、週に1日だけでも友希の様子を見るということもあって、親戚の家で一緒に夕飯を食べるようにしていたんだ。


 友希が出ていって、30分に1本の駅までのバスまであと15分ほどあった。

 バス停はアパートのすぐ近く。徒歩1分で着く。

 俺は本棚に近づいて、ヨイショと重かったが、少し浮かせて横に移動させた。

 アイツの目がいつもある場所を確かめるためさ。

 アイツはいなかったよ。

 じゃあ、本棚の中にいるのか?と本棚の下から2段目も他の段も全部確認したさ。

 やっぱりアイツはいなかったよ。

 もちろん、前からわかってたよ。

 壁に面して置いてある本棚なんて、壁との間は数ミリ程度の隙間しか無い。

 人が竦める程のバカでかい本棚でもない。

 アイツは人じゃないってことはさ。分かってたよ。


 俺が確かめたかったのは、アイツが俺を見ているのか、それとも友希を見ているのかだ。

 本棚を元に戻して、狭い部屋を見渡したけどアイツはいない。

 潜むならここだろう、と押し入れも見たがいない。

 目ん玉でも小便くらいはするのか?涙を流すしな。と、トイレも見てみたがいない。

 どうやら、俺だけだったら出てこないってことが分かった。

 俺は荷物をまとめて、鍵を閉めてから、新聞受けに鍵を落とし入れて帰ったよ。

 



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

のぞき魔 あまみけ @amamike

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画