5

○サエの研究室

  T・1年後

  美咲、椅子に座っている。扉が開く。

  優人、入室する。


美咲「……優人?」

優人「美咲ちゃん」

美咲「本当に優人?」

優人「あはは、そうだよ。心配かけてごめん」

優人、美咲の頭を撫でる。

美咲「触らないでよ。痛むから」

優人「そうなんだ。髪って繊細だね」


  困惑する美咲。

  サエ、入室する。


サエ「美咲ちゃん!」

美咲「サエさん」


○自室・リビング・夜

  優人、キッチンでコーヒーを淹れる。

  美咲、優人をぼんやりと見つめる。


サエN「クローン実験は成功しました。美咲ちゃんがくれた実験費のおかげで、身体年齢の操作も完璧」


  優人、ブラックコーヒーを二杯持って来る。


優人「はい。コーヒーどうぞ」

美咲「ありがとう」


  美咲、ブラックコーヒーを見つめる。


サエN「この一年は病気で療養していて記憶が曖昧になったと思っている。動画があったから記憶はある程度復元できたけど、二人の秘密とかまでは……」

美咲「作り直すの大変そうだな」

優人「コーヒー?」

美咲「……ミルクたっぷり派なんだけど」

優人「ごめん。色々忘れてるみたいで。買って来るよ。あ、でも美咲ちゃんのお気に入りってコンビニに売ってないのか。今日は無理かな」

 

  美咲、音を立ててマグカップを机に置く。


美咲「無理って軽々しく言わないで!」

優人「え、うん。……ごめん」

美咲、コーヒーを一口飲む。

美咲「……にっがい」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る